andymori @ Zepp Tokyo

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全国6ヵ所のZeppを回る『100分間のファンタジー 遊ぼうぜ 踊ろうぜ』ツアーのファイナル、Zepp Tokyo2デイズの1日目。なので、このレポは翌日の2日目が終わってからアップしました。ご存知のように、ニュー・アルバム『光』のリリース・ツアーの予定だったのが、土壇場でそのリリースが延期で5月2日になり、ゆえに「ニュー・アルバムのリリース直前ツアー」みたいなことになった。というのもあって、『光』収録曲をすべて、曲順通りやります、と、オフィシャルサイトで事前に告知した上でのライヴ。1曲目から11曲目までがそうでした。セットリストは以下。

1 ベースマン
2 光
3 インナージャーニー
4 君はダイヤモンドの輝き
5 3分間
6 クラブナイト
7 ひまわり
8 ジーニー
9 愛してやまない音楽を
10 シンガー
11 彼女
12 16
13 Sunrise&Sunset
14 投げKISSをあげるよ
15 革命
16 FOLLOW ME
17 everything is my guitar
18 ナツメグ
19 グロリアス軽トラ
20 クレイジークレーマー
21 スーパーマンになりたい
22 都会を走る猫
23 ハッピーエンド
24 andyとrock
25 ユートピア
26 ボディーランゲージ
27 サンセットクルージング
28 兄弟
29 サンシャイン
30 ベンガルトラとウィスキー
31 すごい速さ
32 Peace
33 1984

アンコール
34 宇宙の果ては この目の前に

andymori @ Zepp Tokyo
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頭2曲、“ベースマン”“光”をあっという間にプレイ、「ゲストです」という小山田の紹介で、くるりのファンファンが登場。 “インナージャーニー”でトランペット、“君はダイヤモンドの輝き”でキーボード、“3分間”でもキーボード、“クラブナイト”で再びトランペットをプレイ。ファンファン、『光』に参加しているので、その曲たちを演奏するために招かれたわけで、ありかたとしては、ゲストというよりもサポート・ミュージシャンに近い感じでした。
ファンファンがはけて、続く“ひまわり”ではドラム岡山がヴォーカル&アコギ、小山田はハープ、ベース藤原はトイ・ピアノをプレイ。12曲目“16”から、再びアコースティック・セットになり、小山田アコギ、藤原はそのままベース、岡山はカホンを叩く。曲中で、ステージ両袖からぶわーっとシャボン玉が吹き上がる。“Sunrise&Sunset”“投げKISSをあげるよ”もひき続きアコースティック・セットで。“革命”からバンド・セットに戻る。
29曲目“サンシャイン”は、『光』収録曲たちよりもあとにできた新曲。MCによると、“サンシャイン”というのはレコーディング・スタジオの名前だそうで、「発売を延期してスタジオ作業をしている時、メンバーふたりが寝たりマンガ読んだりなんか食ったりしてるのにむかついて、この曲を作った(笑)」というようなことだったそうです。確かに、レコーディングにいる時のことをそのまんま描くところから始まる曲なんだけど、サビの歌詞が、ちょっともう、すごい。必殺すぎ。小山田が3月8日のブログに歌詞をアップしていたので、まだ見てない方はぜひ。
なお、岡山に「レコーディング延期して、スタジオでどんどん新しい曲を作ってた」と言われた小山田、「いや、だって、(曲が)降りて来ちゃうからさあ……」と口にしてから、「しまった、かっこいいこと言っちゃった」と自分で思ったらしく、「ああ!」とか言ってごまかしてました。ただ、本人的には、本当にそうなんだと思う。曲を作るぞと思って作るんじゃなくて、できてしまうんだと思う。天才ってそういうものらしいので。
そして、本編ラストの“1984”でファンファンが再登場。あのイントロのメロディー(♪ファンファーレと熱狂~、のところのメロ)を、トランペットで奏でる。アンコールは3人で、これも『光』以降にできたと思しき新曲“宇宙の果ては この目の前に”。これ、次のアルバムのタイトル・チューンになるのでは? と思わせるような、スケールのでかい曲でした。気が早いですが。

僕は、『光』、作り直しになる前のものも含めてまだ一切聴いていない状態でこのライヴを観たので、集まったファンのみなさんと同じく、この場で、1曲目から11曲目まで、生で初めて『光』を聴く、ということになったわけだけど、「こういうの、いいもんなんだなあ」というのが、終わって最初に思った、正直な感想だった。こんなふうに、ファンが初めてアルバムを聴く場としてライヴを設定する、曲順通りにそのままやる、というの、招待ライヴや関係者向けのコンベンション・ライヴとかではあるけど、ツアーという形態で、普通にチケットを売ってそれを行うというのは、なかなかないのでは、と思う。……思い出した。ストーン・ローゼズの初来日ツアーがそうだった。1stアルバムを1曲目から順番にやって、最後の曲をやったところでアンコールもなしに終わりました。いや、でも、あれも違うわ。その前にとうにアルバムはリリースされていて、それを聴きこんでからライヴを観たわけなので、我々は。1989年の話です。
話を戻します。という、なかなか前例のないツアーになったの、アルバム・リリースを延期したからであって、最初からそうしたくてそうしたわけじゃないことは明らかだ。でも、それによって、結果的に、そうじゃなくてはできなかったであろう経験を我々にもたらしてくれる、そういうライヴになっていた。なんか、とても、得した気分になりました。

なお、ツアー・タイトルの「100分間のファンタジー」というのは、『光』5曲目に収録の“3分間”に、「ロックンロールは3分間のファンタジー」というような歌詞があるので、そこからだと思うが、実際には100分間じゃありませんでした。120分か130分くらいありました。で、全34曲。
という、すさまじい曲数の多さはandymoriのライヴにおいては普通なことだし、なんでそうなるのかというと1曲1曲が短いからなんだけど、「andymoriの曲はなぜ短いのか」というだけのテーマで、原稿1本書けそうだなあ、と、観ながら何度も思った。曲の尺も、アレンジも、演奏のしかたも、メロディも歌詞も含めてすべてが「こうじゃなきゃダメ」という必然だけでできているバンドなので。
あと、小山田の書く歌詞って、「過去」と「すごい勢いで過去になっていく今」、それだけを歌っているなあ、とかいうことも思った。つまり「すべてが終わっていく」「すべてが過去になっていく」「すべてが失われていく」ことを歌っているのかなあ、とも思った。あくまで私個人の捉え方ですが、それだけでも原稿1本書けそうだなあ、とも思ったりしました。
要は、観ていると、聴いていると、ものすごく刺激を受ける、ということです。観たばかりなのに、早いとこもう1回観たい。(兵庫慎司)

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