極彩色な異端児ガールズユニット・惑星アブノーマル 史上最高にキャッチーな最新作完成!

惑星アブノーマル

惑星アブノーマルのポップな世界が大爆発! ミニアルバム『VIVI de VAVI de LOVE』は、ワクワクを誘うカラフルな要素が満載だ。鈴木"Daichi"秀行によるプロデュース、NYLON JAPANによるアートワークとのタッグにより、このユニットがもともと持っているキャッチーさが鮮やかに浮き彫りにされている。そして、ウィットに富んだ歌詞、ユニークなアイディアによるサウンドなど、彼女たちならではの粋なスパイスも豊かに香る1枚となった。たくさんの新しいリスナーとの出会いにも繋がりそうな今作は、どのようにして生まれたのか? アレックスたねこ(歌)、テナ・オンディーヌ(シンセサイザー、キーボード)が語る。

インタビュー=田中大

芸人さんにいじられるくらいの歌詞の曲とかも、いいですよね。あと、ユニークなエピソードがあるバンドとかもいいなって(たねこ)

――どんなミニアルバムにしたいと思っていました?

たねこ 前作に続いて鈴木"Daichi"秀行さんにプロデュースして頂いたんですけど、今回はより密に話し合って作りたいと思ってました。あと、前作は私たちからいろんなことをお伝えしつつも「Daichiさんサウンド」というものを作って頂いたんです。だから、今回は私たちの好きなバンドサウンドが引き立つものにしたいというのも考えてました。

テナ そして、キャッチーでポップで、お客さんと一体になって楽しめるものにしたいというのもありましたね。

――「惑星アブノーマル」って、危ない香りがする名前ですけど、実はキャッチーなユニットですしね。

テナ そうなんですよ。

たねこ でも、前までのままだと世の中に溶け込めないと思って(笑)。今回はより思い切って振り切りました。

――去年、「今後どうなっていきたいですか?」って訊いたら「売れたい!」って潔くおっしゃっていたのが忘れられないんですが。

たねこ ほんと、そう思ってます(笑)。

テナ その通りですね(笑)。

たねこ 世間に認められたいです。ヘンテコなところがあるのはどうしようもなくて、多分一生治らないから、「そういうところを気持ちいいと思ってもらうにはどうしたらいいのか?」っていうのを結構考えています。ヘンテコなところがあるのにたくさんの人に聴いてもらえるようになってるポップスってたくさんあると思うんですけど、「なんで私たちは認められないの?」っていうのは常にあるんですよ。

――前作の『ココロココニ』の時も、その点に向き合っていましたよね?

たねこ はい。『ココロココニ』も「今まで一番キャッチーに作った」って思ってたんです。でも、今回のミニアルバムを作ったら「前回は全然キャッチーじゃない」って思いました。

――キャッチーの条件ってなんだと思います?

テナ なんでしょうね? 例えば、普段歌わない人もいろんなフレーズを口ずさめたり、簡単なフレーズのリフレインで印象に残る音楽は、キャッチーなんだと思います。

たねこ 「かわいい!」とか「かっこいい!」とか「面白い!」ってすぐに分かるものもキャッチーの基本ですね。でも、「なんか分かんないけどすごくいい!」っていうのもあるんだよな……。最初好きじゃなくても気がつくと口ずさんでいて、好きになる曲もありますし。芸人さんにいじられるくらいの歌詞の曲とかも、いいですよね。あと、ユニークなエピソードがあるバンドとかもいいなって思います。

――惑星アブノーマルもいろんなエピソードがありそうじゃないですか。僕が知っている範囲ですと、去年、テナさんの失踪事件があったし。

テナ ありましたねえ。

たねこ あれはキャッチーだった。

テナ 今となってはね(笑)。

たねこ 連絡がつかなくて、あのときは大変だったけど。そういえば、今、初めてテナにも言うけど……マンションがオートロックで入れなかったから、よじ登って侵入しようとしたんですよ。

テナ えええっ!

