ぼくが電話をかけている場所

ザ・シャーラタンズ『ディファレント・デイズ』
2017年06月02日発売
ALBUM
ザ・シャーラタンズ ディファレント・デイズ
中心人物ティム・バージェスが昨年リリースしたピーター・ゴードン(ポスト・パンク/ノー・ウェイヴ期のニューヨークに存在したラヴ・オブ・ライフ・オーケストラ首謀者)との共作エレクトロニック・ポップ・アルバム『Same Language, DifferentWorlds』があまりに良かっただけに期待はしていたものの、ちょっと驚くほど感動している。

半数以上の曲で、ニュー・オーダー/ジ・アザー・トゥーのスティーヴン・モリスがドラムス/プログラミング協力。オリジナル構成員が脳腫瘍で没した結果である「正式メンバーにドラマーがいないバンド」として、これ以上ないほどの未来に向かうおとしまえをつけた。15年の前作は内容的に軽く超えてるし、何度か全英トップに立ったかつての傑作群に勝るとも劣らない素晴らしさ。

なぜか思いだしたのは、80〜90年代に愛読した村上春樹訳レイモンド・カーヴァーら「あらかじめ失われた世代」作家による短編集。おそらく、マンチェスターのサルフォードつまり郊外都市出身であるティムの持ち味が最大限に発揮されたということなのだろう。ジョニー・マーも参加していることだし。 (伊藤英嗣)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする