紙資料に載っていた井上竜馬（Vo）によるセルフライナーノーツはそんな一文で始まるが、それでも本作は“Morning Glow”と名付けられた。それは、聴き手の手を取り明るい未来へ導きたいという意志の表れでもあるし、光によって暴かれる自らのコンプレックスとも向き合っていくんだ、という覚悟の表れでもある。前作までのミニアルバム3枚＝「インディーズ三部作」にて、「聴き手とどんな関係性を築いていきたいのか」をしっかり伝えてきたSHE'Sだからこそ、そして、夜の温かさと朝の残酷さ――拭えない孤独の存在を知る井上だからこそ歌える希望の歌が、ここに生まれた。
軽やかなタッチで諸行無常を描く“日曜日の観覧車”、まだ見ぬ未来への渇望感を瑞々しいサウンドに変えた“Time To Dive”と、3曲とも新たなステージへ向かうバンドの想いを反映している。彼らが嘘のない気持ちで音楽と向き合ってきたことを証明し、さらにその姿勢がこれからも変わらないものであることを約束してみせるような、メジャーデビュー作だ。（蜂須賀ちなみ）
