蜷川幸雄、亡くなる

蜷川幸雄、亡くなる
体調が万全でない状態でも、ずっと現場に立ち続け、闘って来た蜷川さんだった。
最後となった舞台を観たとき、スタッフの方から「病室で看護師を怒っていたので、蜷川さんはまだまだ大丈夫ですよ」と言われて、少し安心していたのだが、残念だ。
僕は芝居に対する感受性がなく、全くと言っていいくらい演劇を観ないが、蜷川さんの作品だけは大好きで、たくさん観て来た。観客こそが主役だというロックな姿勢が常に蜷川さんの芝居にはあった。
どうしてもフェスを観てもらいたくて、カウントダウンに来ていただいたことがある。
実は提灯を使った飲食エリアの演出は蜷川さんの世界観からアイデアをもらったものだった。
「蜷川幸雄っぽいでしょう?」と言ったら笑ってもらえた。
とてもフェスを楽しんでいただき、長く会場にいてくださった。
「面白かった、次の芝居の演出プランを変えるよ」と冗談を言って 帰っていかれた。それが蜷川さんとの最後の会話になってしまった。
人としても素晴らしい方で、本当に大好きだった。とても悲しい。
ご冥福をお祈りします。
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