『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
BUCK-TICKのメジャー・デビュー25周年記念イベント「BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE」。同名イベントとしては2007年以来2度目の開催で、今回は2DAYSにスケールアップして千葉ポートパークで行われた。出演アーティストはBUCK-TICKのほか、今年7月リリースのBUCK-TICKトリビュート・アルバムに参加した計12組。それぞれがトリビュート曲を披露したり、この日限りのセッションを展開したりしながら、2日間にわたってBUCK-TICKの25周年を盛大に祝うスペシャルなイベントとなった。その中から、氣志團/POLYSICS/N’夙川BOYS/Pay money To my Pain/AA=/D’ERLANGER(出演順)が参加した2日目の模様をお届けする。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
朝からあいにくの雨模様に見舞われたこの日。レインコートに身を包んだ観客がフィールドに続々と押し寄せるなか、開演時刻の13時半ちょうど、イベントの開幕を告げる狼煙がド派手に打ち上がる。そして“BE MY BABY”のSEに乗って現れたのは氣志團。いきなりトリビュート曲の“MACHINE”で勢いよくスタートを切ると、その後は“One Night Carnival”や“俺たちには土曜日しかない”などキラー・チューンで押しまくるアゲアゲなセット。30分という限られた時間のため翔やんのMCも控えめだったけど、そんな中でも「俺たちがBUCK-TICKに憧れた理由は、童貞喪失したコがBUCK-TICKのファンだったからだー!」と言ってキッチリ笑いを取っていた。ラストの最新シングル“SUPER BOY FRIEND”では、それぞれのカラーのルミカライトを持ったメンバー6人が一糸乱れぬダンスを披露。フェスのオープニングにふさわしい、最高のスタートダッシュだ。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
「トイス! 行くぜ、BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE!」と次に登場したのはPOLYSICS。1曲目“How are you?”からピコピコとした電子音とゴリゴリのバンドサウンドがハイスピードで疾走し、降りしきる雨もなんのそのとばかりに観客を無尽蔵に飛び跳ねさせていく。中盤では「今日はスペシャルなことをやろうと思います。今井さん、ユータさんです!」というハヤシの呼び込みで、なんとメンバーと同じグレーのつなぎとサングラスを身につけた今井寿と樋口豊が登場! 「カッコイー!」「カワイー!」という歓声が沸くフィールドに、トリビュート曲の“Sid Vicious ON THE BEACH”を5人編成で叩きつけてお祭りムードを盛り上げた。今井とユータがステージを掃けた後は、クライマックスへ向けて猛ダッシュ。ラスト“Let’s ダバダバ”では、「♪ダーダーダーダバダバダバー」のシンガロングが爽快に決まった!

