ラブもヘイトもハイもローも

ちゃんみな『Naked』
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ALBUM
ちゃんみな Naked
ちゃんみなの火力が最大出力された約1年半ぶりの最新作。武道館で大成功を収め、昨年には韓国デビューを果たしたが、その裏でこの17曲すべてに彼女の魅力が詰まった大作を作り上げていたとは。本作がこれだけの熱量を持っている理由は、それぞれ逆の方向を向いた矢印が交差しエネルギーを生み出しているから――愛と憎しみ、幸せと不幸、ハイとロー、日常と非日常。“Good”はチャンス・ザ・ラッパーの“Sunday Candy”よろしく多幸感のあるトランペットに、胸を締め付ける切ない歌詞が響く。“Wake up call”では日本語、英語、韓国語を自由に操り、誰もが羨む世界を飛び回るライフスタイルの中で、《where the fuck am I??》、だけど私はどこにいるんだ?と己の中の陰と陽が時差ボケのように入り交じる。パンクサウンドの“I’m Not OK”では、大丈夫じゃないけど、全部うまくいくさ、と感情の矛盾をストレートに歌う。ロックもポップもトラップもアコースティックも、どれもそんな彼女の素=『Naked』を映し出す鏡だ。傷つき、立ち上がり、世界を見つめ、道なき道をたくましく進むちゃんみなが、ここにはいる。(前田侑希)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)


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