ザ50回転ズ@恵比寿リキッドルーム

ザ50回転ズ@恵比寿リキッドルーム
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ザ50回転ズ@恵比寿リキッドルーム - pics by 森リョータpics by 森リョータ
約2年ぶりとなる新作『ロックンロール・マジック』を引っ提げ、全国を回ってきたザ50回転ズ。いつだってハイテンションな彼らだが、久々の新作を引っ提げての久々のワンマンライブということもあって、メンバーの気合いも十ニ分。7日の名古屋公演に続き、本日はダニー曰く「お上品な街」恵比寿リキッドルームにて止まることのない暴走ロックンロールをフロアにぶちまけ熱風を吹き荒らした。

真っ赤な幕が開いて、まず目に飛び込んできたのは「ROCK'N ROLL MAGIC」という眩しい80年代風ネオン。大歓声を上げてテンションアップしていくオーディエンスの手拍子に導かれるようにメンバー登場。「行くぞーーー!」というダニー(Vo/G)の雄叫びとともに“I can not be a good boy”でライブはスタート。「まだまだこんなもんじゃ足りねーだろー!? とことんやってやろうか。ドリー!」と火に油を注ぐがごとくダニーの挑発でドリー(B/Vo)がボーカルをとる“OH! ALL NIGHT LONG!”へと続き、「次は俺の番だー!」と意気揚々に爆音ビートを刻みながら“耳鳴りロック”を歌うボギー(Dr/Vo)へとつながっていく。3人それぞれがロックンロールにまっしぐらで、誰がなんと言おうと脇目も振らずに突っ走っていくような勢いだ。

「2011年の正月、テレビ見てましたか? 2011年のネクストブレイクアーティスト、ザ50回転ズ! 言われ続けて早6年。いつになったらブレイクすんだ? この野郎!」なんてMCで笑いをとる。しかし、ブレイクなんかしなくたって彼らにとって最高の喜びは、オーディエンスの目の前で、底抜けのバカになって、最強のロックンロールをぶちかますことなのだ。3人のロックンロール・バカに負けず劣らず、オーディエンスも拳を突き上げ、飛び上がり、大シンガロングを巻き起こしてどびきりのバカになっている。

中盤ではワンマンならではの特別メニューとして、カバーコーナーもあり!「ロックの魔法を俺たちにかけてきたあのナンバー、今日ここで3人それぞれが歌ってもいいですか」とMCして、往年のロックナンバーを披露。ボギーはおかっぱ頭をコームでかき上げる仕草をしながらキャロルのあの名曲を、ダニーは「セクシーなナンバーでギャルのハートを掴んでやる!」と言って、若干フロアを引かせながらもサンハウスのあの曲をカバー。真っ赤なSGを上下に振りかざし、いなせなギターソロをかましてくれる。ラストはドリーのファンキーなベースから始まったザ・スパイダースのあの曲。古き良き日本のロックンロールをザ50回転ズが現代の感覚でカバーし、目の前のキッズたちにロックンロール・マジックをかけていく。

その後も、ザ50回転ズとしては珍しいコミカル要素は一切なしの“S.O.S!”、おなじみの“Thank You For RAMONES”など次々に畳み掛けていき、すっかり汗だくになったフロアに向けてラストスパートをかける。最後にダニーがこんなことを言っていた。「いい歳してよ、いまだにでっかい音で、この3人で音出したら、ドキドキすんだよ。俺たちはそれをロックンロール・マジックって呼んでんだぜ」。しばらくの間、作品を出したくても出せない状況が続いた彼らのフラストレーションは、ロックンロールに初めて触れたときのドキドキするようなあの胸の高鳴りとなって、今こうして吐き出されたのだ。いつまでも解けないロックンロール・マジックの余韻を残して、ステージを去って行った3人。幸先のよい1年のスタートをきったのではないだろうか。(阿部英理子)
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