GO!GO!7188 @ 恵比寿リキッドルーム

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6月2日にリリースされた最新アルバム『Go!!GO!GO!Go!!』を引っさげた全国ツアーもいよいよ終盤戦。今日と明日のリキッドルーム恵比寿2デイズと、今週末のSHIBUYA-AX 2デイズを残すのみとなった。今年でデビュー10周年を迎え、ライブバンドとしての実力はもちろん、ユウ(G/Vo)とアッコ(B/Vo)のたくましくも艶っぽい佇まいにも、ますます磨きがかかってきたGO!GO!7188。その、生々しくも骨太なロックンロールが終始炸裂したこの日のライブは、GO!GO!ならではの色気と肩の力の抜けたタフネスが会場をダイナミックに席巻した、至福の2時間だった。

「アルバム曲、全部やるから!」というアッコの宣言どおり、『Go!!GO!GO!Go!!』収録曲を含む全21曲(本編18曲+アンコール3曲)を披露。1曲目から、アグレッシブで重厚なバンドアンサンブルが次々と投下されていく。オーディエンスもしっかり曲を聴き込んでいるのだろう。『Go!!GO!GO!Go!!』収録曲であってもコール&レスポンスは完璧だ。それにしても、彼女たちが織り成すメロディ展開の妙にはいつも驚かされる。テンポや調を巧みに変化させながら曲終盤へ向けてカオティックな世界を描き出していくメロディは、ウォータースライダーを猛スピードで滑り落ちた末に広いプールに放り出されたときのようにスリリングで爽快。しかも、それらがサウンドエフェクトやギミックによるものではなく、あくまでも3人の生のプレイと歌声によって形成されているところが、これまた痛快なのである。

中盤は、“くつ下の穴 ~あしのけちゃんと剃ったのに~”“on the まゆ毛”“あしのけ”といった「男子には決して言えない女子の失態」をコミカルに描いた楽曲や、“毒りんご”や“楽園のおはなし”といった最新アルバムの中盤を飾るミディアム・ナンバーを披露。中でも圧巻だったのが“バラード”だ。実はこの曲、デビュー当時からライブで演奏されておりながら今回『Go!!GO!GO!Go!!』に収録されるまでCD化されたことのない隠れた名曲。彼女たちにしては珍しい、青春の痛みをストレートに焼きつけたような直球のサウンドと、《昨日よりもずっと強くなっていく/明日は今日よりもずっと強くなる》というユウの力強い歌声に、10年のキャリアを重ねてもブレない決意が感じられてジーンときた。しかし、直後には「昨日、本屋で“ゾウムシ”っていう昆虫が載っている図鑑を見たんですけど……これが凄いんです! 皆さんもゼヒ見てください!!」と、ユウの天然MCが炸裂! 会場は大爆笑。そんなマイペースなテンポ感にも、周りに流されることなく自らのペースで歩みを進める彼女たちの強い意志が透けて見える。

その後は、過去の人気曲も交えながらアグレッシブなキラー・チューンを続けざまに連打していく3人。その黄金のトライアングルから放たれる、シンプルながらも大きな広がりを見せるダイナミックなグルーヴに、フロアからは熱い拍手と歓声が沸きあがった。
「やっぱりライブが一番ですね。去年はじめてツアーやりたくてもできない時期を経験して。3人それぞれ、すごく色んなことを考えることができたんですけど。その後ツアーを再開したときに、3人でステージに立ってライブができる喜びを改めて実感することができたんです。そのパワーを作品に込めようと思って『Go!!GO!GO!Go!!』を作りました。だから、今日もいっぱい来てくれて嬉しいです」ライブ終盤、噛みしめるようにこう語ったアッコ。その言葉どおり、男気あふれる攻撃性と女性らしい妖艶さが凝縮された3人の佇まいは、今まで以上に生き生きと躍動しているようで、ゾクゾクするほどカッコよかった。

アンコールのラストは大人気曲“ジェットにんぢん”で締め括り、清々しい笑顔を浮かべてステージを去っていった3人。その頼もしくも凛とした佇まいと懐の大きなロックンロールは、この日リキッドルームを訪れたオーディエンスの心を完全に捉えたよう。その証拠に、フロアが明るくなった後もしばらくの間、無数のオーディエンスによる愛のある「ぶっさいく!」コールが止むことはなかった。(齋藤美穂)
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