想いと想いの架け橋のように

SHE'S『She'll be fine』
2016年02月03日発売
MINI ALBUM
SHE'S She'll be fine
冴えているバンドだなという印象を抱いた。ピアノの特色である繊細さとロック特有の疾走感を共存させる「ピアノロックバンド」としての確固たるアイデンティティ。ときにはストリングスの音色と絡み合いながら、バンド一丸となって滑らかな放物線を描くアンサンブル。サウンドにおける緩急のレンジの広さ。日本語と英語の語感の違いを活かした歌詞の響き。そのどれもが彼らの中心にあるひとつの姿勢――音楽を通して言葉にできない気持ちを交わし合いたい、そうしてあなたと会話をしたいんだ、ということに対して核心的なアプローチである。そして、一極に偏ることなく影や孤独をも丁寧に掬い上げるような音楽だからこそ、聴き手はそこに光を見いだすことができるのではなかろうか。映画のオープニングテーマとして流れていても遜色ないほど壮大なスケールで届ける“Un-science”、エッジの効いたサウンドとともに心の葛藤を暴く“Save me”、温かなミディアムチューン“Curtain Call”など、曲調も豊か。本作が3rdミニアルバムとのことだが、次はぜひともフルアルバムが聴いてみたい。(蜂須賀ちなみ)
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