ライブレポート

2010.03.15 奥田民生「ひとりカンタビレ」完全実況! @ 渋谷DUO

pics by TEPPEIpics by TEPPEI奥田民生の公開ひとり多重録音レコーディング・ツアー、「ひとりカンタビレ」初日なのですが、これ、公式サイトで、リアルタイムで配信されています。で、本日の渋谷DUO、私が今いる2階はすべて関係者席・取材者席になっていて、あちこちでパソコン開けてカチャカチャやっている人がいる。どうやら、観ながら書いていいみたいです。
じゃあこれ、ここで全部書いていって、それをそのままアップしてもいいのかな。いいよね。生で全世界に配信してるんだから、伏せておく必要ないよね。
なので、リアルタイムで書いていきます。終わったら、会社に戻ってアップします。

18:25
開場&開演5分前。客席にはテーブルとイスがズラーッ。全員のテーブルの上に紙とペンが置かれていて、「民生に質問しよう!」とか書いてある。で、かわきもののお菓子が置かれたテーブルが何箇所かにある。煮物(イカ大根、豚角大根、肉じゃがの3種類)のカウンターもある。自由に食べてよいようです。
ステージの上には、ドラムセット、アンプ各種、ソファーとテーブル、ギターとベース、でっかいパソコンが2台(これで録る)とスピーカー、サポート・エンジニアと思しきスタッフが1名。メイン・エンジニアは、本人。
ステージ後方にはスクリーンがあって、パソコンの画面(ミキサーになっている)を映したり、ステージ上を映したりする。OTは既にステージにいて、パソコンをいじったり、スタッフと話したり、コンビニのものと思われる弁当を食ったりしています。

18:30
開場&開演。OTはそのままステージの上で、ドラムのキックをドンドン踏んでみたり、パソコンをいじったり、そのパソコンでAC/DCの“BACK IN BLACK”をかけたりしている中、お客さんがゾロゾロ入ってきて、着席していく。みんな、ステージ上のOTには気づいてるんだけど、誰も歓声は発さない、大変に妙な雰囲気。

18:46
だいたい客席が埋まったので、OT、あいさつ(やっとここで歓声と拍手)。まず、このライブの趣旨を説明する。あと、「ざわざわしゃべってても大丈夫なんで。レコーディングしてるとはいえ、客席の音はあんまり入らないんで」とか、いろいろと前もって説明する。で、「最後に、言うことがあるとすれば、あんまりじろじろ観ないでください。緊張するんで。それでは、ご歓談ください」で、しめくくる。
と思ったら、「ドラムから録ります」「歌は2時間後くらいかも」「なんならその間パチンコに行ってもらっても」などと言いつつ、パソコンからドンカマ(リズムマシン)の音を出し、それをヘッドホンで聴きながらドラムを叩き、それを録るところから、作業、本格スタート。
昨日観に行ったそうで、応接セットのテーブルの上では、AC/DCのツノが赤く点滅しています。ギターを録る時は、頭に装着するそうです。

18:58
ドラムの1テイク目、終了。客席から拍手が上がり、OT、「いやいやいや」とうろたえる。で、パソコンの前に移動し、今録ったドラムをチェック。で、「……OKだって、誰が決めるんだろう?」とひとこと。客席、失笑。OT、2階に向かって、「テッチ、どっか(ミス)あったっけ?」と大声できく。テッチ、2階から「大丈夫、大丈夫」と答える。私の位置からは見えませんでしたが、おそらくSPARKS GO GOのテッチだと思います。で、OT、「ドラム、終わり」と宣言。客席、拍手。

