MONGOL800@新木場スタジオコースト

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MONGOL800の通算7枚目となるアルバム『People People』を引っ提げたワンマンツアー「MONGOL800 People People TOUR 2015」が9月29日のZepp Sapporo公演を皮切りにスタートした。今回レポートする新木場STUDIO COAST公演は序盤中の序盤ということもあり、セットリストの掲載はもちろん、演出に関する記載も控えるが、今後の公演を楽しみにしている人は充分に注意して読み進めてほしい。そしてまだ予定がなかった人には、これから全国へと旅立つ彼らのライヴを是非、その目で、その耳で、その肌で感じてほしい。今、自分に何ができるか? 音楽に乗せた彼らからの問いを全身で受け取って頂きたい。

MONGOL800@新木場スタジオコースト
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日本という母国を愛し、故郷・沖縄を愛し、人を愛し、音楽を愛する。「日本人が美しいとしてきた謙虚さや一歩引く感じが、今のご時世裏目に出ているんじゃないかなと心の中でちょっと思っていて。もう、言いたいこと言えばいっか。インディーズだし」と、穏やかながらも強い意志を宿した口調で淡々と話す上江洌清作(Vo・B)の言葉が心に深々と積もった。彼らが今作『People People』を「尖ったアルバム」と自評する理由はまさにここにある。自身でも「このアルバムができた時の空気感は『MESSAGE』(2ndアルバム)ができた時と似ている」と話していたが、沖縄に深く残る傷や現在の不穏な社会情勢、そして変わらぬ平和への願いを一切の躊躇いなくストレートに言葉にした今作は、彼らが2015年の日本に捧げる渾身の「MESSAGE」に違いない。

MONGOL800@新木場スタジオコースト
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とはいえ、“Love song”“OKINAWA CALLING”を筆頭にゴキゲンな沖縄節を聴きながら難しいことを考えろ!なんていうのはやっぱり無理な話だ。肌寒い秋の夜を大晴天のビーチに変える魔法は3人にしかかけられないと改めて思えたし、「最初から応援してくれる人も、初めて来たよっていう人も、この曲でひとつになれるんじゃないかと思いますよ」とのキヨサクの言葉に始まった“小さな恋のうた”の爆発力ったら! この曲を今まで何百回聴いてきたかなんて分からないけれど、歳を重ねるごとに着実に沁みていくこの感覚は人生を終える瞬間まで味わいたいと思った途端、自然と涙が込み上げてきた。モンパチの曲はいつだってそうだ。優しくて大らかで、どうしようもなく切ない。儀間崇(G)と髙里悟(Dr)の奏でる柔らかくも力強いハーモニーの上を、どっしりと歩くキヨサクの声。その音の流れには、全身、そして全心を委ねられる安心感がある。懐かしさと親しみが滲む琉球独特の音階が、凝り固まった人の心をほぐしていく実感があった。老若男女が一同に集まるピースフルなフロアの光景を見ると、それぞれがそれぞれの生活のなかで抱くそういった凝りが溶けてほっとしたような笑顔が一面に咲いていた。

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そしてこの日は『People People』から惜しむことなく全曲を披露。リリースツアーの2日目とは思えないその盛り上がりように、ステージの3人も度肝を抜かれたようだった。さらにラストは、お馴染みの曲のオンパレード!世代を超えて愛される海人は、冬を目前とする寒々とした新木場の会場を優しく温かい空気で見事埋め尽くしたのだった。(峯岸利恵)
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