ジャック・ブルース亡くなる

ジャック・ブルース亡くなる

とても好きなアーティストだった。残念だ。長く病気と闘っていたので本人も回りも覚悟はあったと思う。ただ、どんなに準備しても悲しみは変わらない。
ソロが出る度に番組で紹介してきたが、いつも期待を裏切らない作品を届けてくれた。
僕の番組を聞いてくれている人なら、クリームはジャック・ブルースのバンドだったという僕のコメントを何度も聞いているはずだ。言うまでもなくバンドは誰かひとりのものでなく、メンバー全員のものだ。それでもクリームといえばクラプトンという一般認識に抵抗したくて、僕はクリームはジャック・ブルースのバンドだと言い続けた。
実際、クリームの代表曲の多くは彼の手になるものであり、リード・ヴォーカリストも彼であった。
ソロになってからも、クリーム時代からの盟友ピート・ブラウンと素晴らしい曲を作り続けた。
クリーム時代のようなスポットライトは当たらなかったが、彼は自分の音楽人生に自信を持ち楽しんでいたのではないか。届けられる質の高いソロ作品を聞いて、いつもそう思っていた。
クリーム時代の成功が大き過ぎたため、その後はクリームの陰の中で生きなければならなかった、という悲劇の匂いは彼にはない。だからこそ彼の病気との闘いを支援する為に企画されたクリームの再結成にも前向きに取り組んだのだと思う。
いつも背筋がしっかりと伸びた姿勢で音楽と向き合っている彼の生き方が好きだった。
ご冥福をお祈りします。
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