25歳誕生日の二日後

ボブ・ディラン『ライヴ 1966』
発売中
ALBUM
ボブ・ディラン ライヴ 1966
ディランのノーベル文学賞受賞騒ぎはまだまだ続いているが、一番びっくりしたのはそれに反対する<文学者>がいたことで、“廃墟の街”の歌詞でもじっくり読めと言いたい。

そんなディラン最初の絶頂期を味わえる66年ツアーを記録した36枚組ボックス『ライヴ1966』が出る。ライヴ盤を出す予定で収録したものやサウンドボード音源、オーディエンス・テープを駆使し、米、英、ヨーロッパ、オーストラリア各地のライヴをまとめたもので、しなやかな歌声がたっぷり楽しめる。その中からもっとも有名な『リアル・ロイヤル・アルバート・ホール』は単独でもリリースされる。以前出たものが実はマンチェスターでのライヴだったことから、これが<リアル>なわけで、当然ながら有名な客との<ユダ!(裏切り者)>のやりとりは入っていない。前半はアコースティック、“テル・ミー・ママ”に始まる後半はザ・ホークス(ザ・バンド)を従えてのエレクトリックで、前半の情感豊かさと後半の力強く引っ張る歌声は圧巻。多少の歪みや乱雑な演奏もすべて生ものとして素晴らしい。この人と時代を共有していることが誇らしくなるライヴ盤だ。(大鷹俊一)
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