シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - all pics by 山川哲也/シナリオアートall pics by 山川哲也/シナリオアート
『ROCKIN'ON JAPAN』が展開する新世代先取りプロジェクト「JAPAN'S NEXT」とリンクする形で、毎週土曜日深夜25:30からオンエアされているTOKYO FMの音楽プログラム『ジャパネクレディオ powered by EMTG MUSIC』。その『ジャパネクレディオ』発のイベント第1弾、その名も「ジャパネクレディオライブ」がいよいよ開催。シナリオアート/Mrs. GREEN APPLE/LAMP IN TERRENが渋谷CLUB QUATTROに集結、「あわや雪か?」というレベルの外の寒さも吹っ飛ばす熱い祝祭感に満ちた一夜を以下ダイジェストでレポート!

■LAMP IN TERREN

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
トップバッターはLAMP IN TERREN! 開演早々鳴り渡った“緑閃光”の凛と張りつめた音像が、フロアの熱気とせめぎ合って、スリリングなロックの風景を立ち昇らせていく。松本大(Vo・G)の切実なヴォーカルが刻一刻と熱を帯び、大屋真太郎(G)のロングトーンが緊迫感をかき立てたところで、「跳べるかクアトロ?」の松本のコールから“林檎の理”で一気に加速! 中原健仁(B)&川口大喜(Dr)のアグレッシヴなビート感とオーディエンスのクラップが重なり合い、松本の絶唱が観る者の衝動を真っ直ぐに貫いていく。立て続けに“ランデヴー”を披露した後の「最後まで耳を預けて、一緒に音楽を共有して、最高の時間にしてください!」という松本のMCからも、その真摯なマインドが滲む。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
“ボイド”“multiverse”“ワンダーランド”など、昨年7月リリースの最新アルバム『LIFE PROBE』からの楽曲を軸としたこの日のアクト。“multiverse”で一面のシンガロングを呼び起こしてみせたり、“ワンダーランド”のダイナミックな激走感でクアトロ丸ごとロックの彼方へ導いてみせたり――といった熱演が、4人の「今」の強靭なモードを伝えていた。「季節は変わっていくけど、毎年似たような周期の中で生きてて。たぶん今年も、去年と同じぐらい嫌なこととか辛いこととか、たくさんあると思うし。逆に、こうやって幸せな空間を一緒に作っていけることもたくさんあると願ってます」「少なくとも、ここにいる瞬間だけは、素敵な方に行けるように、最後まで歌います!」という松本の言葉とともに響いた最後の曲は“メイ”。決然とした歌と澄み切ったバンドサウンドが、名演のラストを目映く彩っていた。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - LAMP IN TERRENLAMP IN TERREN
01.緑閃光
02.林檎の理
03.ランデヴー
04.ボイド
05.multiverse
06.ワンダーランド
07.メイ

■Mrs. GREEN APPLE

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
LAMP IN TERRENのシリアスな空気感とはガラリと空気感が変わり、舞台に登場すると同時に投げキッスをキメる大森元貴(Vo・G)をはじめ、はちきれんばかりの多幸感でクアトロを掌握したのはMrs. GREEN APPLE! 沸き返るクラップの中、“StaRt”のドレミファソラシドを駆け上がるサビメロが、オーディエンスの歓喜のリミッターを決壊させ、会場狭しとあふれまくる熱量を“Speaking”のダンサブルなビート感がさらにぐいぐいと煽っていく。1stフルアルバム『TWELVE』を1月13日にリリースしたばかり、しかもこれが2016年初ライヴ!(しかもミセスは渋谷CLUB QUATTROのステージに立つのも今回が初めて)ということで、もはや歓喜の先導者の如き存在感を放つ大森を筆頭に、5人一丸のサウンドを極限炸裂させてみせる図は、どこまでも痛快で、エモーショナルだった。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
“アンゼンパイ”で高らかなシンガロングを呼び起こし、“リスキーゲーム”でフロア一面にタオル渦巻く情熱の風力発電所状態の景色を描き出し――といった歴代キラーナンバー群に加え、『TWELVE』から披露した“SimPle”も、既にミセス・アンセムとして浸透していることが窺えたこの日のアクト。むせ返るような熱気あふれるオーディエンスに「こっから盛り上がれる人! かかってこい!」(大森)と挑みかかってソリッドなロックナンバー“ナニヲナニヲ”で会場を揺さぶった後、ラストは『TWELVE』の“愛情と矛先”で激烈フィナーレ! 大森/若井滉斗(G)/藤澤涼架(Key)/髙野清宗(B)の寸劇チックな振り付けも、山中綾華(Dr)のタイトなビートも、すべてが圧巻のポジティヴィティに満ちていた。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - Mrs. GREEN APPLEMrs. GREEN APPLE
01.StaRt
02.Speaking
03.アンゼンパイ
04.L.P
05.SimPle
06.リスキーゲーム
07.ナニヲナニヲ
08.愛情と矛先


