flumpool@大阪城ホール

昨年デビュー5周年を迎え、今年4月から始まったflumpoolのアニバーサリーツアーが、地元である大阪城ホールでファイナルを迎えた。

flumpool@大阪城ホール
メンバー4人のこれまでのビジュアルが大スクリーンに映り、5年という歳月の濃さを実感するオープニング。山村隆太(Vo)が「ファイナル行くぜ! 大阪!!!」と叫び、1曲目は“覚醒アイデンティティ”。メンバー4人に加えて、キーボードと今回のツアーから加わったヴァイオリンという2名のサポートを含めた6人編成。ヴァイオリンが入ることにより、よりアンサンブルに彩りと広がりが加わっていた。ただあくまでもギターロックバンドの体裁を軸にしており、flumpoolならではの独自のバランスのアンサンブルが生まれていて良かった。センターに山村隆太、その脇に阪井一生(G)と尼川元気(B)という前列。センターに小倉誠司(Dr)、脇にサポート2名という後列。6人が2列に分かれてギュッと配置された見た目も、flumpoolの清冽さを際立たせていた。

flumpool@大阪城ホール
中盤にはアリーナエリア後方に設けられたサブステージでのパフォーマンスがあった。元気が「客席でヒロキ(タナカヒロキ/LEGO BIG MORL)のお父さんが『甘皮』と書いたウチワを振ってるのが見えて、笑いをこらえてベースを弾いていた」と告白して「集中して!」と突っ込まれたり、隆太にMCを振られた誠司が「逆にどうですか?」と逆質問をしたり、客席が近くなったからこその気軽なやりとりで盛り上がる。

flumpool@大阪城ホール
前列3人の隆太→一生→元気という、嬉しいメインヴォーカルリレーが聴けたインディーズ時代からの人気曲“ハイドレンジア”を終えて、メンバーはアリーナのブロックの間の通路を通って、ファンと触れ合いながらメインステージに移動。

flumpool@大阪城ホール
後半戦は、緑のレーザーと硬質なビートが場内を駆け巡った後、あのドラマティックなイントロで空気が一転した“花になれ”から。このデビューダウンロードシングルは、flumpoolに色々なものを与えた。デビューとともにいきなり全国区の知名度を獲得したが、外部の作家が書いた曲であったことと、華やかなルックスもあり、色眼鏡で見られることも少なくはなかった。しかしflumpoolはその後、リスナーの心に優しく寄り添い、背中をポンと押す真摯で等身大な曲を作り続け、支持を広げてきた。そして、今こうやって多くのファンと幸福な空間を作っている。この日の“花になれ”の力強さは、この曲が既に強固な宝物になっていることを証明していた。

flumpool@大阪城ホール
5月にリリースした2枚組、全30曲という大ボリュームのベスト盤を軸にしたセットリスト。その中でも特に際立っていたのが本編ラストの“明日への賛歌”とアンコールラストの“大切なものは君以外に見当たらなくて”だ。“明日への賛歌”はベスト盤のインタヴューで、「過去をすべて出し切っても僕らは今、何かがあるんじゃないかと思える新曲ができたので、ベスト盤を出せた」と隆太が話していた、5年間を総括し6年目に向かうための曲。“大切なものは君以外に見当たらなくて”は、隆太がこの日のMCで言っていた「5年間、良いことばっかじゃなかったけど、俺らは音楽から絶対に逃げないと誓った」という強い意志と、「『今』があるのは、みんなの存在があるから」という感謝の気持ちがこめられた曲。今ここにいる「君」に向けてのメッセージ性が特に強い2曲をライヴのラストで聴かせるところに、flumpoolというバンドの誠実さがよく表れていた。 

flumpool@大阪城ホール
歓喜の拍手が送られる中、横並びで長い長いおじぎをした4人。「いろんなことがあったツアーだけど、最っ高のファイナルになりました! ありがとう!」と隆太が叫び、最後の最後に3つのニュースが発表された。初の学園祭ツアーと、一生が毎公演言い続けてきたファンクラブツアー、そして、同じA-Sketch所属のWEAVERとNICO Touches the Wallsも出演する、ここ大阪城ホールでのカウントダウンイベントが昨年に続き開催決定。メンバーも集まったファンも、これからの大きな未来にワクワクする、そんな締めくくりとなった。(小松香里)

■セットリスト

01.覚醒アイデンティティ
02.君に届け
03.夏Dive
04.君をつれて
05.ビリーバーズ・ハイ
06.残像
07.どんな未来にも愛はある
08.サマータイムブルース
09.ハイドレンジア
10.花になれ
11.強く儚く
12.reboot ~あきらめない詩~
13.Because... I am
14.Answer
15.星に願いを
16.イイじゃない?
17.明日への賛歌

(encore)
18.Touch
19.大切なものは君以外に見当たらなくて
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