ALL OFF アニメとライブハウスをつなぐ渾身のシングル『リフレインボーイ』を語る

daizawamatsuri

海外のラウドロック、エモへのリスペクトを下地にしつつ、アグレッシブかつメロディアスなサウンドを追求しているALL OFF。最近、彼らが興味深い動きを見せつつある。アニメ『ヘヴィーオブジェクト』の1stクールのオープニングテーマ“One More Chance!!”に続き、2ndクールのオープニングテーマ“Never Gave Up”も熱い支持を集め、アニソンのリスナーが彼らのライブに足を運ぶようになっているのだ。そんな状況を加速させそうなのが最新シングル『リフレインボーイ』。タイトル曲はアニメ『モブサイコ100』のエンディングテーマだが、これもさらなる一歩に繋がるだろう。so-hey(Vo)とYukio(G)に、バンドが踏み込みつつある新たな領域への想いを語ってもらった。

インタビュー=田中大

要望がある中で120%満足してもらえるものを出すのがプロなので、そこで匙を投げてしまうのは違うのかなと思う(so-hey)

――“リフレインボーイ”は、『モブサイコ100』のエンディングテーマのために書き下ろしたんですか?

so-hey そうです。お話を頂いてから原作を読み込んだんですけど、今までの僕たちが主にやってきたゴリゴリ系とか、ダンサブルな感じとは違うものをまずイメージしました。だから自分たちで十数曲書きつつも、とにかくアイデアがたくさん欲しかったんですよね。そして、イメージしている曲調が得意な人として、エバタくん(エバタヒロカズ/THE UNIQUE STAR)が浮かんだんです。

――以前も制作に参加してもらったことがあったんですよね?

so-hey はい。一緒に作ったり、アルバム用に曲を提供してもらったことがあったので信頼関係もありました。そして、彼からもらったアイデアをほかの曲も含めて並べた時に、“リフレインボーイ”の原曲が一際輝いていたんですよね。そこから共同作業で作っていったのが今回の曲です。

――イメージしていたサウンドって、どのようなものでした?

so-hey 爽やかさとか、疾走感とかがあるギターロック寄りのアプローチですね。エバタくんは、まさにそういうアプローチを得意としているので、適任ではないかと。

――ラウドとかエモとかの要素とはまた別のテイストを目指したということですね。

Yukio はい。僕たちがもともと持っている雰囲気を打ち出したものは前作の『へヴィーオブジェクト』のオープニングテーマ(“Never Gave Up”)でやったので、それとは違うアプローチをしたいというのもありました。

――アニメサイドの方がおっしゃっていたイメージもあったんですか?

so-hey 「アニメを観終わった後に、視聴者が抱いている爽やかな気分とか、切ない気分をマックスまで持っていけるような曲」というものでしたね。

Yukio 原作の主人公は感情の起伏が激しいんです。そういう部分をサウンドで表現して欲しいということもおっしゃっていました。エンディングテーマは初めてだったんですけど、オープニングテーマとは違う感じもありましたね。エンディングテーマは、やはり余韻が大事だと思うので。

――ライブハウス育ちのロックバンドにとって、頂いた要望を踏まえつつ曲を作ることに対して、何か思うことはありますか?

so-hey ゼロから自由に曲を作ることはこれまでやってきたので、逆に一定の要望みたいなものがある方が作りやすいなということも感じています。それに、そういう過程でできた曲も、自分たちらしさが出るんですよ。“リフレインボーイ”も今までの僕らとは違った部分がもちろんあるんですけど、歌ってみたら「自分たちらしいな」と思いましたし。このメロディは僕たちだけじゃ生み出せなかったかもしれないですけど、かといって僕らがいなくても生み出せたものでもないし、色が違うわけでもない。そういう手応えを感じているところです。

――アニメサイドのスタッフさんとは、何度もやり取りをしました?

so-hey しましたね。起伏とドラマチックさを求めていらっしゃいましたし、僕らもそういうものにしたかったので、いろいろな試行錯誤がありました。あと、歌詞は5、6回は書き直しています。

――何度も書き直すという職業作家的なやり取りに抵抗があるバンドマンって多いと思うんですけど、その点はどうでした?

so-hey 僕らは「頂いたオーダーを踏まえて、どれだけより良いものを作れるか?」という部分にやりがいを感じるんです。だから何度もやり取りさせて頂くことに抵抗はなかったです。要望がある中で120%満足してもらえるものを出すのがプロなので、そこで匙を投げてしまうのは違うのかなと思います。

最初、頂いた要望は「2ステップ」だけだったよね?(Yukio)
うん。「本当にアニメのプロデューサー? 普通のロックキッズじゃないの?」と思いました(笑)(so-hey)

――ところで、アニメの音楽をやることになったきっかけって?

so-hey 特に売り込みとかをしていたわけではなくて、普通に日頃の活動をしていた中で『ヘヴィーオブジェクト』のプロデューサーさんと出会ったんです。やや変わった方でして(笑)。「2ステップができる曲を書けるバンドはいないか?」と探していたらしいんですよ。

――アニソン業界で、あんまり出てくるタイプのオーダーじゃないでしょうね。

so-hey そうだと思います。そのプロデューサーさん、ANGRY FROG REBIRTHと僕らが一緒にやった“Sweet Sweet Crazy”をYouTubeで観て、「まさにこういう曲が欲しいんだよ!」とおっしゃったらしく。そしたら、現場にいた人が「ALL OFF、知り合いです」と。それで頂いたお話なので、僕らとしても予想外のことでしたね。

Yukio 最初、頂いた要望は「2ステップ」だけだったよね?

so-hey うん。「ガチガチに2ステップができる曲を作ってください」って言われて、「本当にアニメのプロデューサー? 普通のロックキッズじゃないの?」と思いました(笑)。それで作ったのが“One More Chance!!”でした。

――アニメソングへの関心は、もともとあったんですか?

so-hey 特別にアニメが好きという感じではなかったですけど、いろんなタイアップとかに対してはウェルカムな姿勢だったんです。いろんな場に出て行って、楽しいことをしたいと思っていたので。

――アニソンを作るならではの喜びって、何かあります?

so-hey ありますね。テレビで流れているのを観ると「ひとつ成し遂げた!」ってすごく感じるんですよ。アニメーションって、いろんな人が関わって完成されるものじゃないですか。何百人という方々が携わって生み出された絵に僕らが加わるのって、やりがいが半端ないんです。すごく責任感を要することをやっているんだなと毎回思います。

Yukio 僕らが作った音のキメの部分で、絵がいろいろ切り替わったりするのも嬉しいです。アニメサイドのみなさんと一緒に作ったということを実感するので。

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