■シナリオアート

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - シナリオアートシナリオアート
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - シナリオアートシナリオアート
熱演が続く「ジャパネクレディオライブ」のトリを飾ったのはシナリオアート! ハットリクミコ(Vo・Dr)のヴァイタリティの塊のようなドラムと熱唱、心の傷口に優しく染み込んでくるハヤシコウスケ(Vo・G)のナイーヴな歌声、緻密にしてダイナミックなアンサンブルを強烈にドライヴさせるヤマシタタカヒサ(B・Cho)のベースライン……そんな3人の卓越した才気が、冒頭の“スペイシー”から3ピース離れしたスケール感のサウンドスケープを生み出し、「行くぞクアトロ!」のハットリの煽りとともに“ハロウシンパシー”で熱いクラップを巻き起こしていく。孤独な心に寄り添う言葉と壮大なイマジネーションを、“シュッシュポップ”“アオイコドク”といった楽曲越しに次々に繰り出し、満場の観客をポップの異次元へと誘ってみせる。そんなハイパーな演奏とは一転、ドラムスローンに立ち上がって「ずっと立ちっ放しでしんどいと思うけど、もうちょっとで終わるから――とかそういうことではないね(笑)。みんなで楽しんでいこうね!」と快活に呼びかけるハットリのフレンドリーなMCが、フロアとステージの距離をさらにぐっと近づけていく。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - シナリオアートシナリオアート
シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - シナリオアートシナリオアート
KANA-BOONとのスプリットシングル収録曲“ナナヒツジ”のエッジー&ミステリアスな7拍子ビートで熱気をかき混ぜた後、インディーズ時代からの重要曲“ホワイトレインコートマン”をひときわ鮮烈に響かせ、会場の空気をびりびりと震わせていく3人。「たとえば人生の辛い時とか、きっと音楽はそっと寄り添って、支えてくれると思います。2016年、シナリオアート、そばにいれるような優しい音楽を、これからも歌っていこうと思います」――そんなハヤシの決意の言葉とともに鳴らした本編最後の曲は“ワンダーボックスⅡ”。ミラーボールのきらめき、目映い歌とアンサンブル、満場のクラップが乱反射し合い、最高の祝祭空間を繰り広げていった。さらに、アンコールの手拍子に応えて再登場した3人が、この日の最後に響かせたのは、最新アルバム『Happy Umbrella』から“フユウ”。《消えてくれない 悲しみよ》《誤摩化しきれない 感情よ》とヘヴィに渦巻く想いをも包み込むような研ぎ澄まされた楽曲とサウンドが、珠玉の一夜の終わりを美しく飾っていった。

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO - シナリオアートシナリオアート
01.スペイシー
02.ハロウシンパシー
03.シュッシュポップ
04.アオイコドク
05.ナナヒツジ
06.ホワイトレインコートマン
07.ワンダーボックスⅡ
(encore)
08.フユウ

シナリオアート × Mrs. GREEN APPLE × LAMP IN TERREN@渋谷CLUB QUATTRO
最後は『ジャパネクレディオ』の番組ナビゲーターでもある『ROCKIN'ON JAPAN』小川副編集長の呼びかけで、3バンドのメンバー全員が舞台に登場、観客と一緒に記念撮影を行って大団円。「ジャパネクレディオライブ」第2弾・第3弾への期待感を喚起するには十分すぎる、至上の音楽空間がそこにはあった。なお、終演直後に行われたという3バンドのヴォーカル座談会の模様が、2月6日(土)放送の『ジャパネクレディオ』でオンエアされる予定とのことなので、そちらもお楽しみに。(高橋智樹)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする