ライブレポート
2009.04.04
サニーデイ・サービス @ 上野 水上音楽堂
昨年夏、突如再結成を発表したサニーデイ・サービス。RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO以来となるライブ・パフォーマンスが、桜満開の上野恩賜公園不忍池脇にある野外ステージで行われた音楽イベント、ウォッチング・ザ・スカイ’09で実現した。
花見シーズンという時期の良さがあることはもちろんだが、サニーデイ・サービスのほか、NYのシンガー・ソングライター=ジェシー・ハリス、キセル、おおはた雄一、Port of Notesというラインナップもあってイベントのチケットは完売している。
13時の開演直後から、場内は超満員。半円形すり鉢型の音楽堂で、据え付けの座席に加え、最前列には、桟敷席も用意されている。ギター一本で、温かくも雄大なサウンドスケープを描いてみせるおおはた雄一、たおやかなギター・サウンドで場内の空気を和やかに塗り替えていったPort of Notesのパフォーマンスに続き、いよいよサニーデイ・サービスの登場だ。
大歓声に迎えられ、曽我部恵一、田中貴、丸山晴茂の3名が登場。東京では2000年12月14日、恵比寿じゃなくて新宿のリキッドルームでの解散ライブ以来! 1曲目は“花咲くころ”。彼らのディスコグラフィの中でもまさにこの時期聴きたくなる曲の一曲。だが、アルバム未収録曲であり、B面集『Best Flower –B side collection-』で聴くことはできるけれど、彼らの代表曲として思い浮かべる曲ではないだろう。
ある意味意表を突くオープニング。思い返せば、今日のパフォーマンス全体が、意表を突く展開だったといえるかもしれない。「再結成後初の東京でのパフォーマンス!!」というオーディエンスの大きな期待感を取り込んだうえ、イベントの流れと調和を保ちながら、バンドの最新型もさりげなく提示してみせた。つまり、みんなが聴きたい曲と、このイベントにふさわしい曲、そして新曲とを、短い持ち時間の間に入れてくるという、なんとも濃密な展開だったのだ。正直、ここまで欲張りな内容になるとは予想できなかった。そして「これ再結成して2度目のステージだよね?」と言いたくなるくらい、実に飄々とした演奏ぶり。そこに、バンド・ケミストリーとか、バンド・マジックとしか呼べないような、サニーデイをサニーデイたらしめる、あの3人が揃うことで醸成されるタイム感、雰囲気がビシバシ漂っていたことが、またなんともたまらなかった。
ごく最初こそ固い表情もあったように見えたが、曲の中盤からは、3人とも堂々とした演奏ぶり。タイミングなどもばっちりで、昨夏以降、練習を重ねてきているであろうことがうかがえる。曽我部の「久々に東京でライブやります。ちょっと何曲かやるんできいてください」とのMCに続いて“恋はいつも”。イントロの曽我部の流ちょうな口笛には、場内のあちこちから「おー」と感嘆の声が。終盤の間奏では、曽我部と田中が向かいあいになり、激しくギターとベースの音色をぶつかり合わせていた。
「3人でライブをやるのは十何年ぶり。97年以来ぶりくらい。パーカッションやキーボード(のサポート)がいたりしたから」「晴れたらこの曲をやろうと思ってました」と曽我部が語ったのち、あのベースのイントロが。“恋におちたら”だ! ひときわ大きな歓声がわきあがる。「昼間ですが夜の曲を」との紹介で“星を見たかい?”へと。曽我部のボーカルのドラマチックな側面を堪能できる楽曲が続く。そして“若者たち”も! 解散以来、CD音源の演奏モードに耳が馴染んできつつあっただけに、初期の楽曲を今の演奏力でパフォーマンスされると新鮮な驚きがある。躍動感が全く違うのだ。こうやって曲が進化していく様を目撃できる興奮は、ひとつのバンドの活動を追いかけ続けていく醍醐味のひとつでもあると思う。サニーデイとして、またこのステージに戻ってきてくれたことが本当にうれしい。
