KEN YOKOYAMAのブログに関して

KEN YOKOYAMAがウェブサイトのコラムで今年のロック・イン・ジャパンのことを書いている。ダイブ、モッシュについて、お客さんについて、フェスのあり方について、そこに自分たちが立つことについて、真剣に考えて正直に行動して率直に書いた横山健はやはり真のパンクだ。これを読んでいる人は、PIZZA OF DEATHのサイトに行って読んで欲しい。

今年、ダイブ・モッシュの禁止を強くアピールしたことで、横山健に限らず何人かのミュージシャンがそのことについてMCでコメントした。それぞれがそれぞれの言葉でそのことについてステージから真剣に語った。横山健がMCで言ったように、運営側もミュージシャンもお客さんも試されていたのだ。

僕らは、お客さんが安全であることを選んだ。ダイブ・モッシュ禁止というルールの中で音楽が楽しめるフェスを目指そうと決断した。そして、出演をオファーするミュージシャンに100%賛同はしてもらえなくても、少なくともそれを理解してその道を模索してもらいながら進んで行こうと決めた。横山健のコラムに書かれているいきさつと彼の戸惑いや苛立ちは、まさに「模索」してくれた証だと思う。でも、答えは出なかった。いや、KEN BANDとしての答えはすべてあのステージの経過の中にリアルに出ていたが、 でも、それは彼ら自身にしこりを残し、お客さんに戸惑いを残し、僕らに課題を残した。

KENと僕はこれからもこのことについて話し合い、これまでどおり取材やライブ会場でコミュニケーションをとり続けていく。このことを真剣に考えて模索してくれるミュージシャンとして、向き合っていく。KENがコラムに書いてくれたように、あの会場でライブ前も終わった後も僕は思っていることをそのままKENに話し、KENもそれを真剣に聞いてくれた。普段の取材においても、ロックとは何か、パンクとは何かということについて、熱く語り合いながら深いところでわかり合える関係にあると思っている。いつかKENが向かうロックと僕が向かうロックが重なる時が来ると僕は信じている。

そして、ロック・イン・ジャパンのプロデューサーとして、僕は自分たちが進むべきだ思う、安全であらゆる人たちに開かれたフェスとしてぶれることなく運営していくつもりだ。けが人を出すことのない、みんなが楽しめる場所であらゆる音楽に出会い、笑顔で過ごすあの何日間の時間こそがフェスの幸福だと僕たちは信じている。それが一瞬で壊れてしまう怪我や危険を僕たちはできる限りなくしていきたい。それだけは譲らずに、さまざまなテーマと向き合い、議論すべきことは議論を重ねて、その上でできるだけ多くのミュージシャンがあのステージに立ってくれることを僕らは望んでいる。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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