今号のSIGHTは歴史に残る

今号のSIGHTは歴史に残る

もちろんのことだが、株式会社ロッキング・オンから刊行された本には全て目を通す。
書店に溢れる数多くの雑誌の中で、常にクオリティーが高く面白いから、という一読み手としての欲求で読む。
そしてまた、この会社の責任者として、様々なチェックの意味でも読む。
自分が編集長を務めるロッキング・オン、ロッキング・オンJAPAN、bridgeは、実際に自分で作っているのだから制作段階で全て読むことになるが、CUT、H、SIGHTは、制作段階で特に内容の相談やチェックの要請がなければ出来上がってからすぐに読む、という形になる。
その中でも、社長が編集長のSIGHTは、いつも最後に読む。
社長が編集長なのだから、渋谷陽一が編集長なのだから、少なくとも僕がチェックする必要性は完全にゼロで、素直な感想を読後に伝えるぐらいしか「仕事」としての僕の役割はないからだ。
だが、この号は出来上がってから真っ先に読んだ。
一読み手として、真っ先に読まずにはいられなかったからだ。
全ての記事が画期的な内容の、そしてそれらが一種の必然の魔力のような力で編集された奇跡的な一冊と言っていい。
音楽の魔法、映像のマジックというような言葉を僕たち編集者は作品に対して使うが、今号のSIGHTには雑誌のマジックが憑いている。
活字メディアの威力を見せつけられる一冊だ。
自社の商品に対して使うべき言葉として相応しくないのかもしれないが、この一冊に向き合った一読み手として、これは傑作である。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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