YATSUI FESTIVAL 2012 @ 渋谷5会場

YATSUI FESTIVAL 2012 @ 渋谷5会場
YATSUI FESTIVAL 2012 @ 渋谷5会場
芸人でありDJであるエレキコミックやついいちろうが、イベントは前にもやったことあるけど、フェス規模では初めて開催したのが、この「YATSUI FESTIVAL 2012」。東京は渋谷のライヴハウス、O-EAST(1300人)、O-WEST(600人)、nest(250人)、O-Crest(250人)、duo MUSIC EXCHANGE(ここだけ公式サイト内でキャパの表記、見つけられませんでした。ウィキにはスタンディングで1100人って書いてあるけど、そんなに入るか? とちょっと疑問です、私)の5会場を借り切って、行われました。東京圏以外にお住まいの方のために書いておくと、渋谷のラブホテルとライヴハウスとクラブが並び立つ一方通行の道に面して、片側にO-EASTとduoとO-Crestのビルがあって、その斜め向かいにO-WESTとnestが入っているビルがあります。だから、各会場の移動がとてもラクです。
と、ここまで書くために、会場の公式サイトを読んでいて気づきました。私、この5つのハコ、全部O-Groupが経営しているもんだと思ってたんだけど、duoだけ違うんですね。O-Groupのサイトにduoだけ入っていないことと、そのサイトの「About-O」というページの中に「同ビル1階には300席のシーティングスタイルを活かしたDuo MUSIC EXCHANGEも入店し」という記述があることで、「そうか、『入店し』ってことは場所をほかの会社に貸してるのか」と、わかったのでした。ただし、お客さん的には、そんなのどうでもいいことだろうし、東京の音楽業界人的には「え? 知らなかったの?」ってことだろうし、わざわざここに書かなくてもよかった、という気持ちでいっぱいです、今。

さて。その5会場で、昼12:30にオープン、O-EASTでトリのDJやついいちろうが終わったのが22時10分とかそれくらい、なので約9時間40分。出演は、バンド、ソロ、DJ、アイドル、芸人さん、トークショー(やついくんと宮沢章夫)など、合わせて全部で……タイムテーブルを数えたところ、ざっと80組。芸人さんとDJは、O-EASTとduoのバンド・アクトの転換中に、サブステージでネタをやるもしくは曲をかける、という構成でした。詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。こちら。http://www.yatsui-fes.com/

で。私、出演者として、duoで3枠、開場中と転換中にDJやりました。数ヶ月前に、やついくんとサニーデイ田中と一緒にDJやる機会があって、その時にこのフェスを行うという話をきいて、「へえーいいねえ、すごいじゃん」とか驚いてたら「田中さんと兵庫さんもDJやってください」と声をかけてくれ、決まりました。で、duoの前半は私、後半は田中、ということになったのでした。
なので、これ、「出てる奴が書いている」という、よくわからないレポですが、とにかく持ち時間以外は、なるべくいっぱい観ようと、とにかく動きました。順番に書きます。