19:00
続いてベースのレコーディング、スタート。ここで音色から作っていると、はてしなく時間がかかるので、あらかじめ決めておいたそうです。ベースは赤いリッケンバッカー、ピック弾き。場所は、パソコンのモニターの前。座って弾く。
ただし、ドラムとベースだけだと、自分が曲のどこをどう弾いているのかわからなくなるらしく、前もって録っておいた仮のギターの音を小さく出しながら、ドラムに合わせて録り始める。が、1コーラスくらいで「間違えました」と中断。
再び最初から弾き始める。後半、かなり激しく動くベースライン。で、弾ききれず、「ダメだこりゃ」「これってほんとはボーカルとかと一緒に盛り上がるもんだよね。ひとりだとむなしくなる」とか言いながら、パンチイン(間違えた部分だけ弾いて録り直すこと)の作業に入る。でもやっぱり弾ききれなくて、途中でやめて、「あーっ!!」とか叫ぶ。
その後、数度のやり直しや、細かいパンチインや、パソコン画面上での姑息な修正の後、2階席に向かって「いいかなあ、ネギちゃん!」と叫ぶ。ネギちゃんこと根岸孝旨、「大丈夫!」と返事。OT、「なんだよ、みんな来るんだったらやればいいじゃないか。みんなが忙しいと思ったから、この企画にしたのに」とブツブツ言いながら、19:18、ベース録り終了を宣言。

19:20
ギター録りの作業スタート。ギターは黒いセミアコ(たぶんグレッチ、違ったらごめんなさい)、アンプは「昨日AC/DC観たから」と、マーシャル2台をセレクト。グッズの孫の手(そんなもん作るのがいかにもOTです)で、背中をかいて宣伝したあと、AC/DC“BACK IN BLACK”のリフをつまびいたりしつつ、サウンドチェック。
で、クリックを聴きながら録り始めようとした時、客席に「(AC/DCの)ツノは?」とつっこまれ、「あ、忘れてた」と、赤いヘッドホンと共に、ツノを頭に装着。録音、スタート。
ちょっとAC/DCっぽい、かっちょいいリフを弾くOT。にしても、ギターが入ると、この段階で、「音」が「曲」の形になる気がしますね。おもしろい。
あ、でも、ギターのチューニング、ちょっと甘いかも。と思ったら、本人もそう思ったらしく、途中でやめてチューニングを直し、最初からやり直す。
最後まで弾ききり、2本目のギターを入れようとしたところで、「……ここの箇所、ドラムの奴が失敗してるね」と、気になりだすOT。「どうしよう……まあいいや、次のギター入れよう」ということに。

19:37
OT、2本目のギター、アンガス・ヤングと同じ、ワインレッドのギブソンSGを手にする。チューニングしながら「今から、アンガス・ヤングのお兄さんの方です(マルコム・ヤング。AC/DCのサイド・ギター)」と説明。「1本目よりも、もうちょっと軽い音で……こう、コキタネイティヴ。知ってますか、コキタネイティヴ。業界用語です」とか言って、客席を困らせたのち、さっきからステージにいるエンジニアが、民生の仕事でおなじみの宮島哲博氏であることを紹介。
そして、2本目のギターの録音スタート。今度はツノのみでヘッドホンなし。
しかし、途中までいい感じだったが、フットスイッチを踏もうと立ち上がったところ、そのフットスイッチの場所まで行くとパソコン横のスピーカーの音がきこえなくなることに気づき、立って弾きながらしばらくまごまごしたあと、演奏を中断。ヘッドホンをして、立って弾いて、録り直す。
何度かミスってやり直したり、録らなくていいとこを誤って録ったので、そこを消したりしながら、19:53、2本目のギター録り、終了。

19:54
次は歌か、と思ったら「もう1本ギター。ソロみたいな。みたいなみたいな」と言い出すOT。で、「ギター選ぶから休憩! 休憩の時ってCM流れたりするんじゃなかったっけ?」と要求、画面でキューンレコードのネット番組『はみでろ! キューン』が流れる中、休憩タイムに入る。お客さんがお菓子を取りにいったりする中、OT、ギターとアンプを選んだり、タバコを喫ったりする。
画面では、POLYSICSのフミちゃんが、例の「こないだのアメリカツアーで食べた食事の総額クイズ」の話や、武道館の宣伝コメントをしています。武道館、昨日終わったタイミングなのが、惜しいところです。
本日のオフィシャルカメラマンのひとり、TEPPEIは、2階の隅でパソコンを広げ、ここまで撮った写真のチェックをしています。ちょっと顔が痩せた気がします。忙しくて食ってないんでしょうか。貧乏なんでしょうか。後者であることを望みます。

