コンセプトミニアルバム『BOYS』と対になる、『GIRLS』が完成。男心を描いた『BOYS』、そして女性へと向けた『GIRLS』。ラブソングということでは、『GIRLS』はよりスウィートで、メロウな曲が揃った。『BOYS』と同様、百田留衣がプロデュースを手掛けた曲“夜明け前”でスタートする今作。スロウなビートと柔らかなタッチの金澤ダイスケ（Key）によるオルガンの音色、山内総一郎（Vo・Ｇ）のしっとりとしたヴォーカルで、心地好い時間を編んでいく“夜明け前”は、恋の先にある濃い景色を描く、直球のラブバラード。フジファブリックとしてはかつてない展開でハッとさせつつも、続く“Girl! Girl! Girl!“で、ブラスが華やかなフリーソウル的なサウンドで、君に会いに行く恋心のワクワクを歌い、加藤慎一（Ｂ）による曲”キノウ“では女心と秋の空とでも言えそうな、移ろう心やもやもやとした思いを、ファンタジックに綴る。日常や人生のふとした隙間や黄昏時の情緒を美しい音に変えてきたその視点を、恋愛にピントを合わせ描いた作品。心の機微に、キュンと触れる内容になっている。（吉羽さおり）