TOTALFAT@SHIBUYA-AX

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「人から笑われようと、指をさされようと、これだけ大勢の人の前ででっかい夢を語れる人間になれるように、俺たちの背中を押してくれているのは、ここにいる1600人の、俺たちの大事な仲間のおかげです! ありがとうございます!」。そんなShun(Vo/B)の言葉に満場のフロアが沸いたこの日のライブは、5月から行われているTOTALFATの全国ツアー「THE HERO IS DAMNED TOUR 2011」のファイナル、ソールドアウトのSHIBUYA-AX公演。途中に各地の夏フェス出演を挟みつつ、追加公演も含めてこれまで全22箇所のライブハウスを熱く、激しく揺らしてきた本ツアーもいよいよクライマックスである。この日披露されたのは全27曲。始めから終わりまで、どこを切ってもメンバーとオーディエンス間の力強い共闘関係がドン!と最前面に飛び出してくるような、非常に濃密な2時間だった。

開演時間を少し回った18時5分、ライブ中の諸注意を告げる影アナから、オープニングSEが流れ出し、フロアに向けて無数のレーザーライトが放たれる。しばらくの後、大歓声に包まれる会場にTOTALFATの4人が現れると、いきなりステージ前方からスモークが大噴出! そして打ち鳴らされたオープニング・ナンバーは“Livin' for The Future”! スタートから最高潮のテンションで届けられる4人の渾身の演奏に、モッシュ、ダイブ、ハンドクラップ、シンガロングにoi!コールと、あらゆる手段を総動員して必死に喰らいついていくオーディエンス。その後も“Sky of California”“Across The Chance”“Ball and Chain”と、新作『DAMN HERO』の曲順通りにライブが進行していく中で、猛烈な勢いで結束を高めていく場内。TOTALFAT結成11年目にして辿り着いた初のSHIBUYA-AX公演は、のっけから至るところで全身全霊のコミュニケートがせわしなく飛び交う、これ以上ないくらい最高の立ち上がりとなった。

フロアのタオルが盛大に宙を舞った“Summer Frequence”からのMCでは、「俺らはこのステージの上で、心も身体も全て曝け出すつもりでやるので、みんなも日頃から溜めている自分の中のカオスをぶちまけてボコボコにぶっ壊して、スッキリして帰っていただけると嬉しいです!」とShun。そして上半身裸になったBunta(Dr)が轟音ビートを叩き込んで会場に戦慄をもたらした“Damage”、Jose(Vo/Left-G)とKuboty(G)の瞬発力溢れるギター・フレーズの応酬が無尽蔵の興奮を生み出した“Dance On, My Friends”と、息つく間もない怒濤のアンセム連打で場内の体感温度を青天井式に跳ね上げていった中盤戦。「そのみんなの最高の笑顔が、俺たちにとってはヒーローです! お前らが俺たちにとってはヒーローなの!」というJoseの熱いMCから突入した“Highway 3”“Highway Part2”の後には、「久しぶりの曲をやります!」(Shun)と、バンド最初期の名曲“Nothing But”を投下。彼らが高校生の時に作ったというこの曲が、長年の歳月を経てSHIBUYA-AXの超満員のオーディエンスの前で高らかに鳴り響いているこの光景は、メンバーにとっても、昔からのファンにとっても、きっと感慨深いものがあったはずだ。

終盤には、ゲストに盟友・RUNNERS-Hiのギタリスト日向寺浩太(長髪、フライングV、星条旗柄のパンツと、何だかKubotyが2人いるみたいでした)を迎えて、“Revelation”“Predator”とメタリックに駆け抜けてから、再び4人に戻って新曲“Place to Try”を初披露。続いては、「今日は俺たちのお父さんとお母さんが来てくれてて」(Shun)と、2階席で観ていたメンバーの両親達に感謝を述べてから、JoseとShunのツインボーカルがしっとりと美しいハーモニーを響かせたスロー・ナンバー“See You Later, Take Care”へ。そして“All for You”からのMCでは、「これからもこの4人で、前を目指して、心の底から夢を見て、ライブハウスに誇りを持って、これからも進んでいきたいと思います! なので、仕事、学校、恋愛、なんでもいいよ! 俺たちと一緒に心の中をいっぱいいっぱい燃やして、ライブハウスから何かを始めよう! 1600人の声を聞かせてくれ!」とShun。そんな彼の真っ直ぐな想いに触れたオーディエンスは、クライマックスの“Good Fight & Promise You”では張り裂けんばかりのシンガロング、本編ラストの“World of Glory”では渾身のモッシュ、ダイブと、心からの感謝と祝福を送った。

アンコールでは、「みんなでワッ!となってるのを、民放でも流したいと思って」というShunの言葉から、ステージにカメラを呼び込み、本編でも披露されていた“Place to Try”のPVを撮影。そして次の“Show Me Your Courage”の最中に、TOTAL FATのロゴがあしらわれたバックドロップが降りてきて、場内の高揚感が本日最高値を記録したところで、「激しく踊れるやつは前に来い! 行くぞー!」(Shun)と“I Wanna Make You Feel Alright”を発射! このTOTALFAT流爆速ダンス・ナンバーで、オーディエンスを一人残らず狂騒へと叩き込んでから、「本当にありがとうございました! 今日ここから見た景色は一生忘れません! ラスト、お前らの持ってる全ての力を俺たち4人にぶつけてください!」(Shun)と“Overdrive”“DA NA NA”へとなだれ込み、最後は記念撮影をして、4ヶ月にも及んだ「THE HERO IS DAMNED TOUR 2011」ツアーは大団円(そしてなんと終演後には、出口でメンバーからのメッセージが印刷された写真のプレゼントも!)。メンバーだけでなく、オーディエンスにもスポットがあたり(モッシュしたりダイブしたり、オーディエンス的に「ここぞ!」という瞬間は必ずと言っていいほどフロアの照明が点いていました)、文字通り「みんなで」作り上げたこの日のライブ空間。そこには確かに、最高の仲間と共に汗だくになりながらキラキラと笑顔を爆発させる、1600人のダム・ヒーロー達の姿があった。(前島耕)

[セットリスト]
1. Livin' for The Future
2. Sky of California
3. Across The Chance
4. Ball and Chain
5. Summer Frequence
6. Damage
7. Dance On, My Friends
8. Longest Dreamer
9. Invention ~Good morning, my treasures~
10. Ryan, Don't Worry
11. Sweet
12. Highway 3
13. Highway Part2
14. Nothing But
15. Life Like Movies
16. Revelation
17. Predator
18. Place to Try (新曲)
19. See You Later, Take Care
20. All for You
21. Good Fight & Promise You
22. World of Glory

アンコール
1. Place to Try (新曲)
2. Show Me Your Courage
3. I Wanna Make You Feel Alright
4. Overdrive
5. DA NA NA
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