STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ

STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ - all pics by 橋本塁(SOUND SHOOTER)all pics by 橋本塁(SOUND SHOOTER)
21st CENTURY ROCK BAND TOUR

今年10月にメジャーデビュー10周年を迎えるストレイテナー。2月には、事前に行ったリクエストに応えてセットリストを組んだ日本武道館公演を行い、5月1日には、初のベストアルバム『21st CENTURY ROCK BAND』をリリース。こういった流れを見るに、6年振り2回目となる47都道府県ツアーも、ファン感謝祭なムードになるのかな?なんて予想しながら足を運んだ、初日の渋谷クラブクアトロ。しかしそこでは、予想をはみ出まくる、プロフェッショナルでエモーショナルなライヴが展開されたのだ。

STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ
彼らの東京でのライヴ会場としては、かなり小さなキャパシティであるため、当然ながら逃げ場なしの灼熱地獄。そこに、さらに火を点けるかの如く、登場するなりシンペイは、金髪に変貌した自らの気合いを突き付けるように、フロアを前のめりで煽る。そこからはバンドもオーディエンスも、ノンストップでヒートアップしていった。ツアー初日なので、曲順や曲名にはあまり触れられないが、一曲ごとにイントロから歓声があがる盛況ぶり。とは言え、想像の範囲内ではなく「おっ!」とか、「おお!?」とか、様々な声色が飛び交っていた。しかも間近なものだから、強靭な演奏を繰り出す一挙手一投足にも歓声があがる。逆にシンペイはオーディエンスに「みんながバテてるのがよく見える」なんて笑っていたけれど。そりゃそうだ。決して激しい曲調ではない“羊の群れは丘を登る”で、天井から水滴が落ちてきたくらい、暑かったのだから! そんな距離感がもたらす和やかさと興奮がグッチャグチャになって、ライヴならではの空間を作り出していった。

STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ
STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ
そして、バンドは、この距離感では最早贅沢と思えるようなパフォーマンスを見せてくれた。“KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]”をはじめとしたダンスナンバーが畳みかけられた時間には、一筋のグルーヴがしなやかに変化していくような心地好さを感じた。オーディエンスも、隅にいる人から後ろにいる人までダンス、ダンス、ダンス! さらに、ホリエがピアノを弾く楽曲では、会場が大きく引き伸ばされるようなスケール感を味わわせてくれた。楽曲の流れも含めて絶妙。背が低い人間にとってはステージが見にくかったけれども(筆者もそうです)、音だけで存分に楽しめるライヴだったと思う。とは言え、“Melodic Storm”がはじまる前に、シンペイが椅子の上に立って後方まで見渡すような場面もあったところは、嬉しかった。

STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ
とにかくメンバーは「楽しい」と口にし、ホリエの「今日は5月8日でゴーヤの日」という言葉に代表されるような脱力系MCも飛び出すくらい(笑)、アットホームな雰囲気。そこには、クアトロとテナー、という関係性もあったのだと思う。ホリエはアンコールで「10年前に初めてクアトロでワンマンライヴをやった『TRAVELING SPEED CITY』のことを思い出した」と言っていた。ここは、彼らが築き上げてきた歴史を噛み締められる場所でもあるのだ。そんな中で、最新型の彼らのアンセム“From Noon Till Dawn”のシンガロングが起こっていると思うと、何とも感慨深いものがあった。

STRAIGHTENER @ 渋谷クラブクアトロ
12月7日の沖縄・桜坂セントラルまで、全52個所。彼らは、新たにどんな歴史を刻むのだろうか? 初日から、ひなっちがとある楽曲でコーラスを聴かせるというサプライズも飛び出してしまったのだから、今後に期待せずにはいられない!(高橋美穂)
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