20:06
OT、「準備ができました」と、休憩を終了。ギターは、レッド・サンバーストのギブソン・レスポールをセレクト。で、イントロなど、曲のポイントポイントに、エフェクトを効かせた音で、単音弾きのリードギターをかぶせていく。曲の全体に入れるわけではないので、サクサクと「録っては聴き、次の箇所へ」という作業の繰り返しが進み、15分とかからず作業が終了。

20:20
次はいよいよヴォーカル。本人、「ここにきてやっと、どういう曲かわかる時がきましたよ」と発言。と思ったら、「あ、違う。キーボードだ。さっきの音がしてないところ(後半で長いブレイクがある曲なのです)に入れるんだ」と訂正。そして、「このために買ったんです」と、ピアニカみたいに小さいキーボードを出す。で、パソコン上の何かを苦労して調整したり、煙草を喫ったり、2階の斉藤有太に話しかけたりしながら、キーボードの音色を設定。
「うまくいったら1回で終わりますが……」と前置きして、そのブレイクのところのキーボードを録る。完奏! と思ったら、まだブレイクが終わらず、OT、「あっ、まだあった!」。客席、大笑い。最初から録り直すが、途中でなんかプチッと音が入って、またやり直し。3回目で見事成功、会場、大拍手。開演2時間にして、初めて場がひとつになった瞬間でした。

20:33
これで鍵盤が終わりかと思ったら、音を変えてもう1回鍵盤。メロトロンを模した音に変えて(前もって用意しておいたそうです)、さっきのキーボードのところの後半にかぶせる。なんかブチブチノイズが入るのを気にするOT。でも、聴き直してみたら大丈夫で、作業終了。

20:38
いよいよヴォーカル、かと思ったら、さらにまたキーボード。さらにまた音色を変える。
2階の私、ふと横を見ると、TEPPEI、撮らずにまだパソコンの前でなんかやっている。
「何してんの?」「いや、即出し用の写真、もう選んでるんです」だそうです。レコード会社が、スポーツ新聞とかに貸すやつだと思います。うちにも貸してください。
ステージ上では民生、今度はブレイクのところではなく、曲のさらに後半の盛り上がるところに、キーボードをかぶせる。若干プレイをミスりつつも「どうせきこえねえよ。ちょっと(キーボードのボリュームを)下げる?」とか言いつつOKを出し、「キーボード、ほんとはもう1つあるんですけど、めんどくさくなったんで、事前に用意しといたやつを使います」と宣言。客席、温かい失笑の渦に包まれる。

20:46
いよいよ本当にヴォーカル録り。OT、ソデで「うあーっ!!」とか叫んでコンディションを整える。で、ヘッドホンして、パソコンの前にマイクを出して、座ったままマイクチェックをし、歌入れスタート。あたりまえだけど、客席のステージへの集中度、今この瞬間、ピークを記録する。
と思ったら、コーラスで歌うのをやめ、「さみしいからエコーかけていい?」とパソコンを操作、深いエコーを施すOT。で、最初から歌い始める。
おおおおお。こういう曲だったのかあ。OT王道のハードででっかいタイム感のロックンロール。「日本人が、日本語で、こんなことを……」って、バンド小僧が最も絶句する、そしてあこがれるタイプの民生曲です。歌詞も、意味深かつメッセージ性が強そうで、いい感じ。あと、メロディのパターンや展開が多くて、壮大。アルバムの最後に入っていそうな曲、といえます。
OT、最後まで歌いきるが、「ではもう一度」と、もう一回頭から歌って録る。あ、2回目のほうがいい、声がよく出ていて。そりゃそうか。歌い終わったあと、拍手がわきました。
で。頭から全部聴いてみるOTと客席。
聴き終わると、OT、「ちょっと、嫌いなとこだけ直していいですか?」「ちょっとウウッ!って言い過ぎて、空回りしてるとこがある」。
で、1箇所歌い直して録り、すぐリプレイ。OK。で、もう1箇所歌い直してリプレイ。NG。もう1回歌う。OK。これにて、メイン・ボーカル録りが終了した。

