確かな手触りのある歌たち

flumpool『Real』
発売中
ALBUM
flumpool Real
山村隆太(Vo)の療養が明けてから、2019年のflumpoolは1年の大半をツアーに明け暮れた。約4年ぶり、満を侍してのニューアルバムは、全14トラック(デジタル版は17トラック)収録のボリューム。“HELP”や“素晴らしき嘘”、“ネバーマインド”といったタイアップ含む既発曲はもちろんのこと、舞い上がるような空間系ギターリフに乗せて《さぁ 1秒先の未来へ》と力強く呼びかける“NEW DAY DREAMER”、艶かしいサウンドの中から人肌の温もりと湿度を立ち上らせる“ディスカス”、手に取るように確かな生活感の中からかけがえのないものを映し出す“初めて愛をくれた人”や“ほうれん草のソテー”など、音楽の力でつぶさに人間のドラマを描いている。お馴染みの百田留衣や亀田誠治をはじめ、楽曲ごとに様々なアレンジャーが華やかな編曲を施しているけれども、flumpoolの歌は散漫になることなく、リアルに日々を彩る歌として聴こえている。デビューミニアルバム『Unreal』をセルフオマージュしたアートワークからも窺えるように、我々に近い「歌」として帰還を果たしたflumpoolだ。(小池宏和)

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