2015年のアジア／ヨーロッパツアーと国内の対バンツアー、その年末の幕張メッセまでを追ったドキュメンタリー映画、2016年3月公開。ドラマー山口智史が休養に入る時から撮り始め、サポートドラマー森瑞希とアジア＆ヨーロッパツアーを回り、刄田綴色が加わったツインドラムで国内対バンツアーを行い、智史の休養に対する思いを3人が語るインタビューシーンが入り、智史が観に来る12月23日幕張メッセで、彼がいなくなって3人で最初に作った“お風呂あがり”で映画が終わる。つまり「喪失」がテーマになっている。言葉を足すと、「喪失」と、それを乗り越えていく過程を追ったドキュメンタリーになっている。対バンツアーでの豪華ゲストとのセッションシーンはうれしいし、前半の海外ツアーの映像も貴重で楽しいが、それらはオプションでメインは「喪失」。メンバーの喪失であり、これまでのRADWIMPSの喪失であり、クサいこと言うと青春期の喪失だったのかもしれない。そこにグッとくる。「ピンチを乗り越えました！」みたいな後味のいい終わり方でないのも、とてもいい。（兵庫慎司）