ライブレポート

2008.08.12 ザ・フラテリス @ 渋谷O-EAST

先週土曜は東京、日曜は大阪のサマソニを盛り上げたグラスゴーのトリオが、昨年と同じくサマソニ後に単独公演を行なった。1年という短いスパンで日本に帰ってきてくれたことはもちろん、よりスケールアップした演奏を見せてくれたという意味でも、感慨深いライブとなった。

フラテリスには、大きく分けて2つの面がある。1つは、騒いで鬱屈を吹き飛ばそうという、おもにライブの場で聴き手が「発散する」ための音楽という側面。もう1つは、フロントマンであるジョン・フラテリが紡ぎ出す、メランコリックな物語と、それをサバイブしてみせるかのような、力強いメロディ、楽曲そのもののもつ力だ。フラテリスのライブはだから、その2つが屹立している状態が、もっとも感動的で、もっとも興奮するのである。そういう意味においては、テクニカル面の難しさと、おそらく疲労とが、今日は少なからず見受けられる部分もあって、凄まじいパワーで突っ走った前回の単独公演と較べると、やや物足りなく感じた人もいるかもしれない。

“チェルシー・ダガー”、“ヘンリエッタ”、そしてもちろん“気取りやフラッツ”では、モッシュが起きペットボトルが飛び交い、(いわゆる英国ラッドノリではなくて)パンクかエモ・バンドのライブに来たような錯覚を覚える。彼らの楽曲のなかでもきらりと悲しげな輝きを放つ味わい深い曲群が、もう少し盛り上がってもよいのでは、とも思ったが、躍動的なピアノのリズムが彼らの世界観に奥行きを与えていたこと、セカンド・アルバムからの“ア・ヘッディ・テイル”や”ミストレス・メイベル”などが、新たなアンセムとして響いていたことは嬉しい驚きだったし、これからももっと成長していくだろう、という確信を持たせた。(羽鳥麻美)


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