SEKAI NO OWARIの“ANTI-HERO”はもの凄い曲だ

SEKAI NO OWARIの“ANTI-HERO”はもの凄い曲だ

今、このタイミングで、この曲をシングル曲としてリリースするセカオワ、
凄すぎる。
ダン・ジ・オートメーターによる、(セカオワの曲としてはありえないほど)ダウナーでミニマルに聴こえるヒップホップ・トラックに、Fukaseの全曲英語のラップが乗るという、
これまでの彼らの楽曲とは完全に一線を画した曲。
おそらくほとんどの人は驚きと当惑を感じながらこの曲を聴くだろう。
僕もそうだった。
ただそれはほんの十数秒で、驚きはすぐにとてつもない喜びに変わった。

この曲は、クオリティーとエンタテインメントだけで出来ている。
音のクオリティーがエンタテインメントを実現して、
エンタテインメントによってのみ音のクオリティーが証明される、
それだけの潔いシンプルな構造だ。
その構造は、今の海外のポップ・シーンの基本になっている。
「◯◯らしさ」とか「本物志向」とか「魂を売る/売らない」とか、
そういう基準はもはや今の世界の新しいポップ・シーンの中では死語と化している。

そんな新たな潔い場所でこの曲は鳴っている。

日本のシーンはまだそこまで成熟していないから、この曲はたぶん相当な賛否両論を呼ぶだろう。
でも間違いなく音楽は「そっち」にこれから開かれていくはずだ。

インパクトある形で、彼らがその一歩を踏み出したことがめちゃめちゃ嬉しい。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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