ロックは最初の一音で決まる。イントロ一発で否応なく持っていかれるような強烈なインパクトがあるかどうかが勝負だ。そこがダメなロックは、まあ大したモンじゃない。もちろん例外はありますよ。しかしビートルズやローリング・ストーンズの昔から、かっこいいロックンロールにかっこいいイントロは必須と断言したい。そういう意味でいえばCrossfaithの今作は100点満点の合格。プレイボタンを押し、イントロが鳴った瞬間にアッと声が出て、あとは一気呵成だった。もちろんそれだけじゃない。サウンドプロダクションの圧倒的な充実、張り詰めた緊張感と沸き上がるエネルギーに目を見張る。AA=やcoldrainのMasatoとコラボしたシングル『FREE THE MONSTER』では強烈なスクリームを聴かせ、Crossfaithの名を轟かせたkoieのボーカルがここでも強力そのもの。ラウドなロックとエレクトロの融合というテーマに挑むバンドは多いが、今作でサウンド面も演奏もボーカルも長足の進歩を見せた彼らが頭ひとつ抜けたと考えていいのではないか。新時代の戦士を標榜する彼らの気迫と自信に圧倒される。（小野島大）