真の青春パンク

ザ・ガスライト・アンセム『アメリカン・スラング』
2010年06月16日発売
ALBUM
ザ・ガスライト・アンセム アメリカン・スラング
ブルース・スプリングスティーンの正統な後継者、ザ・ガスライト・アンセムのニュー・アルバムが早くも到着。引き続きフロッギング・モリーのテッド・ハットがプロデュースを手がけ、前作『ザ・フィフティナイン・サウンド』で各方面から受けた高い評価をそのままバンドの勢いに変えたかのような力強い内容に仕上がっている。すでにブライアン・ファロンのボーカルは堂々たる風格さえ漂わせているが、もちろん疾走感や瑞々しさは全く失われてはいない。

スプリングスティーン的なある種の野暮ったさは最もパンクから遠いものと以前なら考えていたが、クラッシュをルーツとした90年代以降のアメリカン・パンクの流れを辿れば、こういう特質を持った人達の登場は必然だったのだろう。

ボス同様、彼らの視線は母国アメリカに集中しているが、最初から普遍的なテーマを扱おうと意識しすぎた歌よりも、よりローカルな事象を取り扱いながら、それを通じて万人に共有できる感情へと辿り着くような表現の方が優れていると昔から考えているし、このバンドにはそういう力がある。もっともっと日本でも人気が出ていいバンドだ。(鈴木喜之)
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