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
一気に雨足が強まってきた15時過ぎ、「雨が降ってるけど、行けるのかい!?」(マーヤ)と勢いよく現れたのはN’夙川BOYS。“プラネットマジック”でライヴをスタートさせると、軽快なビートとリンダの瑞々しい歌声が爽やかに伸びていく。続くトリビュート曲の“EMPTY GIRL”では、「リンダ(Dr)/マーヤ(Vo・G)/シンノスケ(G)」編成→「リンダ(Vo・G)/マーヤ(G)/シンノスケ(Dr)」編成→「リンダ(Vo・G)/マーヤ(Vo・Dr)/シンノスケ(G)」編成……と目まぐるしくパートを変えながらオルタナティヴな音増を投下。その後も“Candy People”ではリンダがハンドマイク片手に激しく歌い踊ったり、ラストc“物語はちと?不安定”ではマーヤが観客エリアにダイブしようとしてスタッフに止められたりと、半ばぶっ壊れ気味に疾走する自由奔放なアクトを展開し、この日一番と思える激しい雨風に見舞われた千葉ポートパークを熱く震わせた。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
16時を回って、少しばかり雨脚が弱まった千葉ポートパーク。しかしPay money To my Painのアクトに突入すると、憂いを湛えたギターの旋律がこれでもかと降り注ぐ。“Here I'm singing”でフィールドをでっかく揺さぶった後は、「ここでスーパーゲストの登場です!」というKの呼び込みで、再び今井寿がオン・ステージ。そのままブチかまされたトリビュート曲“love letter”の獰猛な破壊力は凄まじいものだった。10月24日にはベスト・アルバムのリリースが控えている彼ら。そこに収録された新曲“Sweetest
vengeance”を披露した後は、“Weight of my pride”“Pictures”とキラー・チューンを畳み掛けてフィニッシュ。曲が終わるたびにフィールドから湧き起こる怒号のような歓声が、溢れ出すエモーションをラウドな轟音に変えて解き放つPTPならではのアクトの壮絶さを何よりも物語っていた。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
いきなりトリビュート曲“M・A・D”を爆音でプレイして観客を戦慄させたAA=。その後も “DISTORTION”“sTEP CODE”など重低音ビートとノイジーな電子音が乱れ飛ぶ強力なダンスナンバーをノンストップで畳み掛け、観客を一心不乱に踊らせていく。決して派手な動きないけれど、目の周りを黒く染め、鋭い眼光をギラつかせながら絶叫するTAKESHI UEDAのパフォーマンスは、観ているだけで身震いするもの。かと思えばMCでは、「BUCK-TICK25周年おめでとうございます。アニィの髪型が天に向かってバクチクしている間は、やり続けて欲しいと思います!」というサービストークも繰り出してフィールドを沸かせていく。神々しいメロディが夕暮れ空に上り詰めた“The Klock”で後半に突入すると、“GREED…”“FREEDOM”などを連打してあっという間のクライマックスへ。ラウドなサウンドとキラキラと光り輝くメロディが絶妙に融合した楽曲の数々で、観客の歓喜を清々しく解き放ってくれた最高のアクトだった。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
すっかり日が暮れた17時40分。3分強にわたる長いSEに続いて、紫のライトで照らされたステージにD'ERLANGERが降臨。激しいドラミングを合図にライヴをスタートさせると、聴き手の身体をザクザクと切り裂くような鋭利なギターサウンドが牙を剥く。この日はメンバー4人に加え、SOPHIAの都啓一がサポート・キーボードとして参加。“Angelic Poetry”“LULLABY”でポップに弾けた後は、DIR EN GREYのギタリスト・Dieもオン・ステージ! 「6人編成のD’ERLANGERはもうないと思う」とKYOが告げる中、“LA VIE EN ROSE”をアグレッシヴに奏でて濃密なグルーヴを艶やかに花
開かせた。ラストはトリビュート曲“ICONACLASM”で大団円。1983年結成という、BUCK-TICK以上に長い歴史を持つバンドとしての風格をこれでもかと見せつけて、ヘッドライナーのBUCK-TICKへと襷をつないだ。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
そして18時40分、いよいよBUCK-TICKが登場! エレクトリカルなSEに乗せて、インディアンのような大きな羽根を頭につけた今井寿、長いターバンを頭に巻いて黒いコートに身を包んだ櫻井敦司……とメンバーが順番に現れるたびに大歓声が沸き起こる。そして1曲目“独壇場 Beauty –R.I.P-”からフィールドは巨大なダンスフロアに! そのまま“エリーゼのために”を畳み掛け、彼らの出番を待っていたかのように雨脚が一気に弱まった空の下、ヘヴィなバンドサウンドを轟かせていく。演奏中はステージの端から端まで動き回り、最初のMCでは「雨の中ありがとう。イイ男イイ女になってますよ」と告げる櫻井は、いつになく解放感に満ちあふれている様子。オリエンタルなムード漂う神々しいメロディが天に向かって上り詰めた“Memento mori”では、サーチライトを片手にメンバーや観客を照らすパフォーマンスで祝祭ムードを盛り上げていた。

『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』@千葉ポートパーク特設野外ステージ(2日目)
中盤は、ダークな疾走感に満ちた“Jonathan Jet-Coaster”、フィールドを妖しく揺さぶった“Django!!!”、甘美で切ない陶酔感に彩られた“MISS TAKE ~僕はミス・テイク”と、1曲ごとに多彩なサウンドスケープを描いて観客を翻弄。さまざまな音楽性を貪欲に取り入れながら、幻惑的で肉感的な独自の音世界を貫いてきたBUCK-TICKの歴史が走馬灯のように駆け巡り、思わず胸が熱くなる。「さあ次は、《WE LOVE ALL 抱きしめたい》と歌ってください」と突入した“CLIMAX TOGETHER”では、櫻井/今井/星野英彦の3人がステージを縦横無尽に動き回る中、フィールド中がジャンプ、ジャンプ! 「2日間も続けてお祝いしてもらって本当に嬉しいです。25周年ですが、アニィなんか50歳になった今でもビンビンですよ」と、まだまだ止まることないバンドの未来を示唆した後は、デビュー・アルバム収録曲の“MY EYES & YOUR EYES”へ。25年を経ても色褪せることないビター&スイートなメロディと、櫻井の伸びやかな歌声が場内を優しく包み込んだところで本編を締め括った。

アンコールでは、出演アーティストへの感謝を述べて“DIABOLO”へ。今井が奏でる“キラキラ星”のフレーズから突入した“夢見る宇宙”では、いまだシトシトという雨が降り注ぐ夜空を雲ひとつない星空に変えてしまうようなスペイシーな音像がゆっくりと浮遊して壮大なクライマックスを演出。終演後はド派手な花火が打ち上がり、2日間に及んだステージを華々しく締め括った。メンバーがステージを去った後は、ステージ上のモニターに「今宵パレードが行くよ、君の夢の中へ。夢で逢いましょう、おやすみなさい」という文字が。フィールドのあちこちから「ありがとー!」という声と温かな拍手が沸き起こる。こうして沢山のファンを伴って、BUCK-TICKのパレードはまだまだ続いていく。(齋藤美穂)


※BUCK-TICKのみ1日目の写真となります
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