17年ぶりの再会

アメリカン・フットボール『アメリカン・フットボール』
発売中
ALBUM
アメリカン・フットボール アメリカン・フットボール
シカゴのポスト・ロック・バンド、ジョーン・オブ・アークのマイク・キンセラ(Vo&G)が90年代最後半に率いたアメリカン・フットボールは、アルバム、EP各1枚を残しただけだが、名前は解散後に口伝えで広がった。14年に実現した唯一のアルバムのリイシュー、ツアーも人気で、それを受けての17年ぶりの新作だ。それも同タイトルなのがじつに紛らわしいのだが、サウンドも柔らかでミニマルなギター・ポップ・サウンドを基調としているのも同じ。

ただ、スティーヴ・ホームズ(G)、スティーヴ・ラモス(Ds)のオリジナル・メンバーに加えてマイクの従兄弟のネイト・キンセラ(B)が加わったことで、当然ながらサウンドのニュアンスも多彩さを増しているし、インディペンデントなグループを囲む状況も違ってきてるのを踏まえ、そこらの空気感をしっかりとはらんだものとなっている。どこか人懐っこいメロディラインと細かなリフの積み重ね、繊細なギター・ワークは受け継がれ、いまの時代ではやけに新鮮だったりする。ジェイソン・カップ(アヴリル・ラヴィーン、ジミー・イート・ワールドetc)のプロデュース・ワークも的確だ。(大鷹俊一)
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