息もできないほどの高揚感

BUMP OF CHICKEN『firefly』
2012年09月12日発売
SINGLE
BUMP OF CHICKEN firefly
大規模全国アリーナ・ツアー『GOLD GLIDER TOUR』は、『COSMONAUT』以降のシングル曲群――とりわけソングライターとしての藤原基央の新次元を強く感じさせる“グッドラック”“ゼロ”といった真摯な楽曲にダイナミックな肉体性を与えるのに最高の舞台だった。そして、今度はそこで獲得した肉体性とタフネスを、ツアー真っ只中ならではの鮮度をもって、BUMP OF CHICKENの4人は強靭なビート感へとジャック・インすることに成功した。「今この瞬間を生きていること」がどれだけ奇跡的で、困難で、何より大切であるか、に極限までフォーカスを絞った「今」のバンプの物語性。限りある命をまだ見ぬ明日へ向けて最大限に燃やそうとする躍動感を体現する、抑えきれない鼓動のような升のバスドラの響き。「ライヴ・バンドとしてのバンプ」の喜びを全身で謳歌しながら藤原が紡いだ至上のメロディ……2012年の彼らだからこそ描き出せる「僕らが手にするべきヴァイタリティ」の形がここにはある。この曲がライヴで演奏され成長することで、その風景はさらに鮮やかさを増すことだろう。(高橋智樹)
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