ライブレポート
2009.06.28
怒髪天 @ 赤坂BLITZ



「はい、こんばんは! 帰ってきたぜ赤坂BLITZ! うれしいです。とてもうれしいです! 始まる前から、もうグッときてます」……ステージに登場した途端にVo・増子直純が思わず感極まって叫んだ通り、今年で実に結成25周年を数える「魂のハードコア・バンド」怒髪天の、対バン/ワンマン含め全20本に及ぶ全国ツアー『プロレタリアン・ラリアット tour 09』ファイナル会場=赤坂BLITZはチケット即完・超満員、そして轟々と渦巻く大歓声!
ここ最近の彼らのライブを観た方なら、あるいは昨年12月2日のリキッドルーム恵比寿&今年4月12日のSHIBUYA-AX公演のRO69最速レポートをご覧になった方なら、あまりのオーディエンスの熱い盛り上がりに増子兄ぃが思わずグッときて涙ぐんでしまう、という場面をご存知だろう。が、今日は開幕と同時に兄ぃの感情はMAXに高ぶって、それがまたフロアの情熱に思いっきり火をつけていく……という永久機関的エネルギー増幅が起こっていた。ステージではまだ一音も鳴っていないのに、だ。
そして、最新アルバム『プロレタリアン・ラリアット』の“GREAT NUMBER”“労働CALLING”“マン・イズ・ヘヴィ”の爽快な破壊力! R&E(リズム&演歌)の真骨頂である“GREAT NUMBER”も、メタル×フォークロアの正面衝突“労働CALLING”も、《フーテン・ザ・タイガー》のスクリームに寅さんもびっくりの逆ギレ・ハードコア“マン・イズ・ヘヴィ”も、楽曲自体が底抜けにパワフルであり、笑っちゃうくらい鋭利なパンク・ロックなのだが、ただでさえタフな上原子/清水/坂詰のバンド・サウンドが、ツアーを回って雪だるま式にタフさを増し、とんでもない幸福感へ向かって一目散に転がり落ちていくようなグルーヴ感を獲得していた。“ロクでナシ”の《ROCKでない奴ァ ロクデナシ》のBLITZ一丸となっての大合唱も、“NCT”のブレーキ壊れた疾走感も、怒髪天流のイノセントな音楽賛歌“うたのうた”も、全曲クライマックス状態の高揚感と充実感に満ちていた。
一方で、「即完ですからね、赤坂BLITZ! こうなると、『俺たち求められてるんじゃないか?』って錯覚……いや錯覚じゃないね(笑)」「BLITZといえばね、昔スカパラの楽屋の弁当かっぱらってね(笑)」と軽やかな増子兄ぃのMCも、グッときすぎたせいか、普段の「立て板に水」状態に比べてどこか滑りが悪いように見えた。曲中でも時折顔を拭ったり、涙で詰まりそうになる声を全身全霊傾けて絞り出そうとするような仕草が見られる。「……ダメ! あんまりグッとこさせちゃ。みなさんがお金払ってライブ観て泣きに来てるわけですから。俺らが泣くのは間違ってる!」。そんな姿に、今度はこっちがグッとくる。
「なけなしのお金払って、こんなオジサンのライブ観に来てていいんだろうか?とか思うかもしれないけど、やりたいと思うことをやればいいんじゃないか? 俺らももう結成25周年ですけど、そもそもバンドでメシ食おうなんて思ってなかったですからね! もうモヒカン頭で、言うこと全部『ファック・オフ!』でしたから(笑)」という兄ぃのMCに導かれてのナンバーは、もちろん《生きてるだけでOK》の必殺フレーズをフィーチャーした“全人類肯定曲”! “NO MUSIC, NO LIFE”で「音楽のない人生なんて、お前らのいない赤坂みたい!」とアレンジした歌詞にフロアが大絶叫、それでまた兄ぃが号泣するという「感動自殺点」状態が生まれたりしているうちに、いよいよ本編フィナーレ。「北海道から出て来て……東京なんて、闘う場所だと思ってた。違う! 遊ぶ仲間、こんなにいるもん!」。涙で真っ赤な顔で叫ぶ兄ぃに、ひときわ大きなウオオオオオというフロアの雄叫び! 最後は一日の終わりを全力で祝い倒す爆裂サンバ“セバ・ナ・セバーナ”で大団円!