21:11
そして、そのままコーラス録りに突入。まず、曲の後半で、「ダブル」っていってもう一回同じように歌うパートを録る(これを二重でスピーカーから出すのです)。2テイク目の頭をちょっと歌い直して、OK。

21:17
さらに後半のコーラス、今度は主旋律より低いパートを録る。途中で力尽きてやめて、「違うって! このあとも続けるはずだったの! ……パンチインしよう」と、誰に言うでもなく言って、また作業に戻る。何度かミスって、歌い直し&録り直しを重ねる。続いて、さらに今度は高いパートのコーラスも重ねていく。すべての「録り」作業が終了したのは、21:30でした。

21:30
OT、「というわけで、ほぼ音は入ったはずなんです」と宣言。一瞬の、妙な間のあと、客席、拍手。OT、「なので、音のバランスをとってからお聴かせしますので、しばしご歓談ください」。
また画面に『はみでろ! キューン』が映しだされる中、しばし休憩。本人はミックス作業。

21:47
ミックス終了、再開。で、「質問シートのことを忘れてましたんで」と、いくつかの質問に答えるOT。「ギターの音の歪みはアンプによるものですか?」とか、「そもそもパソコンのソフトの種類はなんですか?」とか、「いつもこの作業はどのくらいの時間でやってるんですか?」とか(家で計ってみたら5時間もかかっていたそうです。もっと早いもんだと思っていて、だからこのツアーをやろうと思ったので、ゆえに今、後悔しているそうです)、とか、「キーボードに使っていたシンセのソフトはなんですか?」とか、「この曲は配信だけでCDにはしないんですか?」とか、そういう質問に答える(ツアー終わったらアルバムにしたいそうです)。
で、完成した曲を、全員で聴く。いやあ、なんかすごい達成感。って何にもしてないけど俺。観てて聴いてて書いてただけだけど。なんでだろう。
曲が終わり、大拍手の中、OT、「いやあ、なんとなく形になりましたね」。今日は5分以上ある曲だったのと、楽器の多いアレンジだったので、長めになったそうです。

というわけで、22:00ぴったり、初日、無事終了しました。

なお、この曲“最強のこれから”は、レコ直ですぐに配信をするそうです。うまくいけばこの3時間後くらい、つまり25時くらいには配信スタートするそうです。すごい。(兵庫慎司)


RO69が行く!フジロックブログ'10 毛皮のマリーズ ”DIG IT”独占WEB配信! RO69 mobile オープン! RO69JACK 2010 優勝アーティスト 発表!

ニュース
ディスクレビュー一覧
ライブレポート
ブログ
特集
RO69JACK
JACKMAN RECORDS

RO69の最新情報をTwitterでフォロー!

ロッキング・オンの新しいフェス JAPANJAM 2010

日本最大級、夏の野外ロック・フェス ROCK IN JAPAN FES.2010

RO69JACK 2010

JACKMAN RECORDS

8569 オンライン・Tシャツ ショップ


ロッキング・オンの出版物

ROCKIN'ON JAPAN 9月号
ROCKIN'ON JAPAN
9月号

CUT 8月号
CUT
8月号

bridge 64号
bridge
64号

rockin'on 8月号
rockin'on
8月号

H105号
H
105号

SIGHT44号
SIGHT
44号

MY R&R 仲井戸麗市全詞集 1971-2010
MY R&R
仲井戸麗市全詞集 1971-2010

今、63歳 北野武
今、63歳
北野武