アルバム『LIFE』、そして昨年の初の武道館公演はまさに、10年間の「集大成」であったと思う。それは彼らが積み重ねてきた歳月を1ページ1ページ丁寧にめくるような時間だった。最後のページを終えた時、つまり「今」という真っ白なページに辿り着いた時、次にフジファブリックと見るのはどんな景色なんだろう？と立ち尽くす感覚すらあったほどだ。
2015年、デビュー11年目となる今年。フジファブリックは2枚の企画盤をリリースする。そう、彼らがメジャーというフィールドに初めて投じたあの「四季盤」以来の企画盤だ。『BOYS』と題された本作は、壮大なストリングスの調べを見事にフジファブリックサウンドに落とし込んだ“Green Bird”にはじまり、“銀河”を思わせるギターリフが疾走感を見せる“ALONE ALONE ALONE”に終わる。それは、10年で培った彼ら「らしさ」と新たな挑戦が存分に広がった、駆け抜けるような5曲だ。ここから見える景色が青々と輝いているということが、私はたまらなく嬉しい。（安田季那子）
収録曲“夢みるルーザー”のミュージックビデオ（Short ver.）