アンコールの“なんかイイな”“よりみち”“情熱のストレート”の時点で、子供のようなくしゃくしゃの泣き顔を見せていた兄ぃ、ダブル・アンコールで再び姿を見せた際にこう言った。「できるだけ長生きしたいとは思ってるけど、俺も人間だから、死亡率100%だから、間違いなく死ぬ。でも、そんな人生の中で、ほんの何回か『死んでもいい』って思う瞬間があると思う……今は確実にそうだね!」。もう止まらない大歓声! “酒燃料爆進曲”“ヘベレ・ケレレ・ヨー”の酔いどれアンセム2連発で沸騰したフロアに降り注ぐ、正真正銘のラスト・ナンバーは“サスパズレ”。割れんばかりの大合唱! ツアー・タイトルにちなんでか、クイーン“伝説のチャンピオン”のクロージングSEに合わせて4人が深々とフロアに頭を下げ……最高の一夜が幕を閉じた。
「もう次の新譜に向かって動いてますんで」と上原子。「また会う時まで、生きてろよ!」と兄ぃ。この日のMCでは、10月29日の結成25周年特別企画『オールスター男呼唄 秋の大感謝祭 -愛されたくて・・・四半世紀-』@SHIBUYA-AX(ゲスト多数予定!)も発表された怒髪天。4人の男たちの、しぶとく、激しく、楽しいロックンロールの闘いは、まだまだ続いていくのだ。(高橋智樹)



「はい、こんばんは! 帰ってきたぜ赤坂BLITZ! うれしいです。とてもうれしいです! 始まる前から、もうグッときてます」……ステージに登場した途端にVo・増子直純が思わず感極まって叫んだ通り、今年で実に結成25周年を数える「魂のハードコア・バンド」怒髪天の、対バン/ワンマン含め全20本に及ぶ全国ツアー『プロレタリアン・ラリアット tour 09』ファイナル会場=赤坂BLITZはチケット即完・超満員、そして轟々と渦巻く大歓声!ここ最近の彼らのライブを観た方なら、あるいは昨年12月2日のリキッドルーム恵比寿&今年4月12日のSHIBUYA-AX公演のRO69最速レポートをご覧になった方なら、あまりのオーディエンスの熱い盛り上がりに増子兄ぃが思わずグッときて涙ぐんでしまう、という場面をご存知だろう。が、今日は開幕と同時に兄ぃの感情はMAXに高ぶって、それがまたフロアの情熱に思いっきり火をつけていく……という永久機関的エネルギー増幅が起こっていた。ステージではまだ一音も鳴っていないのに、だ。
そして、最新アルバム『プロレタリアン・ラリアット』の“GREAT NUMBER”“労働CALLING”“マン・イズ・ヘヴィ”の爽快な破壊力! R&E(リズム&演歌)の真骨頂である“GREAT NUMBER”も、メタル×フォークロアの正面衝突“労働CALLING”も、《フーテン・ザ・タイガー》のスクリームに寅さんもびっくりの逆ギレ・ハードコア“マン・イズ・ヘヴィ”も、楽曲自体が底抜けにパワフルであり、笑っちゃうくらい鋭利なパンク・ロックなのだが、ただでさえタフな上原子/清水/坂詰のバンド・サウンドが、ツアーを回って雪だるま式にタフさを増し、とんでもない幸福感へ向かって一目散に転がり落ちていくようなグルーヴ感を獲得していた。“ロクでナシ”の《ROCKでない奴ァ ロクデナシ》のBLITZ一丸となっての大合唱も、“NCT”のブレーキ壊れた疾走感も、怒髪天流のイノセントな音楽賛歌“うたのうた”も、全曲クライマックス状態の高揚感と充実感に満ちていた。
一方で、「即完ですからね、赤坂BLITZ! こうなると、『俺たち求められてるんじゃないか?』って錯覚……いや錯覚じゃないね(笑)」「BLITZといえばね、昔スカパラの楽屋の弁当かっぱらってね(笑)」と軽やかな増子兄ぃのMCも、グッときすぎたせいか、普段の「立て板に水」状態に比べてどこか滑りが悪いように見えた。曲中でも時折顔を拭ったり、涙で詰まりそうになる声を全身全霊傾けて絞り出そうとするような仕草が見られる。「……ダメ! あんまりグッとこさせちゃ。みなさんがお金払ってライブ観て泣きに来てるわけですから。俺らが泣くのは間違ってる!」。そんな姿に、今度はこっちがグッとくる。
「なけなしのお金払って、こんなオジサンのライブ観に来てていいんだろうか?とか思うかもしれないけど、やりたいと思うことをやればいいんじゃないか? 俺らももう結成25周年ですけど、そもそもバンドでメシ食おうなんて思ってなかったですからね! もうモヒカン頭で、言うこと全部『ファック・オフ!』でしたから(笑)」という兄ぃのMCに導かれてのナンバーは、もちろん《生きてるだけでOK》の必殺フレーズをフィーチャーした“全人類肯定曲”! “NO MUSIC, NO LIFE”で「音楽のない人生なんて、お前らのいない赤坂みたい!」とアレンジした歌詞にフロアが大絶叫、それでまた兄ぃが号泣するという「感動自殺点」状態が生まれたりしているうちに、いよいよ本編フィナーレ。「北海道から出て来て……東京なんて、闘う場所だと思ってた。違う! 遊ぶ仲間、こんなにいるもん!」。涙で真っ赤な顔で叫ぶ兄ぃに、ひときわ大きなウオオオオオというフロアの雄叫び! 最後は一日の終わりを全力で祝い倒す爆裂サンバ“セバ・ナ・セバーナ”で大団円!
アンコールの“なんかイイな”“よりみち”“情熱のストレート”の時点で、子供のようなくしゃくしゃの泣き顔を見せていた兄ぃ、ダブル・アンコールで再び姿を見せた際にこう言った。「できるだけ長生きしたいとは思ってるけど、俺も人間だから、死亡率100%だから、間違いなく死ぬ。でも、そんな人生の中で、ほんの何回か『死んでもいい』って思う瞬間があると思う……今は確実にそうだね!」。もう止まらない大歓声! “酒燃料爆進曲”“ヘベレ・ケレレ・ヨー”の酔いどれアンセム2連発で沸騰したフロアに降り注ぐ、正真正銘のラスト・ナンバーは“サスパズレ”。割れんばかりの大合唱! ツアー・タイトルにちなんでか、クイーン“伝説のチャンピオン”のクロージングSEに合わせて4人が深々とフロアに頭を下げ……最高の一夜が幕を閉じた。
「もう次の新譜に向かって動いてますんで」と上原子。「また会う時まで、生きてろよ!」と兄ぃ。この日のMCでは、10月29日の結成25周年特別企画『オールスター男呼唄 秋の大感謝祭 -愛されたくて・・・四半世紀-』@SHIBUYA-AX(ゲスト多数予定!)も発表された怒髪天。4人の男たちの、しぶとく、激しく、楽しいロックンロールの闘いは、まだまだ続いていくのだ。(高橋智樹)
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