素肌の傷跡こそが名誉の勲章

Dragon Ash『MAJESTIC』
2017年05月31日発売
ALBUM
Dragon Ash MAJESTIC
「威厳のある、堂々とした」という意味を持つタイトル。20周年を祝福するというよりも、Dragon Ashのロックの20年が、こぞって今現在の彼らを祝福するようなアルバムだ。エレクトリックな爆音と、日差しのように降り注ぐエレクトロニックなサウンドが、境目なく融合して斬新なフォーマットを形成している。まさしく『MAJESTIC』な新フォーマットだ。そこに“Mix it Up”や“Headbang”といったフロア直撃型のナンバーが描かれ、“Jump”は人々が背負う荷物を前提にしながらも高くジャンプするための雄弁なロックソングと化している。“Rainy Day And Day”の20年後を思わせる“Singin’in the Rain”は、風雨に晒されながらタフに成長した姿を物語り、そこからの“光りの街”は中盤のハイライトだろう。Dragon Ashのミクスチャーロックは重く分厚い武装ではなく、その時折の心模様と表情をありのままに伝えるものだったのだと分かる。《止めどなく鳴らす Rockの様に自由で/それぞれ晒す 僕の様に夢中で》。そんな“A Hundred Emotions”は、なんとも誇らしげな響きをしている。(小池宏和)
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