ライブレポート

2010.01.28 PILLS EMPIRE @ 代官山UNIT

PILLS EMPIREPILLS EMPIREPILLS EMPIREPILLS EMPIREPILLS EMPIREPILLS EMPIRE1stアルバム『MIRRORED FLAG』のリリース・ツアーに先駆けたリリース・パーティー(後述しますが、「レコ発ライブ」じゃなく「パーティー」なの、ちょっと重要だと思う、このバンドの場合)。タイトルは『SHOW YOUR FLAG』、ゲスト・ライブでVOLA&THE ORIENTAL MACHINEとThe Mirraz、DJで石毛輝(the telephones)が参加。
ゲスト・バンド、さっとレポートします。


VOLA&THE ORIENTAL MACHINE

1.Self defence
2.An imitation’s superstar
3.WEEKEND LOVERS
4.Acommunication refusal desire
5.PARTY SONG
6.DEAD OR DANCE

久々に観た。で、びっくりした。えらいよくなっている。音圧、個々のメンバーのプレイ、バンド全体のグルーヴ、ギターやパーカッションやシンセや2本のマイクをとっかえひっかえしながらパフォーマンスするアヒトの……なんというか、「観る人聴く人にモテる感じ」、もうどれもすごくアップしている。
僕がしばらくごぶさたしていた間に、バンドとして何かつかんだんじゃないかと感じた。やってる方向性は変わっていないのに、とてもポップに拓かれた響きかたをするようになっている。
というのとリンクしていると思うが、もうひとつ驚いたのが、今のこの、いわゆる新世代バンドたちと同じフィールドのものとして、フロアに熱狂的に受け入れられていたこと。で、それが実に自然だったこと。もうベテランの域なのに。元ナンバーガールだったり元syrup16gだったりするのに。ELLEGARDENストレイテナーやホルモンが次々にどかーんといった時、その前の世代のくせに、その流れに完全にうまくはまっていたビークルと同じような、そんな「ずるい!」と言いたくなる感じあり。それがうれしかったです。


The Mirraz

1.イフタム
2.CAN
3.なんだっていい
4.シスター
5.check
6.神になれたら
7.僕はスーパーマン

このバンドも、ちゃんと観たの久々だったんだけど、なんというか、「ならず者度」というか「やさぐれ度」がアップしている気がした。ただそれは、たとえばPILLS EMPIREのNaoya(vo,b)が持っているような、UKロック80年代後半あたりのアーティストから現代まで脈々と続いているあの「ならず者感」や「やさぐれ感」とはちょっと違う。
表現欲求の根本になっているものは、内省的だったりナイーヴだったりするんだけど、それをアウトプットする時のアプローチが、なんでか暴力的で生活破綻者な感じをはらんでしまうというか。超高学歴なんだけど家はゴミの山、洗濯するのめんどくさいから下着は一回着たら捨てる感じ、というか。
どんな感じだ。でもなんというか、そういう「シャレにならなさ」を感じるステージだった。5曲目“check”で、the telephones全員乱入。


PILLS EMPIRE

1.Jaxtaposed Juggernauts
2.Demophophobia
3.Kubrick Syndicate
4.Trench
5.73(新曲)
6.Turn It On Now
7.Goose Step Exodus
8.Suicide Candy
9.Eins,zwei,Drei
10.Dare D
11.Manchester

アンコール
12. Kubrick Syndicate

アンコールの“Kubrick Syndicate”は、Mirrazのケイゾーがベースを弾くという事で、出てきて、セッティングの間Naoyaがしゃべってつないでいた。「俺ベース弾くの好きじゃないんだよ。歌うのも好きじゃないんだよ。ほんとは呑んで踊ってるのが好きなんだ」とか言っていたんだけど、ケイゾーのチューニングがなかなか終わらなくて、しまいには「まだかよ! もうしゃべりたくない! しゃべるのも嫌いなんだよ!」とキレていた。
ライブ中、Naoyaは何度もフロアに乱入した。何度もステージ両端のスピーカーによじのぼった。アンコールで「酒呑んでる奴! なんだよ、パーティーなのに酒呑んでないのかよ! 俺に酒をくれー、酒をー!」とわめいた。で、客が手渡したワインだか日本酒だかのビンをラッパ呑みし、最後には「あがってこい! みんなあがってこい!」とあおって、客を何人もステージに上げて踊らせた。
歌は、曲によってきこえたり、きこえなかったり。ベース、弾いたり弾かなかったり。今日に限ったことじゃないが、サビとか歌わず、ギター&キーボードのKokubuに任せることもしばしば。つまり、全体に、シンガーとかミュージシャンとかバンドマンというよりも、扇動者でありアジテーター。

