ライブレポート

2010.02.06 スメルマン @ 吉祥寺PLANET K

pics by Shinji Hyogopics by Shinji HyogoJACKMAN RECORDS第3弾作品、スメルマン『S.M.L.A.C.P』のリリース・パーティーと、吉祥寺PLANET Kのオープン11周年とを兼ねたイベント『S.M.L.A.C.P NIGHT』。
スメルマンの他、オープニング・アクトでALLaN HiLLZ、ゲストでnothing ever lastsと真空ホロウが出演。前2者は、日頃からスメルマンと親しいバンドで、真空ホロウはスメルマンと同じく「RO69JACK2009」で勝ち抜いて、ロック・イン・ジャパン・フェスに出演。その出演日がスメルマンと同じ3日目だったのが縁で、誘われたようです。終演後にボーカル&ギターの松本くんにきいたら、「会ったの、その日以来なんです。でも誘ってくれたんです」と、喜んでいました。

ALLaN HiLLZは、ヒップホップ・フォークみたいなテイストのボーカルとギターの2人組。サポート・べーシストと、サポート・ボイス・パーカッションでスメルマンのキャメル林が加わった4人でプレイ。
続くnothing ever lastsは、4人編成のギター・バンドで、ボーカル&ギターが端正な顔立ちの白人、でも歌詞は普通に日本語(ちょっと英語も混じる)、フー・ファイターズなんかを思わせる陽性なアメリカン・オルタナティヴな音なんだけどメロディは日本っぽい、という、どういう心づもりで観ればよいのか大変に戸惑うような、そしてそこがおもしろい、そんなバンドでした。

で、真空ホロウ。びっくりした、えっらいよくて。繊細さと乱暴さが同居する、でも緻密で美しいギター・ロック。というのは知っていたけど、ここまでライブでの表現力が高いとは。歌、ギター、ベース、ドラム、アンサンブル、アクション、全部含めて、ほんとに弱点がない。そのへんのプロに余裕で勝ってる。JACK優勝バンドなので、彼らもJACKMAN RECORDSからのリリースが予定されてます。ディテールが決まったらお知らせします。ぜひお楽しみに。
あ、唯一弱点があるとしたら、ベースの村田くん、普段のキャラが、若手芸人みたいなのだ。「ちーす!」「うっす!」「よろしくお願いしまーす!!」みたいな感じ。別に文句をつけるべきことではないが、彼らの曲の、シリアスでナイーヴな感じと合わん。
この日も、スメルマンのアンコールで出演者全員総登場した時、スメルマンのボーカル、ムトウダイスケにしゃべりを振られて、何をやるのかと思ったら、自分のお父さんをネタにしたラップを披露。「そういうキャラだったの?」と、絶句されてました。

そして、スメルマン。ボーカル、コーラス×2、ベース、ドラム&スクラッチ、以上5つのパートをすべて人間の声でやる。ドゥーワップなんかのブラック・ミュージックでも、ヒップホップでも、ポップスでもなくて、あくまでロック。というところがまず新しいし、個性的だし、際立っている。あと、基本的に熱くてストレートなんだけど、ヘルシーじゃない。同時に、どっかいかがわしいし不穏だし、なんていうんでしょう、夜の匂いというか繁華街の匂いというか、そんな不健全な感じがする。そこも、他にない。
ということを、これまで何度も書いてきたけど、それ以上に強いことがあるなあ、と、この日のライブを観て、改めて思い知った。

というのがですね。おもしろいのです、とにかく。しかもそのおもしろさが、極端に言うと、「こういう曲、好きじゃない」という人に対しても、「でも、おもしろくない? おもしろいでしょ?」と反撃できるような、そんなおもしろさなのだ。
だって、これまで観たことも聴いたこともないもん、こんなことやってる人たちって。
いや、声だけでグループやってる人は、他にもいる。口でベースやる人も、ヒップホップでいわゆるヒューマン・ビートボックスやってる人も、他にもいる(有名なのはAFRAですね)。
でも、スメルマンみたいに、

ボーカル。
ベース。
ドラム。スクラッチも兼ねる。
コーラス×2。ただ、ハモったりリードとったりするだけじゃなくて、エフェクターを使ってプロディジーとかケミカルのトラックに入ってるみたいな、「ヒュー!」とか「ワワワワワー!」みたいな音も出す。

という構造の音、いや声か、えーと、音であり声であり、歌でありトラックである、そんな音楽をやってる人、ほんとにいないと思うのだ。
でまた、下世話なまでにポップだし。しかもそれが、音源でできるだけじゃなく、ライブで一発でできる。おまけに、ライブの方が、音源よりもさらにいい。
この先、もっともっと勝てるんじゃないか、この人たち。そんな気が強くしました。
とにかく、おもしろかった。

あ、書き忘れてました。アンコールは、全出演者が登場して、なんとH jungle with tの“WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント”をセッション。超盛り上がって、イベントは幕を閉じた。という、これをやる前に、真空ホロウ村田くんのラップがあったのでした。(兵庫慎司)


スメルマン セットリスト
1 S.M.L.A.C.P
2 STRANGER
3 BUG ME
4 CHAOS
5 COSMOS
6 黒いガム
7 ピエロ
8 S.A.K.E

アンコール(出演者全員で)
9 WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント


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