1 duoの開場中のDJをやる
2 そのままduoでアシガルユースを途中まで観る
3 O-WESTに移動してNegiccoを2曲
4 O-EASTに行ってレキシを2曲、池ちゃんとやついくんの掛け合いで爆笑
5 duoに戻ってゆってぃ・鬼ヶ島・流れ星。いずれも大笑い
6 そのままduoでバニラビーンズ2曲、「ああ、こういう感じなのか」と納得
7 nestまでの階段を駆け上がってBaby&CIDER。オケの機材トラブルにハラハラする
8 nestの上のカフェフロアでブログ1回書いてアップ
9 nestに戻って南波志帆。超満員のあまりほとんど見えないので早々とあきらめる
10 duoでmonobright。ケラがシークレットで登場、一緒に“オードリー・ヘプバーン泥棒”やった!
11 CrestでIMALU。ギターex.Riddim Saunter佐藤寛、ベース中尾憲太郎、キーボード横山裕章、ドラムはソカバンのオータコージという強力すぎるメンツ。ちなみに横山裕章はランタンパレードと、オータくんはソカバンとの、フェス内ダブルヘッダー。
12 Westでいとうせいこう。かせきさいだぁも参加! DJのDub Master X、強力!
13 duoでザ・ガンビーズ。ケラ&犬山イヌコ&みのすけなどのアコースティック・バンドみたいなユニットです。これが初ライヴ。RCサクセション“言論の自由”のカヴァーとかやってました。
14 そのままduoで自分がDJ。
15 duoでRAM RIDER。よかった! 音楽もパフォーマンスも映像もすばらしい。というか、新しいものをとても感じました。
16 duo、また自分のDJ。これでおしまい、田中にバトンタッチ。
17 duo、木根尚登。鍵盤弾き語りと楽しいおしゃべりに大笑い。で、途中で実は、やむにやまれぬ仕事によりいっぺん会場を出る。
18 ダッシュで戻ってきて東京女子流。5人組ですが、ひとり足の指を骨折したそうで、今日は4人でのパフォーマンス。ってことを、MCで言われるまでわからずに観てました、私。途中でバニラビーンズのふたりがゲスト参加。
19 O-EASTに移動、カジヒデキのDJから、曽我部恵一BAND。おなじみのセットリストだなあ、でももうすぐアルバム出るらしいからこれも見納めかな、とか思っていたら、後半、新曲やりました。バンドってよく、ライヴの時、ラストの曲の最後で、メンバー全員で♪ジャーン! って楽器を鳴らしまくるでしょ。頭から最後までほとんどあの状態で、その上にのって曽我部が一所懸命に朗々と歌う、という、びっくりな曲でした。なんなんだ。アルバム楽しみ。
20 duoに戻ってSCOOBIE DO。めちゃめちゃアゲてて「えらいなあ」と思う。
21 そのままduo、田中のDJをちょっと聴く。
22 O-EAST。キングオブコメディのコントで笑ったあと、小室哲哉。何をやるんだろう、という興味で観に行きました。アナログ盤を使ってDJをやりつつシンセを弾いたりする、というパフォーマンスであることを確認して、duoへ戻る。
23 duoのトリ、GOING UNDER GROUND。すばらしい。松本素生、インディー・リリースの頃、つまり20歳そこそこの頃から観てるけど、今が一番かっこいい。というか、今が一番、モテそう。それ、すばらしいことだよなあ、とか思う。二度目のアンコールの最後に、メンバー4人でアカペラやりました。鳥肌もんでした。
24 O-EASTに戻ってフェス全体のトリ、DJやついいちろう。アンコールはエレキコミック+ラーメンズ片桐仁のエレ片扮するアイドルユニット「危険日チャレンジガールズ」……のはずが、片桐仁がインフルエンザで病欠のため、曲を提供した(あとから加入したメンバーでもあるらしい)NONA REEVES西寺郷太が、おそらく片桐の分の衣裳を着て共に登場。タオルがんがん回させて大いに盛り上げる。で、ダブルアンコールで、「もう持ち曲がない」と言いながら、Bzの「UltraSoul」をセレクト、みんなでサビでしジャンプしてシメました。

これ、レポートってより、単なる「私はこれを観ました」って記録ですね。でも、書いてしまったものはしかたない。とにかく、自分の出番が終わるまでは、各会場を回りながら、何度も何度もタイムテーブルを見て、自分の持ち時間を確認してました、私。duoに戻るの忘れるんじゃないか、すっぽかすんじゃないか俺、という不安が消えなかったので。なんで。あまりにも楽しくて。
で、その楽しさ、いっぱい観れるからとか、お笑いとかアイドルとか普段そんなにライヴで触れる機会がないものもいっぱい出るから、っていうだけじゃなかった。ちゃんと、すべてのハコが、フェスの空気になっていたから、あんなに楽しかったんだと思う。nestの上のカフェのフロアが、DJとフードと休憩のスペースになっていた、つまり休む場所もちゃんと作ってあったりしたのも、フェスっぽくてよかったし。

特に感心したのが、というかもはや不思議だったのが、どのハコのどのアクトにもちゃんと人が入っていて、「うわ、さみしいわ、これ」みたいな瞬間がなかったこと。で、逆に、入場規制も、そんなにかかっていなかったこと。キャパが小さいnestは何度かかかっていたし、O-EASTのきゃりーぱみゅぱみゅの時間はさすがに人が溢れてたけど、それ以外は、移動するのも観るのもとてもスムーズだった。たまたま僕が観たところがそうだっただけ、という可能性もありますが。
これ、運営側の努力もあるが、それだけではどうにもならない部分もある。すごくざっくり言ってしまうと、「○○が出るから来た」という人が多いと、人の流れって難しくなるし、そうじゃなくて「このフェス自体に来た」という人が多ければ、こんなふうにとてもスムーズになる、というものだと思う。マジで、そういう、「わかっている」参加者ばかりだったと思った。で、そういう「わかっている」参加者を集めたのは、言うまでもなくやついくんなわけで、これってすばらしいことだよなあ、と本当に思った。終演後、帰っていく人たち、みんなほんとにいい顔してました。

ただ、唯一の課題は、このフェス、ソールドアウトしてたけど、それでもビジネスとしては全然成立してないんじゃないか、と思わせるフシがあること。チケット何枚で止めたのかは知りませんが、入場料5000円で、全部のハコのキャパを足しても(ウィキを鵜呑みにしても)3,500人くらい。で、出演者、80組以上。で、なんかスポンサーが付いていたり、ということもなさそうだった、見る限りでは。ね。無理でしょ。
タイトルに「2012」って付いているってことは、今後もやりたいと思ってるんだろうし、毎年じゃなくてもいので、続けてもらえる方法を模索していただけるとうれしいです、やついくん。


なお、このフェス、フジテレビNEXTで放送されるようです。会場で発表されていました。詳しいことは、まだアップされていませんが、近々エレキコミックの公式サイトに載ると思うので、そちらをご覧ください。(兵庫慎司)
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