BIG BEACH FESTIVAL '10 @ 幕張海浜公園内 BBF'10 特設会場

BIG BEACH FESTIVAL '10 @ 幕張海浜公園内 BBF'10 特設会場 - pic by KOTAROpic by KOTARO
言わずと知れたミスター・ビッグビート、そしてミスター・ダンスミュージック、ファットボーイ・スリム主催、英国ブライトンビーチで開催されている世界最大規模のビッグ・パーティ、「BIG BEACH BOUTIQUE」。その日本版として昨年初めて開催され、2万人ものパーティ・ピープルを熱狂させた「BIG BEACH FESTIVAL」が今年も開催された。今年のトリはケミカル・ブラザーズのDJセットで、ファットボーイ・スリムの出演はないが、彼のレーベルSOUTHERN FRIED RECORDS所属のアーティストが出演しているし、2つあるうち小さな方のステージは「SOUTHERN FRIED STAGE」という名称になっているので、今年も協力関係にあるようだ。心配されていた天気も結局一日中快晴で、絶好のフェス日和となった。
場所は前回の横浜八景島シーパラダイスから、今回は千葉県幕張海浜公園内に特設会場を設けての開催。去年との最大の相違点は、なんといっても会場全てが砂浜(去年は人工芝と芝生)で、すぐ目の前に海が広がっているところ。首都圏開催のこの手のフェスでは、他に類を見ないほどの絶好のロケーションでの開催となった。
ステージは2つで、ステージ間の距離は5分。その間に様々な出店が立ち並ぶ。メインステージはBIG BEACH STAGEで、正確なキャパはわからないが、恐らく1万人以上は収容できるであろう広いスペース。もうひとつのSOUTHERN FRIED STAGEはテント・スペースで、ステージの両端にも、ステージ内にも、たくさんのミラーボールがつり下げられたステージだ。

タイムテーブルは以下の通り。

BIG BEACH STAGE
12:00 80KIDZ; LIVE SET
12:45 ZOMBIE DISCO SQUAD
13:45 DIMITRI NAKOV
14:45 SASHA
16:45 GROOVE ARMADA
17:45 THE CHEMICAL BROTHERS

SOUTHERN FRIED STAGE
11:00 JOMMY
11:45 DANCING PIGEONS; LIVE SET
12:30 DEXPISTOLS
13:30 SHINICHI OSAWA
14:30 JAYMO & ANDY GEORGE
15:30 THE 2 BEARS
16:30 THOMAS GANDEY a.k.a. CAGEDBABY
17:30 DAVIDE SQUILLACE
19:00 TANIA VULCANO

ご覧の通り、メンバーの豪華さが半端ではなく、BIG BEACH STAGEで80KIDZが世界水準のエレクトロ・ミュージックで参加者を揺らしていたと思えば、ほぼ同じ時間にDEX PISTOLSがSOUTHERN FRIED STAGEのオーディエンスをロックしているという一幕も。
DEXに続いたSHINICHI OSAWAは、機材の上にのぼってこれでもかというほどオーディエンスを煽り、SOUTHERN FRIED STAGEはまだ昼間なのに早くも最高潮を迎えた。

音楽以外で観客を大いに沸かせていたのは昼過ぎに行われたフライトパフォーマンスで、空のF1、「Red Bull AIR RACE」の元パイロット:グレン・デルを乗せた小型飛行機が煙を吹き出しながら縦横無尽に走り回る。しかも、とても近い。目と鼻の先、とまではいかないが石を投げたら余裕で当たりそうなぐらいの距離を飛行機が何度も横切っていき、その度に会場から大きな歓声があがっていた。

この辺りから一気に人が増え始め、Underworldの新曲“Scribble”でオーディエンスを爆発させたSASHAのステージが終わるころにはBIG BEACH STAGEは超満員。さらにオーディエンスが増え続けるメインステージで、続く
GROOVE ARMADAは圧巻のライブパフォーマンス。本場ブライトンビーチでの「BIG BEACH BOUTIQUE2」のCDにも収録されている彼らのアンセム“Super Stylin’”を披露した。

そして予定開始時刻から30分ほど過ぎ、ついにヘッドライナーのTHE CHEMICAL BROTHERSの登場。BIG BEACH STAGEエリア内に入りきらないほどの人、人、人。内容はおよそ2時間半のDJ SET。序盤は他のアーティストのブレイクビーツ、中盤あたりからオリジナルをかけ始め、会場の熱気は最高潮に。中でも最大のハイライトは、ラスト、“Swoon”、“Star Guitar”、“Hey Boy Hey Girl”の3曲が続けざまにプレイされた時だった。悲鳴とも絶叫ともとれるほどの歓声があちこちからあがり、広いビーチはもはや収拾がつかなくなるほどのテンションに。そして、最後のトラック、“Hey Boy Hey Girl ”の途中、ステージのすぐ後ろの夜空に、約1500発もの花火が打ち上がる。花火とTHE CHEMICAL BROTHERS、野外フェスとダンス・ミュージックが完璧なバランスで溶けあった、本当に幸福な瞬間だった。空前絶後の化学反応のようだった。当然、会場はさらに大爆発。
花火が終わるとともに、ケミカルのDJセットも終わり、フェスは終了した。中だるみ一切なし、2時間半にも及ぶ怒濤のプレイは、ヘッドライナーの名に恥じない、いや、それ以上の圧倒的なパフォーマンスだった。

この時代にこの規模で、海外のDJやバンドを招いてのダンス・フェスがこれほどまでに、去年に勝るとも劣らないほど成功した、という事実は、それ自体がとても喜ばしいことで、個人的には今日この場所で感じた熱狂を、もっともっとたくさんの人と、それこそ普段ダンス・ミュージックを聴かないような人とも共有できればいいなと思った。そしてそれを十分に可能にする力が、今のダンス・ミュージックにはあるということを確信させてくれるほど、今日の幕張は熱かった。(前島耕)
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