昨年末からのザ・ローリング・ストーンズの結成50周年記念ツアーを締め括る、7月のハイド・パーク公演が早くも映像作品としてリリースされるが、これほど嬉しいことはない！　というのは、ファンならまずなによりもこのライヴは観てみたいからだ。昨年のWOWOW生中継でも思ったが、今回のストーンズは演奏一つをとっても相当に念入りに準備をしてきており、パフォーマンスはキレキレである。このハイド・パーク・ライヴの内容はとんでもないもので、間違いなくストーンズ最高峰のライヴ映像になっていると断定してもいいものだ。遂に究極のライヴ作品が出てしまったと言ってもいい。50周年企画だが、あくまでも内容はバンドの現在だという意地がエッジとして炸裂する、壮絶なロック魂を体感させるライヴ映像になっている。ただし、ハイド・パークには69年にもストーンズがライヴをやっているという意味合いももちろんあり、そうしたノスタルジアも映像の編集により絶妙に挿入されていて、感慨深い。とにかくのっけからキースとロニーのギターの絡みが悩殺的で、ミックとチャーリーはどこまでもかっこいい。 （高見展）