誰も止められない極彩色の爆発

パニック!アット・ザ・ディスコ『ある独身男の死』
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ALBUM
パニック!アット・ザ・ディスコ ある独身男の死
昨年にはなんとスペンサーも脱退。ついにブレンドン・ウーリーの1人体制となったパニック!アット・ザ・ディスコだが、それによって鎖から自由になった獣の如く一切の制約やリミッターから解き放たれたブレンドンの才気と闘争心が、約2年ぶり5枚目となる今作では全方位的に炸裂しまくっている。冒頭から爆発する激烈EDMソウル“ビクトーリアス”の輝度。クイーンばりのコーラス・ワークを響かせる“裸の王様”の麗しき狂気。エモ/ポップ・パンクの沸点をあっさり刷新するような“LAバンザイ”……ファースト・アルバム『フィーバーは止まらない』のポップ&ダンサブルな楽曲群に覚えた得体の知れないヴァイタリティが、格段に強靭に鍛え上げられた表現者精神でもって完全再構築されてしまった名盤。タイトル曲“ある独身男の死”や最終曲“インポッシブル・イヤー”で聴かせるシナトラばりの豊潤な中低音と、ディストーション渦巻くオルタナR&B的な“ゴールデン・デイズ”で鳴り渡る戦慄必至のトップ・ノート絶唱とのコントラストから、「シンガー=ブレンドン」の圧倒的なポテンシャルまでもがくっきりと浮かび上がってくる1枚。(高橋智樹)
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