ここから、「俺も丸山君も90年代より元気。田中君はちょっとお疲れだけどね」「90年代と違うのは、お互い、何やってるのかって、ブログでわかることだよね」などと笑いをとりながら、「昔の曲をやると喜んでもらえるし…ということで、ここからは新曲をやります」と新曲を披露。しかし、まさか4曲も一挙に発表するとは。そして当然のように、どの曲も素晴らしい。MCで聴きとれた範囲だが、披露された楽曲のタイトルは“恋人たちは”(仮)という曲と、“Somewhere In My Heart”(仮)、“ふたつのハート”(仮)。3番目に披露された「どこかで誰かが口笛吹いた」というフレーズで幕あける曲のタイトルは残念ながら聴きとることができず。“恋人たちは”(仮)は、恋するふたりの情景を描いた歌詞に加え、「ルールー」という曽我部ボーカルの真骨頂ともいえる情熱的なコーラスも聴ける曲。“ふたつのハート(仮)”も恋をテーマにした名曲群の系譜に連なる楽曲だ。タイトル不明の1曲は、メランコリックなミドル・ナンバー。街のうごめきや人々の日常を俯瞰的に愛情をもって切り取った歌詞から、ひとつの情景が目の前に広がっていくようだった。『サニーデイ・サービス』や『愛と笑いの夜』などで特にみられた描写力の鋭さに加え、そんな中で自分はどう進んでいくのか、という覚悟も歌われていて、良かった。今後変更になる箇所もあると思うが、新しいアルバムやシングルへの期待も高まるばかりだった。
ラストに披露されたのは、“コーヒーと恋愛”。一度イントロのギター・リフを奏でた曽我部が、何かを思いついた、という感じで中断を。「せっかくだからみんなで並んでやろうよ」ということで、丸山も前に出てきた。途中、丸山が担当するカズーの音量が曽我部の生口笛より、断然小さいという驚きの事態が勃発。「カズー吹けてないじゃん。違うよー。こうでしょ」と指導する曽我部。演奏面など変化するべきところはしつつも、3人キャラや関係性が変わってないところはなんとも可笑しい。再結成ライブではあるが、解散後の空白が9年間もあったとは思えない、不思議な感覚に襲われる瞬間が多々あった。それくらい、解散後も彼らの楽曲が私たちの日常に寄り添い続けてきていたのだ。
冗談交じりで、今後のライブは晴茂君の体調次第、というようなことを曽我部が言っていたけど、本当に、次こそは単独公演を!!!(森田美喜子)
1.花咲くころ
2.恋はいつも
3.恋におちたら
4.星を見たかい?
5.若者たち
6.恋人たちは(仮・新曲)
7.Somewhere In My Heart(仮・新曲)
8.タイトル不明(新曲)
9.ふたつのハート(仮・新曲)
10.コーヒーと恋愛
昨年夏、突如再結成を発表したサニーデイ・サービス。RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO以来となるライブ・パフォーマンスが、桜満開の上野恩賜公園不忍池脇にある野外ステージで行われた音楽イベント、ウォッチング・ザ・スカイ’09で実現した。
花見シーズンという時期の良さがあることはもちろんだが、サニーデイ・サービスのほか、NYのシンガー・ソングライター=ジェシー・ハリス、キセル、おおはた雄一、Port of Notesというラインナップもあってイベントのチケットは完売している。
13時の開演直後から、場内は超満員。半円形すり鉢型の音楽堂で、据え付けの座席に加え、最前列には、桟敷席も用意されている。ギター一本で、温かくも雄大なサウンドスケープを描いてみせるおおはた雄一、たおやかなギター・サウンドで場内の空気を和やかに塗り替えていったPort of Notesのパフォーマンスに続き、いよいよサニーデイ・サービスの登場だ。
大歓声に迎えられ、曽我部恵一、田中貴、丸山晴茂の3名が登場。東京では2000年12月14日、恵比寿じゃなくて新宿のリキッドルームでの解散ライブ以来! 1曲目は“花咲くころ”。彼らのディスコグラフィの中でもまさにこの時期聴きたくなる曲の一曲。だが、アルバム未収録曲であり、B面集『Best Flower –B side collection-』で聴くことはできるけれど、彼らの代表曲として思い浮かべる曲ではないだろう。
ある意味意表を突くオープニング。思い返せば、今日のパフォーマンス全体が、意表を突く展開だったといえるかもしれない。「再結成後初の東京でのパフォーマンス!!」というオーディエンスの大きな期待感を取り込んだうえ、イベントの流れと調和を保ちながら、バンドの最新型もさりげなく提示してみせた。つまり、みんなが聴きたい曲と、このイベントにふさわしい曲、そして新曲とを、短い持ち時間の間に入れてくるという、なんとも濃密な展開だったのだ。正直、ここまで欲張りな内容になるとは予想できなかった。そして「これ再結成して2度目のステージだよね?」と言いたくなるくらい、実に飄々とした演奏ぶり。そこに、バンド・ケミストリーとか、バンド・マジックとしか呼べないような、サニーデイをサニーデイたらしめる、あの3人が揃うことで醸成されるタイム感、雰囲気がビシバシ漂っていたことが、またなんともたまらなかった。
