LUNA SEA@東京ドーム

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オフィシャルHP上に突如掲げられたミステリアスなメッセージに始まり、そして徐々に動き出していった2010年LUNA SEA/20周年の『REBOOT』プロジェクト。2007年にはこれと似通った展開でクリスマス・イブに一夜限りの再結成ワンマン・ライブが行われていたが、今回はドイツ、LA、香港、台北、そして日本と駆け抜ける大掛かりなワールド・ツアーとなった。東京ドーム2DAYSの2日目はまたもやクリスマス・イブ。年末のLUNA SEAライブは、元々それだけで特別なイベントである上、何よりも年末の東京ドームとは一度10年前に「LUNA SEAの時間が止まった」場所なのである。

暗転したドーム内に、荘厳かつドラマティックなオープニングSEが響き渡る。そして膨大な光量の照明の中で、RYUICHIの伸びやかな歌声が“Time Has Come”の歌詞をなぞっていった。《ここから始まるのさ 今》。そしてビートが転がり出し、SUGIZOのギター・フレーズが踊る。この曲は……メジャー・デビュー・アルバムのリード曲だった“Déjàvu”だ。ステージの淵で無数の花火が吹き上がり、どこか夢見心地な気分だった場内が一気に覚醒したように歓声を上げる。さっそく、自信満々に歌メロをSLAVE(=ファン)へと預けてしまうRYUICHIであった。

「みんな会いたかったぜー! 今夜も、新たな、LUNA SEAの息吹を、皆さんに感じて頂けたらと思います! 10年、待っていてくれたみんなに、一曲一曲、思いをぶつけたいと思いますので」。そんなRYUICHIの意気込みに満ちた第一声ののち、バンド・サウンドが“JESUS”で再び力強く走り出す。ここでハーモニー・ボーカルを聴かせていたJの、圧巻のベース・プレイが牽引してゆくのは“END OF SORROW”だ。どこまでも華麗に伸びるRYUICHIの歌が、強力なロック・サウンドの上に泳いでいるというこのバランス感覚。これは紛れもなくLUNA SEAならではのものだ。そして、真矢による確信のスネアが一発また一発と空気を裂く中で歌われた、余りにも眩い“SHINE”のパフォーマンス。開演からものの5曲というところで、LUNA SEAのドラマ性、力強さ、疾走感、そして暖かさといった様々な側面を立て続けに見せつけてしまった。

「LUNA SEAの5人の旅はこれからどうなるか分からないけど、3年前、そして今回、みんなが応援してくれたから、またここに帰って来れたんだと思います。ホントみんな、すげェよ!?」と、RYUICHIの率直な思いが零れる。確かにその通りなのだろう。でも、何かが引っ掛かっている。何かが腑に落ちない。なんというか、「ベテラン・バンドの、同窓会気分の再結成ライブ」を観ている気がしないのだ。もちろん、久々のLUNA SEAライブという祝祭感はある。みんな嬉しそうだ。明らかに感極まっている人も目につく。そもそも、先に書いたように今回の『REBOOT』プロジェクトは今年の春頃から公に動き出した大掛かりなものである。つまり「今のLUNA SEAはこういう長期スパンで受け止めるべきものである」という意識が、SLAVE=ファンたちの間では成立しつつあるのではないだろうか。もっと言えば、こういう「特別な1日」を見据えた大掛かりな復活劇が、LUNA SEAにはよく似合っている。サマになっている。大きな驚きと大きな喜びをもたらすためのスパンが、むしろ必要だったのではないかとすら思う。

そして、間違いなく「特別な1日」を成立させるためのパフォーマンスがあるのだ。不穏でヘヴィなインダストリアル・グルーヴを撒き散らす“FACE TO FACE”、SUGIZOがバイオリンを奏でるワルツ“Providence”、神秘的なスクリーン映像をバックにSUGIZOがトリプルネック・ギターを、INORANがアコースティック・ギターを加えて壮大な世界観を描き出していった“GENESIS OF MIND〜夢の彼方へ〜”。極から極へと何度も振り切れるような、ハイライトだけを延々見続けるようなステージなのである。

真矢の熱いドラム・ソロにJのリード・ベースが加わってゆくセッションを挟み(頂いたセット・リストには“Dr & Bass Solo”とあったので、文末のリストにはそのまま転載した)、“IN FUTURE”の後にはメンバーは花道を抜けアリーナ中央のセカンド・ステージに移動する。ここではただ一曲、“I for you”が披露された。神々しいまでのパフォーマンス。世の中には、目一杯の爆音で鳴らされなければならない美しい音楽が、美しい歌というものがある。このシングルがリリースされた頃、僕は「LUNA SEAもずいぶん甘いポップ・ソングを作るようになったなあ」と思っていた。全然、真っ直ぐに向き合うことが出来ていなかった。このどこまでも深く眩い、爆音の中で歌われてこそ真の姿を現す歌だったのだ。

「各都市でライブしてきました。ドイツのオーディエンスにはちょっとビビったけどね。すっごいパワー。日本は負けてられないでしょ。そろそろお前らの底力を見せてみろ!」とRYUICHIが煽り立て、終盤はシングル曲&ライブ必殺曲の連打である。無数のSLAVEたちによるコーラスが一斉に決まる“TIME IS DEAD”や、LUNA SEAの大ブレイクに貢献した“ROSIER”、そして最後はINORANのギター・リフから“TONIGHT”へ。キャリアすべてを見渡す、LUNA SEA全方位型の見事なセット・リストとパフォーマンスであった。

さらに、“きよしこの夜”が歌われる中でスタートしたアンコールは、1回目と2回目を合わせて計6曲。個人的には、この前日に披露された新曲とはまた異なる、力強い美曲(RYUICHIは「MARIA」というタイトルだと告げていた)や、LUNA SEA初のシングル“BELIEVE”が披露された1回目のアンコールでしみじみとしてしまった。まったくの余談ですが不肖わたくし、人生初のアルバイトの初の給料で最初に買ったものが、このシングル盤だったもので。

「燃え尽きた。明日生まれ変わるために、燃え尽きた。明日は別のルナシーだよ」。RYUICHIは最後に、笑顔でそう告げていた。そう、明けて25日は、20年前にLUNA SEAとなる前の、Lunacyとしての無料&黒服限定GIGだ。さらに30日と31日には、ツアー追加公演が神戸で行われる。彼らの2010年末は、まだまだ終わらない。(小池宏和)

セット・リスト

1:Time Has Come
2:Déjàvu
3:JEJUS
4:END OF SORROW
5:SHINE
6:FACE TO FACE
7:gravity
8:RAIN
9:Providence
10:GENESIS OF MIND〜夢の彼方へ〜
11:Dr & Bass Solo
12:IN FUTURE
13:I for you
14:STORM
15:DESIRE
16:TIME IS DEAD
17:ROSIER
18:TONIGHT

EN1-1:IN SILENCE
EN1-2:(新曲)
EN1-3:BELIEVE

EN2-1:LOVE SONG
EN2-1:PRECIOUS...
EN2-3:WISH
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