ブルースと人生、第三章

22-20s『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』
2012年03月07日発売
ALBUM
22-20s ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット
アルバム一枚で突然解散し、数年の沈黙を経た後に再結成を果たした22-20s。彼らはメンバー間の衝突とかセールスの急降下とか、そんなよくある話で解散したバンドではなかったし、過去の遺産で食っていくために再結成したバンドでもない。彼らにとって解散と沈黙と再結成は、ひとえにブルースと向き合い生きていくストイシズム、ゆえの迷いと葛藤の表れに他ならなかった。若く蒼い彼らにとってブルースとは生き方そのものだったからこそ、そこに少しの不純物が混ざった段階でバンドは機能しなくなったし、ブルースを客体化し、ある意味突き放せる大人になったからこそ、彼らはバンドを再起動させ前作を作れたのだと思う。 そしてあれから2年、本作において22-20sは再びブルースと自分達自身をイコールで結ぼうとしている。前作のセクシャルでどこか緩いグルーヴから、ギチギチにタイトで求道的なグルーヴへと原点回帰している。ただし、本作のタイトさは自分達の首を絞めるかのようなかつての余裕の無さとは全く異なっている。ブルースに翻弄されるのではなく、ブルースと共に歩いていく、そんな覚悟と自信が垣間見える力作。(粉川しの)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする