洋楽・邦楽という分類も不要

Nulbarich『Who We Are』
2017年05月24日発売
EP
Nulbarich Who We Are
昨年リリースの1stアルバム『Guess Who?』が話題を呼び、今注目すべきアーティストとして頻繁に名前が挙がるNulbarich。ファンク、ソウル、アシッドジャズなどのブラックミュージックをベースに、超絶グルーヴィーなサウンドを聴かせてくれる彼らの新たなEPが届いた。リード曲“It’s Who We Are”はもはや洋楽、邦楽といったカテゴリーわけさえも不毛だと思わせられるような、高度に洗練されたサウンドがとても気持ちいい。時には窮屈な現実を忘れて好きに過ごそうというメッセージが込められた歌詞ではあるが、英語と日本語が自在に交錯しながら流れるように耳に滑り込む言葉は、その滑らかな響きそのものが「日常を抜け出せ」というメッセージのようだ。カップリング曲もそれぞれにブラックミュージックの影響を感じさせ、ソウルとポップが融合してとりわけ自由で新しい音楽が次々と生まれてきた80年代っぽい奔放さを思わせる楽曲もあるが、そのミクスチャー感覚は、むしろとても現代的。今やライブもソールドアウト連発の盛況ぶりで、今後さらなる旋風を巻き起こしそうだ。(杉浦美恵)
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