ステージの上も下もない感じ。ステージの上のミュージシャンを、観客は下から崇め見る、という構造はイヤだ、みんな同列で一緒なんだ、とする思想。だから、ライブではなく、パーティーなんだという捉え方。で、そういうものの総合体として、音楽が、世の中に何かを起こしていくエネルギーになる、という考え方。
というNaoyaのこの感じ、僕は知っている。80年代末期に「90年代の主役はオーディエンスなんだ」と言ったTHE STONE ROSESの頃、そういう思想は始まった(そういえばライブの後半で、PILLSはTHE STONE ROSESの“I WANNA BE ADORED”のイントロを鳴らしていた)。ロックとダンス・ミュージックの垣根が崩れてロック・ファンがクラブになだれこむようになった90年代中盤~後半の頃にも、それはあった。それ以降にも、脈々とある。
つまり、僕くらいの世代の音楽ファンで、THE STONE ROSESの初来日を観ていたり、「RAINBOW2000」に行ったことがあったりする、そういう嗜好性の人間だと、「ああ、このタイプね」というものなわけです。
こういう「クラブの酔っぱらいが思想を持っちゃった」「で、そのままステージに立つようになっちゃった」的な、和製ボビー・ギレスピーみたいなロック・キャラクターって、つまり、とても既視観があるわけです、我々おっさんからすると。

なのに。「ああ、こういうパターンかあ」という客観的な見方が、全然できなかった。
「うわ! なんか始まってる」「なんかやらかそうとしてる、こいつら」と、ドキドキした。なんでかはわからない。こいつらが本気だからだ。とかいう結論にすると収まりがいいけど、別に僕がドキドキしないミュージシャンだって、本人たち的には本気だろうし。
だから、理由はわからないけど、とにかく、「そうか。じゃあ俺はどうしよう」という気分になった。ライブが終わって、家に帰って、レコード棚を検分し直して、いるもんといらないもんと分別しなきゃ、と思わされる感じというか。
ライブを観て、そういう気持ちになったの、私的には久々でした。それがなんか、とてもうれしかった。(兵庫慎司)


BEAT CRUSADERS 散開を惜しんで大特集! 『RO69JACK 10/11』エントリー受付中! 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010』出演アーティストライブ・コメント映像配信中 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010』、全行程終了しました!フェスの模様を徹底レポート! RO69 mobile オープン!

ニュース
ディスクレビュー一覧
ライブレポート
ブログ
特集
RO69JACK
JACKMAN RECORDS

株式会社ロッキング・オン 契約社員募集

RO69の最新情報をTwitterでフォロー!

日本最大の冬の祭典 COUNTDOWN JAPAN 10/11

RO69JACK 10/11

JACKMAN RECORDS

8569 オンライン・Tシャツ ショップ


ロッキング・オンの出版物

ROCKIN'ON JAPAN10月増刊号『ROCK IN JAPAN FES. 2010』
ROCKIN'ON JAPAN
10月増刊号『ROCK IN JAPAN FES. 2010』

rockin'on 10月号
rockin'on
10月号

ROCKIN'ON JAPAN 10月号
ROCKIN'ON JAPAN
10月号

CUT 9月号
CUT
9月号

bridge 64号
bridge
64号

H105号
H
105号

SIGHT44号
SIGHT
44号

うぬぼれ刑事 公式本
うぬぼれ刑事 公式本

rockin'on BOOKS vol.4 THE ROLLING STONES
rockin'on BOOKS vol.4 THE ROLLING STONES

MY R&R 仲井戸麗市全詞集 1971-2010
MY R&R
仲井戸麗市全詞集 1971-2010