ライブレポート

2009.12.23 平井堅 @ さいたまスーパーアリーナ

恒例のアコースティック/カバー主体/お酒を飲みながらゆっくりお楽しみください、という企画のシリーズ・ライブ『Ken’s Bar』、その2009年クリスマス版『Ken’s Bar 2009 Winter』、さいたまスーパーアリーナ。
いつも通り「ACT 1」と「ACT 2」に分かれて、間に休憩をはさんだ2部構成。ではまず、2部の最後、つまり本編最後の時の、平井堅のMCから。

「来年で、デビュー15周年です。15年といったら、0歳の子が15歳です。15歳といったら……ティッシュですよ」

しーん。
平井堅、あわてて言葉を足す。

「いやいや、15歳なんてもう、サルみたいなもんですからね」

何でそれを、本編最後の、最新シングル“僕は君に恋をする”をやる前のMCで、さいたまスーパーアリーナを埋めた超満員ソールドアウト27000人のお客さんに向けて、お伝えしなくてはならないのか。まったく理解ができません。
なお、セットリストはこんな感じでした。カバー曲には、カッコでオリジナルのアーティストの名前を書いておきます。

〈ACT1〉
1.Silent night(※きよしこの夜)
2.The Glory Day(MISIA)
3.楽園
4.CANDY
5.関白宣言(さだまさし)
6.STAR
7.哀歌(エレジー)

〈ACT2〉
8.POP STAR
9.メリーゴーラウンドハイウェイ
10.Blackbird(ザ・ビートルズ
11.思春期(岩崎宏美)
12.瞳をとじて
13.KISS OF LIFE
14.僕は君に恋をする

〈アンコール〉
15.half of me


以上です。では、説明したほうがよいと思われるものを、箇条書きにしていきます。

1.Silent night(※きよしこの夜)
ジャケット、パンツ、シャツと白ずくめ、胸のチーフのみ赤といういでたちで登場した平井堅、楽器なしのアカペラで、この“きよしこの夜”からライブをスタート。歌いながら、早くも、あの「よっ元気?」みたいな形で上がり下がりする右手。ああ、平井堅だなあ、と思う。

3.楽園
ご存知、平井堅がブレイクしたこの曲がリリースされたのは2000年1月19日、つまりあと1ヵ月で10年ということで歌われました。しかし、今聴いてもつくづくいい曲だけど、今聴いてもつくづく歌詞が抽象的。本人も、この曲がシングルに決まった当時、「曲はいいけど歌詞はわからん」と思った、と、昔インタビューでききました。

5.関白宣言(さだまさし)
いわずと知れた1979年に大ヒットした曲。こういうじめっとしたフォークを好きなの、ちょっと意外。でも、ハマってました。当時、平井堅は小学校低学年、私は高学年でした。

6.STAR
1995年の1stアルバム『Un-balanced』収録曲、つまり「まったく売れなかった頃の曲」ということ。ちょっと意表をついた選曲です。

9.メリーゴーラウンドハイウェイ
2001年の4thアルバム『gaining thorough losing』収録の、アッパーで軽やかでダンサブルな曲。私、このアルバム大好きなので、始まった時「おっ!」と身を乗り出したんだけど、歌い終わった時のご本人のコメントは、「歌いながら、知名度の薄さをひしひしと感じました」だそうです。よかったんだけどなあ。

15.half of me
今年7月28日幕張メッセイベントホールでの『Ken’s Bar』夏バージョンでも、アンコールで歌われた、音源リリースされていない曲。前回は違ったけど、今回は、客席を歩いてアリーナ部分の特設ステージに移動、そこで自身でピアノを弾きながら歌われました。
まず、平井堅には“even if”という、恋人のいる相手を好きになってしまった男の気持ちを切々と歌った名曲があって、それはそもそもこの『Ken’s Bar』のテーマとして書かれた曲なんだけど(だから開演時とかにはこの曲のインスト・バージョンが流れる)、この“half of me”は、本人曰く「その続編」だそうです。「“even if”の2人が、その後どうなったのかという曲です」とのことです。
で。僕は“even if”、もう大好きな曲なんだけど……というか、そもそも「こんな安いドラマみたいなベッタベタなシチュエーションを歌にしてるのに、なんでこんなにリアルなんだ!?」って、平井堅に一目置くきっかけになった曲でもあるんだけど、この“half of me”、正にその続編というにふさわしい、超いい曲なのだ。なんで出さないんだろう。出せばいいのに。普通に出してくれることを望みます。“even if”の時は、限定リリースにして、あっという間に売り切れて、あとで本人「しまった! あんなに評判いいとは……」って後悔してたし。

というわけで、全体にですね。「過剰にしゃべりがぐだぐだ」とか「過剰にウェット」とか「過剰にシリアス」とか、よくも悪くも一定の方向にだーっと振れることの多かった、ここ最近の堅様のライブと比べると、わりとバランスのとれた、安心して楽しめる感じのライブだった気がする。MCで節度を踏み越えていたの、冒頭に書いた「15歳といえばティッシュ」発言くらいだったし。
だから、大変によかった。よかったが、ってことは何か、次にまた大きなことを起きる、もしくは起こす、そんな時期にさしかかっているのかも。だから今は小康状態なのかも。とか、思ったりもしました。いずれにせよ、楽しみです。(兵庫慎司)


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