[Champagne] @ 恵比寿リキッドルーム

[Champagne] @ 恵比寿リキッドルーム
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[Champagne]の2ndアルバム『I Wanna Go To Hawaii.』のリリースツアーとして、3月から足掛け3ヶ月にわたって行われてきた全国ツアー「[Champagne] tour 2011 I Wanna Go To Hawaii. 〜いや、総長マジで〜」が、遂にここ恵比寿リキッドルームでファイナルを迎える。会場に入ってみてはじめに驚かされたのは、この日詰めかけた人の数である。最大で1000人弱を収容できるリキッドルームのフロアは、それこそ後ろの端の方までびっしりと人で埋め尽くされている。とてもじゃないけど、昨年10月に下北沢CLUB Que(キャパ300人弱のハコ)で初のワンマンライブを行ったバンドとは思えない。…と始まる前までは思っていましたが、終わってみて納得しました。今の[Champagne]は凄い。筆者が最後に彼らを見たのは半年くらい前だったが、その時と比べてはっきりとわかるほどに、タフで獰猛なサウンドは更に瞬発力を増して、ライブ中の過剰なまでのアジテーションが更に過剰になっている。そしてそれら全てが、エネルギー効率100%でバンドの勢いとして変換されているのである。まぁ要するに、今の[Champagne]を観て、惹き付けられない人はいないだろう、ということです。

開演時間を少し回った18時10分。鮮赤色のライトの点灯と共にオープニングSE“Burger Queen”が流れ出し、大歓声が沸き起こる。そしてメンバーが登場し、SEにオーバーラップする形でプレイがスタート。のっけから、超満員のリキッドルームに無数の拳が突き上がり、幾人ものダイバー達が狂騒の中へ身を投げる。そんな調子でやや暴発気味に始まったライブのテンションは、その後もとどまることなく上昇線を描いていく。川上(Vo/G)のギター・スクラッチがフロアを沸かせた“?”、庄村(Dr)が器用にスティックを回しながら頭上にセッティングされたシンバルを打ち鳴らした“My Blueberry Morning”と、一曲毎にフロアの熱気と湿気が跳ね上がっていくのがよくわかる(床とか壁とか湿って滑るくらいでした)。そして磯部(B)の豪快なスラップ・ショットが場内を釘付けにした“Revolution, My Friend”から突入した“Yeah Yeah Yeah”では、川上の「頼んだぞ東京ー!」というコールに導かれ、場内から特大のシンガロングが巻き起こった。

温度的にも心情的にも異様な程にアツかった序盤戦を抜けて、ライブはクールダウンした中盤のブロックへ。ここでのハイライトはなんと言っても、川上がMCでこの日が父の日であることについて触れてから、「曲でプレゼントしたいと思います」と言って“風邪をひいた時の歌”を披露した時だろう。風邪をひいて会社を早退した男が、久しぶりに帰った実家の風呂に浸かりながら、《言葉では難しくなって/歌にしたらつまらなくなって/でもあなたが健康だって/知れれば良い》と家族を想うこの歌がフロアに優しく染みていく瞬間は、本当に感動的だった。実はこの日、会場後方の関係者用のスペースにメンバーの親族らしき方々の姿が見えたのだが、この曲は、きっとどんな品物にも代え難い、何よりのプレゼントとなったのではないだろうか。

そして落ち着いた楽曲が並んだライブ中盤をインスト・ナンバー“tokyo2pm36floor”で締めくくり、「後半戦もよろしくお願いします!」という川上の威勢の良いMCからライブは後半へ突入。立て続けに“city”“Cat 2”とアップ・アンバーが披露され、すっかり熱を取り戻したフロアにダメ押しの“Rocknrolla!”が投下されると、フロアのカオスはもはや収拾不能な状態に。そして続いては“Don't Fuck With Yoohei Kawakami”。クリーンなイントロが獰猛なガレージ・サウンドにいきなり豹変するこの曲は、フェスやイベントなど、彼らのことを知らない人も見ているライブで披露されると、イントロからの豹変ぶりを知っている人と知らない人とで反応がくっきり分かれて面白い。しかしこの日はさすがに全員が「知っている人」だったようで、フロアの手が左右に大きく振れたイントロから(ニヤニヤしてる人も結構いました)、転調と同時に一斉に壮絶なダンスがスタート。この尋常ならざる盛り上がりようを受けて、「やべー! 本当に最高だよ!」と、磯部が喜びを爆発させると、川上も新作アルバムのタイトルにひっかけて、「もうハワイなんて正直どうでもいいです! 今日ここに来れて本当に良かったと思ってます!」と後に続く。そしてラストはゲスト・キーボーディストを迎えて“Satelite”をプレイして、続く“You're So Sweet & I Love You”でハンドクラップ、シンガロングを巻き起こし、ライブ本編はひとまず終了。

アンコールでは、感極まった磯部が「ここまで来るのに10年かかったからね」と感慨深げに語り、最後は「笑いたい奴は笑えばいい。ついてきた奴はいいとこ連れてってやるから!」と、熱のこもった言葉をぶつけてフロアに大歓声をもたらしてから、7月リリースの新曲“言え”を披露。そして川上の「10年かかってここまで来て嬉しいって(磯部が)言ったけど、全然足んねえよ! 世界一になってやるからそれまでついてこいよ! よろしく!」というコールから“For Freedom”をエモーション全開でかき鳴らし、そのままダブル・アンコールまで猛烈なテンションで駆け抜けていった。

終演後、客電が点き、エンディングSEの“かえりみち”が流れる会場に、ふらっと川上が現れて、マイクを通さずオーディエンスと一緒に“かえりみち”を歌い上げると、残りのメンバーもステージに出てきて、なんとトリプル・アンコールへ突入! プライマル・スクリーム“Accelerator”を前のめり気味にプレイして、ライブは本当に大団円。

とにかくもうスタートからラストまで、途方もない勢いでオーディエンスを巻き込みながら、初のリキッドワンマンを大盛況のうちに完遂した[Champagne]。マジでこのままの勢いで、一気にシーンのフロント・ランナーに上り詰めて行きそうな気がする。あまりにも凄まじかったこの日のライブを目撃してしまった今、そういう未来が簡単に想像できる。(前島耕)


[セットリスト]

1. ?
2. My Blueberry Morning
3. Revolution, My Friend
4. Yeah Yeah Yeah
5. I Don't Know (Who You Are)
6. She's Very
7. Tic Tac Toe → Club Foot (Kasabianカヴァー)
8. 風邪をひいた時の歌
9. Underconstruction
10. Tokyo2pm36floor
11. city
12. Cat 2
13. Rocknrolla!
14. Don't Fuck With Yoohei Kawakami
15. Satelite
16. You're So Sweet & I Love You

アンコール1
1. 言え
2. For Freedom

アンコール2
1. Cat 2
2. My Generation (The Who カヴァー)

アンコール3
1. Accelerator (Primal Scream カヴァー)
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