たねこ それくらいみんなで心配したんだから。

テナ びっくりですよ(笑)。まあ、たねこも掘り返せばキャッチーな恋愛エピソードがいろいろあるんじゃないですか?

たねこ あっ。ティッシュ食べてティッシュ自殺しようとしたことある。「別れる!」って言われたから、「いやだ! 別れるなら死ぬ!」ってなって。でも、死ねるようなものが周りにティッシュしかなかったんですよ。

――ティッシュをどうしたんですか?

たねこ すごい勢いで食べました。窒息しようと思って。でも、結局相手に笑われちゃって、別れないで済みました。まあ最終的には別れたんですけど(笑)。

――(笑)いい話じゃないですか。

たねこ 昔やってしまったエピソードは、いろいろありますよ。怒ってスタッフにペットボトルを投げつけて、いい感じに進んでた話がダメになったり。今のサポートメンバーとまだあまり仲良くなってない時期に飲みに行って、ギターの男の子に怒っちゃって。いきなり立ち上がって頭からビールをトポトポトポってかけたこともありましたね……って脱線しちゃってすみません。

この方(たねこ)の破天荒さについてける人は、私のほかになかなかいないのかもしれないですね(笑)(テナ)

――いや。今出たような話って、惑星アブノーマルの音楽に関係あると思いますよ。過去のパッとしない恋をしている自分をタイムスリップして殺しに行く“LET IT DIE ~時をかける殺し屋~”みたいな発想も、そういう人だから出てくるんだろうなと思いますから。

たねこ この曲は作りやすかったです。『LET IT DIE』というPS4のゲームの音楽のお話を頂いて作ったんですよ。

テナ サウンドは、すごくキャッチーだと思います。

たねこ 「過去の自分を殺したら未来の自分はいなくなるけど大丈夫?」っていう矛盾を歌ってる曲ではあるんですけど。

――結構ぶっ飛んだ内容ですよね。さすが、ティッシュを食べる人だなと。

テナ ほんとそうですね(笑)。

たねこ 今はそんなことしないですよ(笑)。まあ、私は気をつけて生きないとすぐ変なことをしちゃう方なので。

テナ この方(たねこ)の破天荒さについてける人は、私のほかになかなかいないのかもしれないですね(笑)。「この先、あと何人出てくるか?」っていうのは、私も予想ができないです。増えたらいいなあとは思いますけど。

たねこ あと何人くらい欲しい? 100人くらい?

テナ 100人はできないんじゃない?

たねこ そうか(笑)。

――「たねこさんのぶっ飛び具合をいかにキャッチーに着地させて、作品として世に送り出すか?」というのは、惑星アブノーマルにとって大きなテーマじゃないですか?

テナ はい。そう思います。

たねこ みなさんに楽しんでもらえるといいんですけど。さっきのティッシュの話とかも笑ってもらえないと……つらいよね?

テナ うん(笑)。

――捉え方によっては重いことも楽しく描けるのは、音楽の良さではないでしょうか?

たねこ そうですね。「この前、ティッシュで自殺しようとして……」って重い表情で話されても嫌でしょうし。「大丈夫か、こいつ?」ってなりますよね。

テナ かといって暗くて重い曲にするのもいやだし。

たねこ 楽しくしたいです。

――なるほど。でも、今回のミニアルバムは、全面的に明るさを感じる曲がいろいろ生まれている印象もあるんですよ。例えば“愛してやむなし”はすごくストレートに愛の言葉を放っていますし、“BE P!NK”は恋愛をすることを全力で後押ししている曲じゃないですか。

テナ “愛してやむなし”は、たしかにストレートですね。あと、“BE P!NK”は、ライブでお客さんとコール&レスポンスをしたいなと思いながら作った曲なんですよ。

たねこ やっぱり、ライブでみんなが手を挙げてたり楽しそうな笑顔になってるのを見ると、嬉しいですから。

テナ お客さんに参加してもらえる曲が欲しいというのは、どんどん思うようになってます。“NAGUSAME NIGHT”もコール&レスポンスをしたくて作ったセクションが入ってますし。

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