追悼:アンディ・ルーク――デビュー当時1983年のザ・スミス貴重インタビュー発掘

追悼:アンディ・ルーク――デビュー当時1983年のザ・スミス貴重インタビュー発掘

元ザ・スミスのベーシスト、アンディ・ルークが去る5月19日に亡くなった。ザ・スミスのボトムを支え続けた男は、長年の闘病の末力尽きた。享年59。各メンバーは追悼のコメントを発表しているが、なかでもモリッシーが異例の長文で、それもいつもの彼らしい皮肉や当てこすりなしのストレートな哀悼の辞だったのは、アンディの人柄を思わせた。
 
ロッキングオン2023年8月号には、アンディを追悼しザ・スミスの貴重なインタビューが掲載される。1983年の7月ごろに行われたもので、デビューシングル”ハンド・イン・グローヴ”が大きな話題を呼んでいた時期、ファーストアルバムのレコーディング終了直後に行われたものだ。

モリッシー&ジョニー・マーへの取材で残念ながらアンディの発言はないが、随所にアンディへの言及がなされ、ベーシストとしてのアンディへの高い評価と、その人柄への深い信頼が両者から語られる。自分たちの才能とバンドの絆と輝かしい未来を毛一筋ほども疑っていない若者たちの自信たっぷりな、だが純粋で曇りのない言葉が眩しい。そこにはもう2度と戻らない青春の輝きが宿っている。
 
そしてもうひとつ興味深いのが、この時のアルバムレコーディングは元ティアドロップ・エクスプローズのトロイ・テイトのプロデュースで行われた、通称「トロイ・テイト・セッション」だったことだ。よく知られているように、「トロイ・テイト・セッション」の音源はこの後すぐ破棄されアルバムはジョン・ポーターのプロデュースで再録されて、それが現在知られているアルバム『The Smiths』となった。だがこのインタビューで2人は口々にトロイとの作業に心から満足していると語っているのだ。一体このあと何があったのだろうか? メンバーが出来に不満を持ったと伝えられるが、ミックスが気に入らないならミックスだけやり直せばいいのに、音源まで破棄した理由はなにか? 興味が尽きないインタビューである。(小野島大)


ザ・スミスのインタビューが掲載されるロッキング・オン8月号

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