MAN WITH A MISSION @ LIQUIDROOM ebisu

『草食男子絶滅ツアー 2011/2012』と銘打って、昨年10月の渋谷eggmanを皮切りに列島各所で吠えまくってきたオオカミ・バンド=MAN WITH A MISSION。年末の『COUNTDOWN JAPAN 11/12』での熱狂的ステージも記憶に新しい彼らだが、そのツアー・ファイナルとなる今夜のLIQUIDROOM公演は見事にチケット、ソールド・アウト! 開演前から大勢の「ガウラー」が詰めかけ、むせかえるような熱気に包まれたLIQUIDROOMである。

開演時刻を少し回った頃、ステージ向かって左手のスクリーンにカウントダウンが投影され、壇上のバンドが一気呵成にオープニング・ナンバー「NEVER FXXKIN' MIND THE RULES」をかき鳴らすとフロアは沸点めがけて勢い沸き立ち、さらに一段ギアを上げて「Feel and Think」に雪崩れ込めば次から次へとダイヴァー勃発! 「ファイナルデスカラ我々オオカミタチモイツモ以上二盛リ上ガッテマスガ、ニンゲンノミナサマハイカガデスカ!?」とギターのJean-Ken Johnnyが呼びかければ(以下、MCはすべてJean-Ken Johnny)、当然ビッグな「イエーッ!!」が投げ返され、続く「DON'T LOOSE YOURSELF」でも、場内一丸となってリキッドの底も抜けんばかりのジャンプ・アップ! フロア後方までオーディエンスが一斉に飛び上がる様は壮観ですらあったほどだった。

で、続く「WELCOME TO THE NEW WORLD」を終えたところで、おもむろにフロント4人が捌け、残ったDJ Santa Monica とドラムス・Spear Ribによるソロ・バトルが展開。2人でさんざん客席を湧かせたのち、バイバイと手をふって2人も降壇すると、スクリーンに恒例のショート・ムーヴィー=「MAN WITH A MISSIONにミッションを与えよ!」が投影ーー。なんか新しいミッションやろうってことでひとしきりおバカなやり取りがあったのち(場内大爆笑!)、「DJ Santa Monicaがスカイダイビングに挑戦!?」ってことになったところで一旦ムーヴィーは終了。で、再びバンドが登場してライヴの第2幕がスタートし、新曲のプレゼントや必殺の「Smells Like Teen Sprit」(ニルヴァーナ)カヴァー投下で再度フロアを絶頂へと導いていく。 一見すると、オオカミの顔面を持ったバンドが下々のニンゲンどもをアゲまくるという異様な光景なのだが、何しろ人懐っこいオオカミたちなもんで、両者の間には同胞意識にも近いような、種を超えた親密なコミュニケーションが成立している。「コウシテファイナルヲ迎エラレタノハ、支エテクダサッタミナサマ、平素ヨリ応援シテクダサッテルミナサマノオカゲデス。アリガトウゴザイマシタ!」とMCでもとにかく「人が良い」し、ちょっと矛盾した言い方だけれど、彼らがオオカミであることで増幅されるヒューマニズムのようなものが、バンドにえも言われぬチャーム(愛嬌)を与え、見る者すべてをオープン・マインドにしてしまうのだろう。実際、家に一匹連れて帰りたいほどだったから(笑)。

気になるミッションの続きだが、なんとハワイ・ロケを敢行し、DJ Santa Monicaがマジでスカイダイビングに挑戦! セスナで上空へと駆け上がって、高度4,267mから決死のオオカミ・ダイヴ!(もちろんインストラクター付きですが)。見事にミッション・コンプリートとなり、対抗意識を燃やしたJean-Ken Johnnyがさらなるミッションに挑む、乞うご期待!と告げてムーヴィーは完結、で、ライヴの第3幕がスタートと、趣向を凝らしたステージ構成でガウラーたちを一時も飽きさせず、本編ラストの「FLY AGAIN」で生み出された弾けるようなユニティ感は、そりゃあすごいもんだった。

アンコール前には、スクリーンに「重大発表」が投影され、規模を拡大した対バン/ワンマン・ツアー『DON’T FEEL THE DISTANCE』の開催と、ニュー・シングル「distance」が4月4日にリリースされることがアナウンスされた(ガウラー大喜び!)。オオカミたちは「ダブル焼肉」(要するにダブル・アンコールのことです・笑)にも応えて、『草食男子絶滅ツアー』は大団円。次の東京でのワンマンは渋谷AX(5月27日)と数倍のキャパとなるが、な~んも心配ナッシング! そう確信せざるをえないほど、バンドの勢いと野心、そして無類のエンターテインメント性に溢れた快演だった。(奥村明裕)
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