荒廃した街を生きる1枚

MAN WITH A MISSION『Dead End in Tokyo』
2017年01月25日発売
SINGLE
MAN WITH A MISSION Dead End in Tokyo
これ、誇張抜きにMWAMの最高傑作シングルだと思う。表題曲は、映画前作に提供した“Dive”に続き『新宿スワンⅡ』主題歌。大胆に音の間を空け、メロディそのものに雄大な広がりを持たせたミドルテンポの1曲だ。プロデュースはパトリック・スタンプ(フォール・アウト・ボーイ)であり、作詞にも携わっている。東京をディストピアとして見つめる英語詞は、荒廃と物悲しさの中でリスナーを《人生の行き止まり》(対訳より)へと追い込んでゆく。先行配信リリースされた“Hey Now”は中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)プロデュース曲で、スイッチングボーカルを中野節の不穏な推進力が後押しするナンバーだ。さらに、3曲目の“Brave It Out”が、ギラついたロックシンフォニーに塗りこまれた勇壮な名曲に仕上げられている。カップリング曲に斬新なアプローチのサウンドが持ち込まれることがままあるので、リスナーとしても気が抜けないやら、嬉しいやら。ドラマティックな“Raise your flag”が、こんなにもミニマルなテックハウスと化すのかという石野卓球リミックスも収められている。最高だ。(小池宏和)
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