音楽専門チャンネル:スペースシャワーTVが”近い将来にブレイクが期待されるニューカマーをピックアップし紹介する”新企画、その名も「SPACE SHOWER NEW FORCE」。その2016年選出アーティストとして発表された精鋭10アーティスト=あいみょん/Suchmos/シンリズム/DAOKO/never young beach/パノラマパナマタウン/PELICAN FANCLUB/ぼくのりりっくのぼうよみ/Mrs. GREEN APPLE/LILI LIMITのうち、Suchmos/DAOKO/never young beach/Mrs. GREEN APPLE/LILI LIMIT/あいみょん(LOUNGE ACT)の6組が、2月16日・渋谷WWWにて開催されるショーケースライヴ「SPACE SHOWER NEW FORCE」に集結! ジャンルもスタイルも多種多様な同イベントの出演ラインナップの中から、LILI LIMIT・牧野純平(Vo)とMrs. GREEN APPLE・大森元貴(Vo・G)のふたりに、新世代アーティストの想いをじっくり語ってもらった。

インタヴュー=高橋智樹 撮影=石井彩子

LILI LIMITはすごくエネルギーを発してくれていて、刺激物がものすごいぶつかり方をするようなイベントになると思うから……怖いですね(笑)(大森元貴)

── Mrs. GREEN APPLEにしてもLILI LIMITにしても、「SPACE SHOWER NEW FORCE」にラインナップされた人たちは、単に「新しい音楽をやる」「楽しく音楽をやる」っていうだけではなくて、それによって時代に作用しよう、アップデートしようという意志を持っている10組のような気がして。

大森 音楽を音楽として世に発信するというか、大勢の人に聴いてもらうことを前提として掲げてやってる人たちが集まってると思うので……今から緊張しますけどね、僕は(笑)。LILI LIMITは、去年の夏に自分たちの対バンツアーに来ていただいたんですけど、僕はめちゃめちゃ衝撃を受けたので。この場とかじゃなくて、普通にCD聴くんですよ。すごくエネルギーを発してくれていて刺激があるから、そういうイベントになるんでしょうね。刺激物がものすごいぶつかり方をするようなイベントだと思うから……怖いですね(笑)。

── ミセスと赤色のグリッターの対バンツアー(「赤と緑のホショクツアー」)で、福岡公演のゲストとしてLILI LIMITが出てますよね。

大森 そうですね。実はその前から、いろんなイベントに一緒に出てたんですけど――。

── お互いの存在をちゃんと意識したのはその時が初めてだったと。

大森 びっくりしましたね。他のメンバー4人も、リハからずっとかじりついて観てました。いい意味で複雑な――一歩間違えるとイビツになっちゃうような音楽を、すごく綺麗にやっていると思うので。そこがすごいなあと思って。自分らは結構、ずっと長調で、明るく歌ってるようなバンドで、そういうエッセンスがなかったので。衝撃的でしたね。

牧野 その対バンツアーの前にも、大阪の阿倍野でも一緒にやってたんですけど(FM802主催のイベント「LIVE ∞ INFINITY(じゅういち)」)。その時からカラオケでよく歌うぐらい好きで(笑)。

大森 ははははは!

牧野 “ナニヲナニヲ”をメンバーと歌ってたりして。そこからの「ホショクツアー」だったんで、ただのファンとしてライヴを観させてもらって。僕は福岡なんですけど、福岡で見たことのない景色を見せてくれたバンドだったので。「うわ、負けたわあ」みたいな感覚になって。それ以降ずっと、新譜を出すタイミングとかになると、レコード屋さんに行って聴いて、刺激をいただきました。

やっぱり僕は「メロディがいかにいいか」で聴いちゃうんで。その中で(ミセスは)1回聴いただけで覚えちゃうぐらいにメロディがよかったから。そこに刺激を覚えましたね(牧野純平)

── 牧野さんがミセスの音楽に刺激を受けた点は?

牧野 僕はメロディだったんですよ。幅広いジャンルのいろんな音楽を吸収してるんだろうなとは思うんですけど、やっぱり僕は「メロディがいかにいいか」で聴いちゃうんで。その中で、一回聴いただけで覚えちゃうぐらいにメロディがよかったから。そこに刺激を覚えましたね。

── その対バンツアーの時に何か話したりしたんですか?

大森 いや、あの……すごくおしゃべりができないバンドで、実は。

牧野 僕らもです(笑)。

大森 やっぱり、そんな感じがしたんですよ!(笑)。リリリさんも、お互いがお互いを模索しながら終わった対バンだったので。不思議な空気感のまま――。

── お互いに「すごいなあ」「すごいなあ」って様子を見合いながら終わったと。

大森 逆に、最初からアーティストとして曲を聴いてたので、近づけなかったですね。「アーティストさん」っていう感じで(笑)。

牧野 そうですねえ。そういう意味で、「自分たちにないものをやってるな」っていう羨ましい気持ちと、いちアーティストを応援する気持ちじゃないですけど、自分を投影しちゃうというか。自分ができないことをやってくれてるので、すごく気持ちいい感覚でしたね。

── それ以降、おふたりの接点はないんですか?

牧野 全然ないですね。

大森 でも、普通に電車の中で毎日聴いてるリスナーなので、そういう意味では毎日会ってるし、僕だけに歌ってくれてはいるんですけど(笑)。だから、今日こうやってお話してるのも……ありがたいし、楽しいんですけど、ちょっと怖いですよね。「LILI LIMITの牧野さんとしゃべってる!」っていう(笑)。

牧野 俺、今日来るのめっちゃ迷いましたもん。「会いたいけど、怖えわぁ」って。

── (笑)。どちらもキーボードありの5人編成、男女混成のバンドっていう共通点はあるものの、やっている音楽は全然違うわけですけども。単純に、メンバーが5人いると、バンド内で意見をまとめるのって大変だったりしないんですか?

大森 そうですねえ……自分らはほんと、「多くの人に観てほしい」っていう承認欲求から始まったバンドなので。いい意味なのか――逆に弱点なのかもしれないですけど――プライドがあまりないので。「じゃあもっと面白いことやろうよ」みたいな話はメンバーとしますね。出たがりばっかりがいるバンドなので(笑)。「音楽があって、自分らがどのように出ていくか」っていうよりは、「自分らがどのように出ていくか」のあとに音楽がある感じなので。ひとつのツールとして存在してる感覚がすごくあるので。

── 面白いですね。そこについてリリリはどうですか?

牧野 そこは逆ですね。音楽が先で、自分たちが出ていくことを――一応考えてはいるんですけど、その前に自分たちのヴィジュアル的にどうかとか、ジャケットをどうするかとか、そういうことを音楽の次にこだわっていて、そのあとに広がっていけばいいかなあっていう。

── なるほどね。音楽と世界観が先に伝わっていけばいいと。

牧野 そう思ってます。メンバーはどうかわからないですけど(笑)。

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