ベースメント・ジャックス @ FAC51 THE HACIENDA @ SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION

ベースメント・ジャックス @ FAC51 THE HACIENDA @ SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
ベースメント・ジャックス @ FAC51 THE HACIENDA @ SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
このライヴ・レポートなのですが、って、ライヴじゃなくてDJですが、本題のベースメント・ジャックスのプレイについて、の前に、2つ書いておきたいことがあります。

まず、この『FAC51 THE HACIENDA』について、ちょっと説明が必要かと。要は、ハシエンダ公認のパーティーが、ちょっと前から日本でスタートしたわけです。って、ハシエンダ知らない方にとっては説明になってませんね。えーと、UKはマンチェスターのレーベル、Factoryが、1982年に、所属アーティストのニュー・オーダーなどの出資によって地元に作ったクラブです。それ以降のUKロック・UKダンス・ミュージックの流れを変えた、ざっくり言えばマンチェスター・ムーヴメントはここから始まったしロックとダンス・ミュージックの融合もここから始まった……それはさすがにざっくり言いすぎかもしれませんが、とにかく、大変に重要なヴェニューで、1997年に閉鎖されましたが、日本でも、80年代~90年代のUKロック好きは、その存在をみんな知っていました。行ったことがある、という人は、周りから一目置かれたりしました。カメラマン・ライター・オーガナイザーの久保憲司さんとかがそうですね、確か。
なお、「FAC51」の「FAC」はFactoryのことで、「51」というのは、Factoryって音源のみならずアートワークやポスターなど、自分のところの創作物にすべて通し番号を振っていくということをやっており、そのマンチェスターのハシエンダは、その51番目の創作物だった、ということですね。
つまり、本家のハシエンダはクラブであってパーティーの名前じゃなかったんだけど、その意志(もしくは遺志)を継ぐパーティーが、日本で始まった、ということです。今年8月12日(金)のソニックマニア@幕張メッセ、ステージ3つあって、そのうちのひとつがこのパーティー『FAC51 THE HACIENDA』仕切りでした。アラン・マッギーや808ステイト、ピーター・フックがプレイしたステージです。
以上の説明、誰かからきいたわけではなく、公式サイトを見て私が解釈したものですが、こんなところで合ってますでしょうか。間違ってるところあったら教えてください。
で、今回、そのパーティーのゲストとして、ベースメント・ジャックスがDJセットで登場した、というわけです。ほかにも、sugiurumnやジャスティン・ロバートソン(ライオンロック! というと「おまえビッグ・ビート好きだったろ」ってばれますが)などなど、豪華かつバラエティに富んだメンツでした。

次の説明。このパーティーの場所、SOUND MUSEUM VISION SHIBUYAについてです。
東京渋谷は道玄坂に、11月2日にオープンしたばかりのクラブ。代官山AIRをやっている会社が、新たにオープンさせたそうで、私、初めて行ったんですが。びっくりしました。で、興奮しました。「いい、このハコ!」と。
メインフロアは、えーと、AIRよりは大きく、恵比寿リキッドルームよりは小さく、西麻布のelevenよりちょっとだけ大きいかなあ、麻布十番のWAREHOUSEよりはほんのちょっと小さいかも、くらいの、いわゆる「大き目の中バコ」的なサイズなんだけど、そのメインフロアの奥にさらにフロアが2つある。さらに、メインフロアの逆サイドの奥に、VIPルームとして使われていた部屋があったんだけど、あそこにもDJブースあると思う。つまり、4フロアある、ということです。この日は3フロアですが。
私、昔、ロンドンとイビサでクラブ巡りをしたことがあって、その時以来「クラブはフロアがいっぱいある方が偉い」と刷り込まれてしまっているので、そのあれでいうと、このハコ、東京において、新木場のaGEHAの次に偉い、ということになります。ロック・フェスのステージと同じで、いっぱいあると、とりあえず、楽しいじゃないですか。ということです。で、そこらじゅうにバー・カウンターあるし。いやあ、めちゃめちゃいいわ、ここ。
ただ、なんせ新しいハコなので、お客さんみんな、まだ勝手がわからなくて、最初は入ってすぐのメインフロアで止まっちゃって、だからすんごい混み具合だったりしたんだけど、1:00を回ったあたりから、「あ、奥にもいろいろあるんだ」ってことにだんだん気づいて、いい感じで人が流れ始めました。
3つのフロアでどのようなDJたちが回していたか、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。http://www.vision-tokyo.com/ 個人的には、ベースメントの真裏の時間、MADCHESTER LOUNGE(3番目のフロアね)で回していたKINKのプレイが楽しかったです。その名の通り、BLUR、ローゼズ、シャーラタンズ、と、もうベッタベタで。

ベースメント・ジャックス @ FAC51 THE HACIENDA @ SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
で。ようやく本題、ベースメント・ジャックスのプレイについてです。ライヴは2010年2月25日の赤坂BLITZで観たのが一番最近だけど(レポはこちら http://ro69.jp/live/detail/31453 )、DJはいつ以来だったっけ。思い出せないので自分のブログで検索かけたら、2008年10月19日に、幕張メッセの「GANBAN NIGHT」で来日した時、行っているようです、私。「ようです」って(レポはこちら。http://ro69.jp/live/detail/7445 )。
その時は、自分たちの曲を何曲も使う、わりとベタな感じのプレイだったような記憶がうっすらあるんだけど、今回はちょっと違った印象。ラストに“ROMEO”と“WHERE’S YOUR HEAD AT”をかけて、それでなくても全員汗びっしょりのフロアをさらに死ぬほどアゲたけど、そしてそれ、めちゃめちゃ気持ちよかったけど、そこまではもっとなんか、ストイックでした。英語と日本語であいさつのアナウンスをかけてプレイがスタート(日本語バージョンは「ご来場の皆様、ベースメント・ジャックスの世界へようこそ」というセリフでした)して以降、「四つ打ち」「歌もの」「ラテン入ってる」「ジャズもちょっと入ってる」という線のトラックを、どんどんつないでいく。つまり、ベースメントの曲じゃないけど、ベースメント好きな人ならすごく好きでしょ、気持ちいいでしょ、このあたり。というラインだったわけです。つまり、最高だったわけです。
始まったの、0:00くらいで、終わったの、確か2:30くらいだったけど、あっという間だった。前述のように、途中でほかのフロアの様子も見に行ったりしてたから、というのもありますが。唯一、つらかったのは、プレイの後半、2:15くらいからかな、音が割れるくらい音量を上げまくってたことくらい。特に私、スピーカーの前にいたので、耳、痛かった。周囲も「耳が、耳があ」って悲鳴あげてました。帰り道、ずっと鼓膜が「キーン」ってなってました。っていうのも、まあ、楽しいんだけど。

なお、『FAC51 THE HACIENDA』、次回は12月3日、同じくここ渋谷SOUND MUSEUM VISIONにて開催。レジデントDJは今回同様sugiurumn、ゲストはトッド・テリーだそうです。おお。また行こうかな。詳しくは公式サイトを(http://www.fac51thehacienda.jp/)。(兵庫慎司)
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