ごく最初こそ固い表情もあったように見えたが、曲の中盤からは、3人とも堂々とした演奏ぶり。タイミングなどもばっちりで、昨夏以降、練習を重ねてきているであろうことがうかがえる。曽我部の「久々に東京でライブやります。ちょっと何曲かやるんできいてください」とのMCに続いて“恋はいつも”。イントロの曽我部の流ちょうな口笛には、場内のあちこちから「おー」と感嘆の声が。終盤の間奏では、曽我部と田中が向かいあいになり、激しくギターとベースの音色をぶつかり合わせていた。
「3人でライブをやるのは十何年ぶり。97年以来ぶりくらい。パーカッションやキーボード(のサポート)がいたりしたから」「晴れたらこの曲をやろうと思ってました」と曽我部が語ったのち、あのベースのイントロが。“恋におちたら”だ! ひときわ大きな歓声がわきあがる。「昼間ですが夜の曲を」との紹介で“星を見たかい?”へと。曽我部のボーカルのドラマチックな側面を堪能できる楽曲が続く。そして“若者たち”も! 解散以来、CD音源の演奏モードに耳が馴染んできつつあっただけに、初期の楽曲を今の演奏力でパフォーマンスされると新鮮な驚きがある。躍動感が全く違うのだ。こうやって曲が進化していく様を目撃できる興奮は、ひとつのバンドの活動を追いかけ続けていく醍醐味のひとつでもあると思う。サニーデイとして、またこのステージに戻ってきてくれたことが本当にうれしい。
ここから、「俺も丸山君も90年代より元気。田中君はちょっとお疲れだけどね」「90年代と違うのは、お互い、何やってるのかって、ブログでわかることだよね」などと笑いをとりながら、「昔の曲をやると喜んでもらえるし…ということで、ここからは新曲をやります」と新曲を披露。しかし、まさか4曲も一挙に発表するとは。そして当然のように、どの曲も素晴らしい。MCで聴きとれた範囲だが、披露された楽曲のタイトルは“恋人たちは”(仮)という曲と、“Somewhere In My Heart”(仮)、“ふたつのハート”(仮)。3番目に披露された「どこかで誰かが口笛吹いた」というフレーズで幕あける曲のタイトルは残念ながら聴きとることができず。“恋人たちは”(仮)は、恋するふたりの情景を描いた歌詞に加え、「ルールー」という曽我部ボーカルの真骨頂ともいえる情熱的なコーラスも聴ける曲。“ふたつのハート(仮)”も恋をテーマにした名曲群の系譜に連なる楽曲だ。タイトル不明の1曲は、メランコリックなミドル・ナンバー。街のうごめきや人々の日常を俯瞰的に愛情をもって切り取った歌詞から、ひとつの情景が目の前に広がっていくようだった。『サニーデイ・サービス』や『愛と笑いの夜』などで特にみられた描写力の鋭さに加え、そんな中で自分はどう進んでいくのか、という覚悟も歌われていて、良かった。今後変更になる箇所もあると思うが、新しいアルバムやシングルへの期待も高まるばかりだった。
ラストに披露されたのは、“コーヒーと恋愛”。一度イントロのギター・リフを奏でた曽我部が、何かを思いついた、という感じで中断を。「せっかくだからみんなで並んでやろうよ」ということで、丸山も前に出てきた。途中、丸山が担当するカズーの音量が曽我部の生口笛より、断然小さいという驚きの事態が勃発。「カズー吹けてないじゃん。違うよー。こうでしょ」と指導する曽我部。演奏面など変化するべきところはしつつも、3人キャラや関係性が変わってないところはなんとも可笑しい。再結成ライブではあるが、解散後の空白が9年間もあったとは思えない、不思議な感覚に襲われる瞬間が多々あった。それくらい、解散後も彼らの楽曲が私たちの日常に寄り添い続けてきていたのだ。
冗談交じりで、今後のライブは晴茂君の体調次第、というようなことを曽我部が言っていたけど、本当に、次こそは単独公演を!!!(森田美喜子)
1.花咲くころ
2.恋はいつも
3.恋におちたら
4.星を見たかい?
5.若者たち
6.恋人たちは(仮・新曲)
7.Somewhere In My Heart(仮・新曲)
8.タイトル不明(新曲)
9.ふたつのハート(仮・新曲)
10.コーヒーと恋愛
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